2年近く続いた原発ゼロ期間中、各地で原発周辺の海洋環境が劇的に改善したとの報道が相次いでいます。
 
「それまで浜辺に魚などの死体が打ち寄せられていたのが、川内原発が運転を止めてからピタリと止まりました。劇的な変化でした」とは、反原発団体の弁。
川内原発の稼働中、近くの浜辺には毎日のようにサメやエイ等の大型魚類、クジラやイルカ等の海生哺乳類、ウミガメ等の死体が海岸に漂着していたそうです。
ところが、2011年9月の運転停止以降は、それらが一切なくなったそうです。

※「毎日のように~漂着」は、ちょっと誇張されているように思います。
 クジラが漂着すれば、間違いなくニュースになります。
 ですが、川内原発運転中も、そのようなニュースを聞いた記憶はありません。
 温排水により、周辺の生態系が影響を受けることは事実です。
 それを、曇っていない目で監視することが大事です。
 「反原発」で濁り切った目では、真実は見えてきません。
 
 
海水1度の温度上昇は、気温では3~4度の上昇に相当すると言います。
温排水温度は、取水口の海水温度+7℃までと規制されています。
出力100万kWの場合、毎秒約70tの温排水が出ます。
火力発電所も温排水を出しますが、原発の熱効率は30%程度なのに対して、火力は40~60%なので、出力当たりの温排水の量は火力の方が少なくなります。
(火力の方が温排水温度が低いとの報道がありますが、間違いです)

更に言うと、火力発電所は排気の形で大気に熱を逃がしていますが、原子力発電所は大気に熱を逃がしません。
大気に逃がす熱の問題は、反原発派は無視しているのです。
火力発電所の排気は、酸欠であり、一酸化炭素や亜硫酸ガス等の毒性を持った成分も含まれています。
反原発は、これらも無視しています。
反原発派は、原発だけがで、それ以外はと考えています。
再生可能エネルギー発電所で使用される除草剤もであり、20年後には大量に放棄されるであろう再生可能エネルギー発電所もなのです。
原発との比較を拒み、原発だけを悪者にし、それ以外の問題は全てスルーするのは、如何なものかと思います。


このような偏った考えは、温排水の評価でも起こっています。
火力発電所の温排水対策としては、湾外の外洋までパイプを伸ばす方法があるとされています。
ですが、温排水の影響を、一般の目に留まらない場所に移動させるにすぎません。
一部の報道では、この仕組みを持って「火力の温排水は問題ない」としています。
でも、この手法は、単純に原発にも応用可能なので、明らかに、反原発を目的とした公平性を欠いた報道です。
このような出鱈目な報道が、安全神話を作り出し、新たな危険を産み出すのです。
 
原発は、現時点で必要な発電設備です。
だからこそ、安全性が担保されなければなりません。
安全には、正しい報道、公平・公正な報道が、絶対条件になるのです。
発信する側が感情論で報道することは、大本営発表と何ら変わることがないと、報道に携わる人達は知るべきなのです。