日本の電力自体は、100%自給しています。
電力は、発電と需要が完全に一致していなければならないので、
海に囲まれた日本は、他国から電力を輸入できないのです。
 
需要は、時間帯や季節、気象、経済状況などで大きく変化します。
発電は、変化する需要に瞬時に対応しながら出力を調整します。
例えば、一日の変化はこんな感じです。
(原発分に相当する30%を太陽光発電に置き換えた場合も入れてみました)
 
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自然エネルギーは、需要には関係なく発電量が変動します。
となれば、何らかの方法で需要と自然エネルギー発電量の穴埋めをしなければなりません。
現時点では、その穴埋めは火力発電か水力発電が行っています。
ですが、自然エネルギーが占める割合が増えれば、吸収できなくなります。
 
例えば、曇天で無風の場合はどうでしょうか。
太陽光も風力も発電しないので、全電力を従来型の発電設備で賄うことになります。
 
太陽光発電の場合、日中しか発電できないので、夜間は厳しくなります。
先ほどのグラフを例にみると、日没頃が最も厳しくなります。
この日の最大電力量の90%を超える需要があるのに、日没で太陽光発電は止まってしまいます。
 
勝手気ままに発電する自然エネルギー発電を手なずける方法として、充電設備がありますが、その容量は微々たるものです。
将来的には、自然エネルギー発電所で発電した電力で水を電気分解して水素を生産するのが良いと考えられています。
その水素は、自動車などの燃料電池の燃料(水素)に使用するのです。
 
ただ、これではガソリンの消費量が減るだけです。
電力の需要を減らすにはどうすれば良いのか、考える必要があります。
 
 
PS:
ガソリンだけ消費量が減ると、石油精製のバランスが崩れます。
原油には、様々な成分が含まれており、その一部がガソリンです。
ガソリンだけ消費が減っても、他の石油精製物の消費が変わらないなら、
消費されないガソリン(正確にはナフサ)が無駄に余るだけです。
 
一見、上手くいくように見えても、新たな問題を引き起こす場合があります。
大きな視野で、将来の産業構造を創造していかなければならないということなのでしょう。