厚生労働省は、2015年までに癌死亡率を20%下げることを目標としてきましたが、削減は17%にとどまることになりそうです。
 
癌死亡率を下げる試みは、難しいと思います。
糖尿病や高血圧等は、治療によって将来的に死亡率を下げることができます。
これに対し、癌は治療によって病巣を取り除きますが、将来的に発症を下げる治療ではないので、再発をします。
つまり、治療しても治療しても、最期は癌で死ぬことになるので、癌死亡率を下げることは難しいのです。

私は、入院中に癌と闘う子供達を何人も見てきました。
あの子供たちは、私よりもずっと不安で、ずっと怖い思いをしたに違いありません。
今は元気になっていると思いますが、あの子たちのような思いをする子供を減らす施策が求められます。
つまり、小児癌の死亡率を下げ、治癒率を向上させる目標を設定するべきではないでしょうか。
 
その意味では、癌死亡率の削減目標を掲げてきた厚生労働省の方向性は、少々疑問を感じるところです。