農業を行う上で、獣害は無視できません。
獣害を起こす動物に、イノシシがあります。
今回は、久しぶりにイノシシ除けについて書きます。

なお、私個人の備忘録として書いていますので、内容は低レベル、かつ陳腐なものです。
御了承ください。


イノシシは、概ね1km2 当たりに10頭未満の生息密度だそうです。

種を保存する上で、『50-500の法則』があります。
個体群の規模として、近親交配を防ぐために必要な頭数は、最低でも50頭は必要になるのです。実際、規模が50頭以下の個体群は、50年以内に絶滅しています。
環境の変化に対応し得る個性(遺伝的多様性)を維持するためには、500頭以上の個体が必要なのです。
500頭のイノシシが生息できるためには、50km2 以上の山林が必要になります。

人類とイノシシが共存するためには、50km2 の山林を残してやるべきです。
それも、道路や鉄道、河川、崖等で分割されていてはダメです。
アメリカでは、ピューマの生息域が道路等で分断されたため、遺伝系の病気を持つ個体が増えた事例があります。これは、一つの生息域が狭く、近親交配が増えたためです。
同じことが、日本のイノシシにも、起こり得るのです。


さて、イノシシ保護はこれくらいにし、イノシシ被害を防ぐ方法について、簡単に書いておきます。

イノシシは用心深いので、農地の周辺の草を払うだけでも、多少の効果はあるそうです。
また、1.2mの柵も飛び越えるため、柵の高さは、それ以上にしなければなりません。

イノシシを退けるには、電気柵が有効とされています。
豊葦原中津谷では、電気柵を使う予定はありません。管理が面倒だからです。
ですが、検討する価値はあります。

電気柵は、イノシシの鼻の高さに合わせると、効果が高いとされています。
イノシシの体は、濃い体毛に覆われているので、体が電気柵に触れても、大した感電はしません。体毛がない鼻が、イノシシの弱点になるのです。
また、鼻を使って周囲を探ったり、餌を漁るため、鼻は非常に敏感です。
その鼻の位置は、地上から40〜50cmの高さにあります。

電気柵は、地上から20cm付近と40cm付近の2本を張ると、効果的だそうです。
これは、前述の習性を利用したものです。


なお、農水省は、以下のような注意が出されています。

電気柵を設置する場合には、このような配慮をしなければなりません。
メリットとデメリットを考えた対策を、実施したいものですね。