トヨタ自動車は、太陽電池によって発電した電力で人工的に光合成を装置の改良に成功したと、発表しました。
この装置は、二酸化炭素を含む水に酸化電極と還元電極を入れ、太陽電池の電力で二酸化炭素からギ酸(CH2O2)を生成します。
効率は、入射した太陽光のエネルギーの7.2%がギ酸の生成に変換されたとしています。具体的な記述はありませんでしたが、おそらく、ギ酸の化学エネルギーへ変換できる割合が、7.2%なのだと思います。


さて、実際の植物は、どれくらいの効率なのでしょうか。
多くの植物の光合成の効率は、1%以下と言われています。人工的に高効率になる環境を与えても、5%には届かないだろうとも、言われています。

となると、エタノール燃料で車を動かすことは、効率が悪いことになります。どんなに工夫しても、太陽光から得たエネルギの1%も、車を動かすためには使えないはずです。
太陽電池の効率は20%を超えており、送電や蓄電によるロスがあっても、光合成の10倍以上の効率は得られるはずです。
前回の話題である『人工光合成』でも、7.2%でした。
人工光合成の生成物はギ酸なので、これをエタノールに変換する必要があります。パナソニックの古い研究では、この過程で、エネルギの1/4が失われるようです。
人工光合成を用いても、エタノール燃料は太陽電池を超えられそうにありません。


エタノール燃料は、電動化が難しい動力に利用するのが良いと思います。
つまり、蓄電量では不足する船舶や、重量の制約が大きな航空機のカーボンニュートラル燃料としての利用です。
ですが、自然発火しにくいのでディーゼルエンジンには不向きと思います。
「エタノール燃料という手段もある」くらいに考えておいた方が、良さそうですね。

ギ酸からメタンを作ることも可能ですので、現状のコンバインドサイクルの発電所の燃料とすることも不可能ではないと思います。
コンバインドサイクルも、船舶なら搭載できるかもしれません。ですが、ガスタービンとランキンサイクルの2種類のエンジンを搭載しなければならないので、スペース面で経済的とは言えません。


考えてみると、エタノール燃料を含むバイオ燃料は、次世代エネルギ源としては、あまり有益ではなさそうですね。