メディアの問題点

 

メディアは、いくつの問題点を抱えているように思います。

列記してみましょう。

 

能力

・情報を読み解く力が不足している。

・知識が不足している。

 

方向性

・営利判断が方向性を決めてしまう。

・個人的な関心で取材対象や方向性を決めている。

 

態度

・国民を代表していると思い込んでいる。

・無知な人々を導きたいと思っている。

 

 これらは、原則として、報道メディアについて、外部から見た印象をまとめたものです。

反論もあるでしょうが、まず私の説明をみて戴き、その上で考えてもらいたいと思います。


前回は、メディアの能力について書きました。

今回は、方向性です。




メディアは、営利組織なので、情報が売れるか否かは判断材料になります。

これは、多少は情状酌量の余地はあると思います。


では、利益を追求する上で、何をしても良いのでしょうか?

当然、報道の質は問われるでしょう。

JR北海道で事故や故障が続いた際、メディアは激しく非難しました。JR北海道は列車を走らせて利益を得る会社ですが、列車さえ走らせておけば良いのではなく、その質にも責任がありました。

列車を整備すれば、費用が掛かり、利益を圧迫します。
ですが、安全と定期運航のために、費用が掛かっても列車を整備しなければなりません。
それが、鉄道会社の責任です。

これと同じように、メディアは情報で利益を得る以上、その質に対して責任を負うのです。

しかし、最近ではエストニアの位置を間違え、エストニア大使館から指摘を受けて話題になっています。

この時は、エストニア大使館のユーモアある神対応のお陰で救われた感はありますが、国によっては国際問題のネタにされる可能性もある重大な問題でした。

利益を追求するだけではなく、情報を提供する以上は、その情報に対してメディアが責任を負わなければならないのです。
それが、利益を圧迫することになろうともです。


もう一つは、偏向報道です。

最たる例は、オスプレイでしょう。

通常のヘリの墜落事故はほとんど書かないが、オスプレイとなると鬼の首を取ったかの如く
書き連ねます。

偏向報道が顕著に感じられるのは、オスプレイの元主任分析官であるリボロ氏の取材を繰り返すところです。

『オスプレイの元主任分析官』という肩書きは素晴らしいのですが、リボロ氏の主張には
首を傾げる内容が多々あります。


2001年から始まったアフガニスタン戦争の初期において、オスプレイの稼働がほとんどなかったとして、リボロ氏はオスプレイに問題ありとしています。

しかし、オスプレイの配備が始まったのは開戦の4年以上も後のことであり、でっち上げの情報と言っても差し支えないでしょう。

また、「オスプレイに回転翼モードでの空中給油機能を設けなかったのは問題である」とも主張しています。
しかし、固定翼機に比べて回転翼機の空中給油は遥かに難しいことと、オスプレイの運用において回転翼モードでの空中給油が必要になる状況がほとんどない事を踏まえると、
オスプレイに回転翼モードでの空中給油機能を加えなかったのは当然の判断と言えます。
それにも関わらず、前述のような発言をするリボロ氏には、元主任分析官との肩書に疑いを持ちたくなるほどです。

発言の信憑性が疑われるリボロ氏を繰り返し取材するメディアは、自分たちの目的に
合致する人物のみを選択的に取材することで、真実よりもメディア内部の目的を優先した
報道をしているように感じるのです。
これこそ、偏向報道そのものと言えます。




(『マスメディアの功罪 3』に続く)