ワクチン接種で、1本の薬瓶から6回接種できるはずが、日本では5回しか接種できないことが問題になっています。
原因は、注射器の構造の違いによるものです。
注射器の問題は、今回だけではないので、今後のために検討するべきでしょう。


まず、なぜ6回分が5回分になるのか、原因を確認しましょう。
日本の注射器は、注射器シリンダー(外筒)の先に針を付けるための部分(筒先)があります。ここに、注射針の付け根(針もと)が被さるように繋がりますが、筒先の内部に薬液が残るのです。
海外の注射器は、針が外筒に埋め込まれているので、前述の筒先がなく薬液がほとんど残らないのです。

では、なぜ針が交換できるようになっているのでしょうか。
針は、目的によって太さを変える必要があります。外筒も、薬液の量や使用目的によって変えなければなりません。注射針を交換できるようにしておけば、様々な組み合わせに対応できますが、注射針が外筒に固定されている場合、針と外筒の考えられる組み合わせ分を用意しなければなりません。

今後の日本の注射器のあるべき姿を考えてみましょう。
 案1)針を外筒と一体化する。(海外と同じ)
 案2)筒先の内径を針管と同等まで細くする。
 案3)筒先の内側に針管を挿入する形状にする。

私が思い付くのは、こんなところです。

案1は、日本には不向きかもしれません。
例えば、翼状針に交換することはできなくなります。状況に応じて、柔軟に対応できなくなります。これは、患者にはデメリットになります。
ですが、マスコミの力で、こちらに向かっていくのだろうと思います。

案2は、針を交換できるメリットを失いかねません。
針を交換する目的の一つが、針管の内径を変えることです。薬液の成分を壊さないために、針管の内径を大きくしなければならない場合がありますが、筒先の内径を小さくすると、対応できなくなります。

案3は、実現可能な方法だと思います。
ただし、現状の取り付け方法から変わるため、注射器も注射針も、構造を変える必要かあります。当然、新しい針もとは古い筒先に対応できませんし、古い針もとは新しい筒先に対応できません。
取り付け手順も衛生管理方法も、変更になるため、問題も生じるはずです。変更当初は、針刺し事故が起こるリスクもあります。
ちょっと逸れますが、医療廃棄物は、日本国内では処理せずに輸出しているようです。
危険性が高いため、国内で処分するとコストが高くなるためです。ですが、資源を海外に出すのは、カーボンニュートラルに逆行します。このあたりも含めて、改善の方向性が出ると良いと思います。


注射器の薬液が残ることはやむを得ないのですが、その量は最小であるべきです。処分方法が明記されているようですが、万が一、環境に流れ出した場合に、環境に影響が出かねません。
ワクチン接種を切っ掛けに、何らかの改善が成されることを期待します。