原発の設計思想は、「フェールセーフ」ではなく、「フォールトトレラント」だ!
と言う方が居られるようです。
 
「フェールセーフ」とは、
故障時にもシステム全体は安全側へ働く(危険にはならない)仕組みのことです。
「フォールトトレラント」とは、
故障してもシステム全体が停止しないようにする仕組みのことです。
 
この二つを反対の意味のように捕えているようですが、
フォールトトレラントは時として、フェールセーフの一部として機能します。
例えば、飛行中の航空機が、一つの故障で全エンジンが停止するようなら、
危険極まりないでしょう。
ですが、フォールトトレラント設計なら、エンジンは停止せず、
フェールセーフとして働きます。
 
 
原発の設計思想が「フェールセーフ」なのか、「フォールトトレラント」なのか、
私は証拠を持っていません。
ただ、緊急炉心冷却装置を初めとする安全設備の類の多くは、
間違いなく「フォールトトレラント」とは真逆に働く装置です。
その意味では、
原発の安全設備は、少なくとも「フォールトトレラント」設計ではなさそうです。
 
ただ、原発の安全設備で、気になる点もあります。
耐震設計において、
原子炉圧力容器より緊急炉心冷却装置の方が脆弱だと聞いたことがあります。
もし、それが事実であれば、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。