豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

<<豊葦原中津谷のニニギ>>

「なぜ、この谷のように暮らせぬのか」
腐海という危機を前にしても戦争に明け暮れる諸国を、ユパはこう嘆いています。
現在の地球が置かれている状況は、この台詞に表されているように思えませんか。
ならば、風の谷のように暮らしてみよう。
私なりの解釈の元、片田舎で自給自足型農業を始めることを決意したのです。

                              いむたかつみ

ISS(国際宇宙ステーション)で栽培されたレタスを、滞在中の宇宙飛行士が初めて試食したそうです。
ISS内の設備で33日間かけて栽培されたロメインレタスは、トングで栽培箱から収穫し、クエン酸ベースの食用に適した消毒シートで拭いてから試食しました。
これは、火星への有人飛行への第一歩とされています。
 
火星への有人飛行は、一種の食糧自給自足です。
つまり、「豊葦原中津谷」の宇宙版です。(大きく出たな!)
「豊葦原中津谷」の経験(?)を基にすると、今回の成果は第一歩に違いないが、第一歩以上でもないと言いたいですね。
レタスは、熱量が低く、100g当たり15kcalしかありません。
一方、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK等に富んでいます。
 
穀物は長期保存が楽なので、地球から持ち出すのかもしれませんが、野菜がいつもレタスだけなら、寂しい食卓になってしまいますね。

 

基本的には、自給自足を考えている「豊葦原中津谷」ですが、ビタミンB12やビタミンD、ヨウ素等は、農産物で得ることが難しいため、海産物を買わざるを得ないと考えています。
 
では、甘味料はどうしましょうか。
先月末、こんな研究結果が発表されました。
 
「炭酸飲料などの糖入り甘味飲料を原因とする死者数は、
 世界で年間最大18万4000人に上る」
 
糖分の多い飲み物の摂取に関連する、糖尿病、循環器系疾患、癌による世界の死亡リスクを分析した研究だそうです。

糖入り甘味飲料の摂取に起因する糖尿病で、世界で約13万3000人が亡くなるのだそうです。
循環器系疾患では約4万5000人、癌では約6450人が亡くなるとのこと。
また、砂糖の国内流通総量と糖尿病、循環器系疾患、癌の国内発症数に関係性があるのだそうです。
 
ただ、今回の研究では、果汁飲料は対象外なのだとか。
 
となれば、甘味料は、果汁にしましょうか。
でも、この先、果汁も体に悪いと言い出したらどうしようか・・・
 
まあ、世界で18万人余りということは、日本では年間3000人程度。
全死亡者の0.2%余りにしかならないから、気にするほどではないのかもしれませんね。
 

化学肥料の原料の供給状況について、簡単に調べてみました。
 
まずは、化学肥料の原料は何か、確認したいと思います。
 
イメージ 1
 
上の図は、主要な化学肥料の製造工程を示しています。
(※:図中の「加里」は「カリウム」を指します)
原料は、化石燃料、リン鉱石、カリウム鉱石、空気、硫酸、炭酸ガス等です。
これらの内、空気以外は、輸入に頼っています。
硫酸は、表向きは国内生産ですが、石油化学や製鉄等で脱硫して得た硫黄を使用するので、実質は輸入と考えるべきでしょう。
同様に、化石燃料を燃やした際の燃焼ガスから炭酸ガス(CO₂)を分離して得るので、これも輸入と考えるべきでしょう。
 
さて、それぞれの輸入比率ですが、以下のようになっています。
・化石燃料: 99%輸入
・リン鉱石:100%輸入
・カリウム: 99%輸入
 
ちなみに、空気は自給できますが、化石燃料を使わないなら、製造に用いるエネルギーを得られない(正確には83%を失う)ので、自給できるとは言い難い状況です。
こうしてみると、化学肥料のほぼ全てを輸入に頼っていると考えてもいいのではないでしょうか。
 
日本の農業は、かなり厳しい状況と言わざるを得ません。
 

農水省では、化学肥料の供給は、今後、厳しくなっていくと予想しています。
人口増加による食糧生産量の増加、政治情勢の悪化等から、原料の輸入が厳しくなると考えられるのです。
 
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化学肥料の生産コストの内、3分の2を占めるのが、原材料費です。
この多くを、日本は輸入に頼っています。
従って、市場価格の影響をまともに受ける上、コントロールもできません。
 
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これを見て分かることは、原料価格は瞬間的に3倍以上も高騰することがある事と、
全体として原料の市場価格が上昇しているため、化学肥料自体の価格も上昇傾向に
あることです。
 
この対策は、農家としては化学肥料の使用量を減らすくらいしかありません。
現状、化学肥料費は経費の7~16%を占めています。
この比率が小さければ、価格変動の影響も小さくなります。
 
「豊葦原中津谷」では、化学肥料を減らす試みをしてみようと考えています。
技術が無い私にできるのか、怪しいものですが・・・
 

「豊葦原中津谷」の土は、火山灰土が含まれています。
測ったわけではありませんが、酸性に傾いているはずです。
 
日本は、資源が乏しいことで知られていますが、
石灰岩は、国内で100%の自給を果たしています。
ですので、
「豊葦原中津谷」の自給計画の中で、酸性を中和するための石灰は心配していませんでした。
ただ、食糧事情が悪化すれば、石灰も需要が増えて価格が高騰するかもしれません。
そこで、念のために石灰も自給できないか、考えてみました。
 
手っ取り早いのは、調理等で残った貝や甲殻類の殻を土に混ぜることです。
他には、海岸から貝殻を拾ってきて、粉砕して土に混ぜる方法です。
「豊葦原中津谷」から近いとは言えませんが、
車に行ける範囲でホタテガイの貝殻が打ち上げられている浜があります。
そこから拾って帰ってくるのも方法かなと、考えています。
 
 
ただ、心配なこともあります。
CO₂排出量が増えたため、海水の酸性化が進んでいます。
海水が酸性化していくと、貝の成長が阻害されることが指摘されています。
温暖化が進むにつれて、貝殻さえも、手に入りにくくなっていくのかもしれませんね。

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