今日は、入院二日目の日記から書きます。
日記に出てくる前夜の睡眠不足は、この先まで尾を引くのですが、この日は・・・
 
【1月16日木曜日】
夜中に何度も目が覚めてしまいました。
ほとんど一時間おきに目が覚め、五時以降は、ずっと起きていました。
 
病院の起床時刻は、6時です。
看護師さんが、電灯を点けて回ります。
7時。朝食よりも早く回診。
後で聞いたのですが、木曜日の回診は早いのだそうです。
「よく寝れましたか?」
「何度も目が覚めてしまいました」
「あしたは手術ですね。寝られないようなら睡眠導入剤を処方しましょう」
睡眠導入剤?
飲んだことはありません。
好奇心が湧きます。
 
8時半、下剤を飲みます。
これと前後して、食事が配られます。
でも、私のところには来ません。
明日の手術に備え、今日はおなかの中を空っぽにします。
 
9時。
剃毛とおへそのゴマ取りです。
処置台の上に仰向けに寝ます。
まずは、おへそのゴマ取りのはずでしたが、「きれいですね」と簡単に終わりました。
続いて・・・
「パンツを少し下げてください」
大腸カメラでお尻を見られてきた私は、羞恥心を失いかけています。
さっさと下げると、「そのくらいで十分です」とストップがかかりました。
バリカンで、ちょちょっと刈られ、すぐに終了。
「確認してもらいますので、待っていてください」
看護師は、もう一人の看護師を連れて戻ってきました。
ジロジロと剃毛の後を見られ、羞恥心が復活。
でも、こちらも問題なく終了。
 
10時。検温と血圧測定。
続けて、シャワーを浴びます。
ここでシャワーを浴びておかないとダメなんだそうです。
 
11時。下剤を飲みます。
 
12時。人工肛門の位置決めです。
私の病巣の場所でも、一時的に人工肛門を設けなければならない可能性があることは、入院初日に主治医から説明を受けていました。
「人工肛門は、筋肉の力で絞めるので、この辺に作る必要があります」
看護師さんは、私の右下腹を示します。
「でも、動いた時に剥がれると漏れてしまうので、お腹にしわができない場所を探さないとダメなんです」
意外に難しい注文です。
実際にしゃがんでみて、何本か補助線を書いて、良さそうな場所を探します。
「ここが良さそうですね。ここにしましょうか」
思ったよりも簡単に見つかり、ホッとしました。
決まった位置に印しを書き、上から透明なシールを張りました。
最後に、おへそを消毒して終了です。
なるほど。シャワーの前にはできない事だと納得しました。
「月曜日、パウチの貼り方をお教えします。月曜日に会いましょう」と看護師。
「月曜日には顔を見たくないですね」と冗談で切り返します。
彼女は笑って、「そうですね」と応えてくれました。
 
一時的な人工肛門は、小腸と大腸の繋ぎ目をパカッと切ってお腹から出します。
永久的な人工肛門が、大腸の最後の部分をお腹から出すのとは違っています。
なので、人工肛門を設ける位置が、右か、左かの違いがあります。
 
14時半。
薬剤師が、術前術後の投薬の説明をしてくれました。
全部合わせると、9錠もあります。
こんなにいっぱいの薬を飲んだことがないので、びっくりでした。
 
15時。投薬。
 
17時。
麻酔医からの説明を、家族と一緒に聞きました。
硬膜下麻酔。全身麻酔。筋弛緩剤。呼吸の管理。
手術をするために、力ずくで眠らされるのだと、何となく理解しました。
 
18時。回診。
「あしたは手術ですね。頑張りましょう」
全身麻酔なのにどう頑張ればいいのだろうと、心の中で苦笑い。
 
19時。検温と血圧測定。
熱は36度台。体調は問題なし。
 
21時。消灯。
でも、なかなか寝付けません。
睡眠導入剤を処方してもらいましたが、「下剤が効いてトイレに行きたくなるかも」って気になり、飲まずにいました。
睡眠導入剤は、翌日の手術に影響しないように、タイムリミットがありました。
深夜、タイムリミットになった時に、看護師さんがそっと持ち去りました。