2012年7月23日、地球至近を猛烈な太陽風が吹き抜けていきました。
この太陽風は、1989年にカナダ・ケベック州で大停電を発生させた太陽風の2倍におよび、155年前の「キャリントンフレアにも匹敵する威力があった」と、NASAが発表しました。
 
カナダは、北磁極に近いため太陽風の影響を受けやすい、地理的に送電線網が長い等、太陽風による停電が発生しやすい条件が揃っています。
そのために、大規模な停電になってしまったのかもしれません。
でも、電力の安定性のための取り組みが浅い場合、太陽風とは関係なく大停電になる危険性が増大します。
 

1987年7月23日、首都圏で大規模な停電が発生しました。
この停電の直接の原因は、猛暑による冷房需要の増加でしたが、隠れた原因にインバータ・エアコンがありました。
通常、需要が増えると、発電機の負荷が重くなるので回転数も落ちます。
発電機の回転数は周波数と一緒なので、エアコンの交流モータも回転数が落ちます。
モーターの消費電力は、回転数に比例するので、回転数が落ちることで需要が減り、発電量と釣り合うところで周波数の低下は止まります。
ところが、インバータ・エアコンは、周波数が落ちても消費電力は落ちません。
なので、周波数はドンドン低下し、最後には発電機が電力系統から脱落していきます。
これが、首都圏大停電の経過でした。
 
インバータが一般化した現在では、電力系統は、発電側が必要時に必要なだけ発電するための十分な余力を持っていなければ、安定的に電力を供給することはできないのです。
 
 
今、原発廃止論が趨勢を占める勢いです。
原発は、出力を変化させる発電所ではありませんが、一定の出力を出し続けてくれます。
これに置き換えようというのが、出力を制御できない自然エネルギー発電です。
 
需要は変化するものです。
需要に合わせて変化させるのが、発電です。
その発電を制御できない自然エネルギーに任せると、どうなってしまうのか、誰にでも分かると思います。