若い頃の運転の癖が、高齢になってくると影響する、名付けて「運転技術の成人病」が、社会的な問題を引き起こしているようです。
若い頃の悪い癖が、年齢と共に能力が落ちてきたために、高齢者の危険運転に繋がっているように感じます。
例えば、踏み間違い事故ですが、若い頃に半身(少し体を斜めにする体勢)で運転することを習慣化していると、ペダルと足の位置がずれてしまいます。
若い頃は、それでも平気でしょうが、年齢を重ねて身体能力が落ちると、対応が難しくなります。これに加えて、ペダルをオフセットした車が当たり前に販売されているので、対応しきれずに、踏み間違いに繋がっていると、私は思っています。
(車によっては、ハンドルもオフセットされている!)
車間を詰めて走るのも、若い頃の反応なら事故率は高くないかもしれませんが、40代、50代となっていくと、本人の認識よりも遅くなります。
シートベルトの未着装も、高齢になってから締めなくなることはないはずです。若い頃から締めない習慣のままなのでしょう。
シートベルトの着用の努力義務は1971年から、1985年には罰則も設けられています。80歳でも、30歳前後からシートベルトの着用を言われてきていますから、悪い習慣が続いているのです。
このように見てくると、若い頃の悪い習慣が、高齢になって事故に繋がるケースがあるように思います。
「高齢者は運転すべきではない」と言うのは簡単です。でも、そう言っている貴方自身が高齢になった時、「通院には車が欠かせない」と言って運転していることでしょう。
また、「通院くらいしか使わないから」と言い訳しているかもしれません。
我が『豊葦原中津谷』周辺は、大変な僻地ですので、車は欠かせません。大袈裟ではなく、車の有無は命に直結しています。
『豊葦原中津谷』には、バスは週に2回しか来ません。買い物ができるところは、標高差で130mほど下った4km余り先です。買い物をして、その荷物を持ったままで皇居を1周近く回り、東京タワーの大展望台まで階段を登るようなものです。これを高齢者ができるはずがありません。
『豊葦原中津谷』に近い(と言っても4km先)の店では、実際、歩くのも覚束ない高齢者が、軽トラで買い物に来る姿を見かけたことがあります。その高齢者には、それしか手段が無いのです。
色々な事情があるので、一概に高齢者ドライバーを否定できません。
ですが、75歳以上のドライバーの約半数が認知の衰えを指摘されているのも事実です。
正しい運転姿勢、マナーを習慣化し、『運転技術の成人病』にならないようにしたいものです。そして、安全に運転できる技量を長く維持し、無理と判断した時には自動運転車(タクシー)に切り替えましょう。