いくつかのメーカーで、クリーンルーム産の野菜が売り出される時代になりました。
半導体を作っていた工場のクリーンルーム内の無菌環境下で水耕栽培を行い、
養分、温度、日照、湿度、CO₂濃度まで、精密に管理して野菜を育てています。
天候や病害虫に左右されないので、安定した品質と生産量を維持できます。
 
食糧難の対策として、回答の一つと言えるかもしれません。
 
 
ところで、
クリーンルーム産で野菜を大量生産した場合、温暖化防止になるのでしょうか。
その答えは、ノーです。
 
野菜を始め、農産品は元々がカーボンニュートラルなのです。
農産品は、人間の体内でCO₂に変わり、呼吸によって大気に出ていきます。
農産品を生産する際に大気から吸収したCO₂は、人の呼吸で大気に戻るのです。
 
だから、
カーボンニュートラルのサイクル外にある農産品の生産と流通で排出されるCO₂は、
そのまま環境下に残されるのです。
 
クリーンルーム産の野菜は、食糧難の対策にはなるかもしれませんが、
地球温暖化の対策にはなりそうにありませんね。