『箱縦本線整備計画』は、鉄分不足で貧血状態が続いています。
今回も、もう少し鉄分を補給したいところです。



さて、前回も問題になった、走行可能な車両とカーブレールの半径との関係です。

『箱縦本線』の基本となるレイアウトは、小判形と呼ばれる周回路型です。
小判形レイアウトは、2箇所の180度のカーブを、2本の直線で結ぶ線形です。
その形から、『小判形』レイアウトと呼ばれます。

具体的な線形を検討する前に、前回も話題になった脱線について、考えてみたいと思います。



ミニカーブレールのような急カーブでは、脱線が多いそうです。
その原因は、どうやら連結器にあるようなのです。

例えば、21m級の2両編成において、1両目が半径177mmのカーブに入っているが、2両目はまだ直線区間にいるとします。
この時、1両目の後端は、カーブの外側に7.2mmも張り出します。
実車なら、なんと1m以上に相当します。
これだけの差に、連結器が耐えられず、大きな半径で回ろうとする力が働いて、脱線してしまうようです。

TOMIXでも、編成を組む場合の車両のカプラー(連結器)には、アーノルドカプラーを使用するように、注釈を入れています。
TNカプラーには対応していないと、しています。
連結器が、脱線要因の一つなのです。

この脱線現象を減らすために、カーブの入口に緩和曲線(カーブの主要部分より半径が大きなカーブのこと)を置くことにしました。
緩和曲線があると、連結部のズレが小さくなるので、脱線を減らせるはずです。

そこで、カーブの入口と出口には、それぞれ半径280mmの緩和曲線を15度まで配することにしました。残る150度を、半径177mmとするのです。
これで、かなりの車両が、走行可能になるはずです。


上記のような緩和曲線付の線形で、180度のカーブを作ると、カーブの入口から出口の直線距離は361.0mm、カーブの膨みは203.7mmの半円になります。

前回にも書いたように、レール中心で見た時の敷設可能範囲は、563.5X431.5mmなので、小判形の幅が361.0mmならば、70.5mmの余裕が残ります。
カーブの膨みは、片側で203.7mmなので、小判形の縦は156.1mmの余裕が残ります。


縦の余裕は、小判形の二つのカーブの間に入れる直線に充てます。
先述のように、156.1mmの余裕があるので、140mmの直線を入れます。

TOMIXでは、70mmを基本として、レールがラインナップされています。
例えば、直線部を持つポイントレールの長さは、70mm、140mm、280mmの3種類がラインナップされています。
140mmは、都合が良いのです。

140mmの直線を入れると、16.1mmの余裕が残り、まずまずの感じです。



これで、小判形レイアウトは、一通り決まりました。

整理すると、小判のカーブは、半径177mmとします。
カーブの入口と出口のそれぞれ15度分は、半径280mmの緩和曲線を入れます。
小判の直線部には、140mmの直線区間を設けます。

一周は、1500mmです。



アウトラインは、見えてきました。

まだ、小判形の横に70.5mmの余裕が残っています。
また、小判形の中にも、レイアウトの余地があります。

それを考えたいところです・・・が、鉄分不足で、集中力が足りなくなってきました。


『箱縦本線』のルート選定の残件は、次の会議に持ち越すことにします。