NASAは、UFO(正確にはUAP?)の調査を始めています。
これは、人類の知見を広める意味で、良いことです。

でも、間違ってはいけないのは、これまでの調査で正体がわからなかった空中現象が存在することを認めただけです。
UFO宇宙人説とは、無関係です。

UFO宇宙人説でも、地震雲と同じで、地道に証拠を積み上げていくことです。
大学院さえ出ていない私が言うのも可笑しな話ですが、実際の研究に必要な検証は、一般人が考えているレベルの何段階も厄介で難易度が高いものでしょう。
確認ができない空中現象の存在を公的機関が認めたくらいで根拠になるのなら、この世に研究者なんか要らなくなります。
例えば、中国政府が「新型コロナは存在しない」と言えば、新型コロナが存在しない証拠になるとは、誰も思わないでしょう。これと似た話なのです。

逆に言えば、UFO宇宙人説の科学的な価値は、その程度のレベルとも言えます。



UFO宇宙人説自体は、可愛い話なので、放置しても問題はないと思います。
ただ、「迎撃しろ」といった過激な話が出てくれば、話は別ですが・・・

地震予知のようなものは、情報を一般向けに販売するので、詐欺の疑いが出てきます。
なので、放置、あるいは無視し続けるのは、良い判断とは言えないでしょう。

論理的に考える力は、必須ですね。




そう遠くない将来には、遊離酸素の大気を持つ惑星が、発見されるだろうと、私は期待しています。

酸素は、反応性が強いので、直ぐに他の物質と結び付いて、消費されます。
遊離酸素の存在は、植物のような酸素を生み出す仕組み(還元反応)があることを意味します。これは、生物(植物)の存在を示唆します。
また、酸化反応では、大きな反応エネルギを得られます。なので、高い活動性を持つ生命の存在も期待できます。知的生命の存在が期待できるのです。
遊離酸素を持つ惑星を詳細に調べれば、意味を持つ電波が見付かるかもしれません。
これは、知的生命の存在を強く示唆します。

このような発見があることを、私は期待しているのです。
地球が、宇宙の中で『孤独な存在ではない』ことの証明になるのです。
(人間原理が崩れるくらいの発見!)


仮に、こんな大きな発見があったとしても、『UFO宇宙人説』の証明にはなりません。

「宇宙人がいれば何でもできる」
そんな単純なものではないのです。

最大の問題は、恒星間を移動するために必要なエネルギと時間です。

1kgを光速の10%まで加速するには、450兆Jも必要になります。
目的地で静止するために、同量のエネルギが必要です。
自分の恒星系に戻るためには、更に倍のエネルギが必要ですから、1kgの質量を隣の恒星系まで往復させるためには、1800兆J(5億kWh)が必要になります。

1人の日本人は、年間8000kWhを消費します。
1kgを光速の10%まで加速して隣の恒星系まで往復すると、6万人の日本人の年間電力消費量に相当するエネルギが必要になります。
生命維持装置や推進装置、推進剤を含めた宇宙船の総重量が2tだと仮定すると、日本の年間の電力消費量に匹敵するエネルギが必要なのです。

ところが、これだけ莫大なエネルギを消費しても、隣の恒星系まで片道で40年以上も掛かります。往復なら、80年以上です。




天文学者の多くは、地球以外にも知的生命が存在すると思っています。
ですが、UFO宇宙人説を支持する天文学者は、ごく少数です。(いないかも)
それは、前述のような事実を理解しているからです。


ただ、UFO宇宙人説を信じる人の中には、「宇宙人は、人類が知らない科学技術で、エネルギの問題も、時間の問題も、解決している」と言い出すでしょう。
その可能性は、ゼロではありませんが、科学的な意見ではありません。

また、人類が知らない高度な科学技術を持っている宇宙人は、なぜ手間暇かけて地球に来るのか、母星でバーチャル空間で済ませないのはなぜか、不思議です。
人類の科学技術では、実際のように体験することはできないかもしれません。ですが、人類が知らない科学技術を持っているのなら、実体験と全く同じレベルで再現できないはずがありません。態々に地球まで来るなんて、時間とエネルギの無駄でしかありません。
UFOは、なぜ人類に見えるのか、なぜ目で追える速度で移動するのか、なぜ空を飛ぶ必要があるのか、なぜ全て瞬間移動しないのか、なぜ大気圏に降りてくるのか等々も、中途半端ですよね。

UFO宇宙人説の宇宙人は、人類の価値観の範囲内で行動しているようにも見えるのです。そして、矛盾を指摘された時だけ、「宇宙人は人類が知らない高度な科学技術を持っている」と言っている感じなのです。

価値観は、個人差があります。
だから、UFOと宇宙人の現れ方は、バラエティに富むのかもしれません。
でも、このような差を指摘すると、今度は「色々な星系から地球に来ているから、差がある」となるのです。

「う〜ん・・・」