「伊牟田さんは、金星人ですか?」
「何だね? いきなり」と私。
「箱縦本線函内駅誘致計画を始めたは、去年のお盆の頃ですよ。まだ、函内駅の検討が、やっと終わったくらいです」
「ちょっといいか? 『箱縦本線函内駅誘致計画』は、『箱縦本線整備計画』に格上げされてるよ」
「・・・ちっちゃいことを・・・」

ちっちゃいことを気にするタチなのです。

「それより、何で私が金星人なのかな? 2010年12月1日にブログ上に生まれたから、天王星人だといわれたことはあるよ」
「そうじゃなくて、1日が、ゆっくり過ぎるって意味ですよ!」

金星の1日は、116日18時間。
それと同じくらいノンビリしていると、言いたいようです。
こんなに1日が長い金星ですが、自転周期は更に長い243日余りと、自転周期より1日が短いのです。これは、自転軸が177度も傾いているためです。

「遅いのは認めるが、火星人くらいじゃないのか?」と私。

火星の1日は、24時間37分です。

「まさかでしょう! どう見たって、金星人ですよ」
「まぁまぁ、今日は新年会ということで・・・」



「それにしても、何で小さな箱縦本線の検討で、こんなに時間が掛かるなんて」
「小さくて悪かったね」と私。
「複々線とかにしただけで、横幅一杯になりそうですよね」
「何を言う! 並行に12本も敷けるよ」

奥行きが450mmなので、線路間が37mm必要なTOMIXの場合、12本で一杯になります。

「12本しか敷けないんでしょう。上野駅ー日暮里駅間は、14本も線路が並行しているんですよ。あの幅の中に入ってしまう小ささなんでしょ」
「まぁ、確かに小さいが・・・」

私が作ろうとしているNゲージ(箱縦本線)ですが、実際のスケールに変換すると、非常に小さなものです。
レイアウトの範囲は、横582mm、縦450mmしかありません。
スケールサイズに変換すると、横87.3m、縦67.5mしかありません。

「あっと言う間に完成しそうですよね。なのに、まだ検討を続けてるって、どういうことですか!」
「静岡工区みたいなものさ」
「リニアに、話をすり替えないでください」

中央リニア新幹線で、工事が滞留しているのは、静岡県内を通る10.7kmだけです。
この区間は、品川-名古屋間の286kmの中の3.7%だけです。
ちなみに、14本の線路が並行する区間は、約2kmです。
箱縦本線のレイアウトを縦長にしても、再現できるのは、その中の3%ちょっとです。ちょうど、リニアの静岡県内区間と同じくらいです。

だからと言って、遅れの口実にはなりませんね。

ついでに言うと、縦長に配置するので、線路の長さは、最大でも450mmしか敷設ません。実物大では、67.5mしかないので、僅か3両分です。

ホント、呆れるほど狭いですね。



「狭いと言っても、スケールサイズは、5893m2 もあるんだぞ。考えなきゃいけないことも、5893m2 分もある」と私。
でも、苦笑いされてしまいました。
「伊牟田さんは、鉄道博物館の広さを知ってますか?」
「知らないよ」
敷地面積は、約47000m2 、新館を含めた展示面積も、約13500m2 です。箱縦本線より、遥かに広いんです。これを、どれくらいの日数で建設したと思いますか?」
「さぁ?」
「2年です。2005年9月に落札企業が決まり、2007年10月に開館しています」
「2年も掛かったんだね」
「その2年の中には、ジオラマ製作も含まれているって、わかってますか?」

大宮の鉄道博物館には、大きな鉄道模型ジオラマがありますね。
鉄道博物館のジオラマは、HO(スケール:1/80、※新幹線は1/87)で作られていて、それ自体が約200m2 もあるのだそうです。
スケールサイズでも、1280000m2 にもなります。(1/80で計算)

「スケールサイズで、200倍以上ですよ。レールの総延長は1400mです。箱縦本線はどれくらいでしたっけ?」
「2.38m・・・」
「スケールサイズにしても、112kmに対して357mでしたよね」
「・・・」
「で、何両を導入する予定でしたっけ?」
「知ってるくせに」
「鉄道博物館は、600両だそうですよ。箱縦本線の何倍になるんでしたっけ?」
「150倍・・・」
「150倍? 300倍じゃあ?」
「一応、2編成で4両を導入する予定だから」
「それでも、面積で200倍、レール総延長で300倍、車両数で150倍ですよ。規模の差を考えたら、1週間も掛からないはずですよ!」
ちょっと反論する。
「規模に関係ないだろ。10軒の家を10チームで作るのと、1軒の家を1チームで作るのでは、どちらが早いかな」
「伊牟田さん、言いたいことはわかりますよ。でも、鉄道博物館のジオラマは、建物が完成した後に作り込んだんですよ。建物の完成から開館まで、5ヶ月ちょっとですよ」
「5ヶ月は最終組み立てだよね。別の場所で仮組みしたりしたはずだから、5ヶ月以上かかっていたはずだよね」
「それを入れても、建物の設計が終わるまで始められなかったはずですよ。最大限にみても、2年は掛かっていないはずですよ。2年で終わるのですか?」
「たぶん・・・」

「やっぱり、金星人ですね!」
「せめて、水星人ってことに、ならないかなぁ」
「金星人です! 金! 星! 人!!」


新年会が終わる時に、私は金星人に確定していました。