江戸時代末期、ソメイヨシノは偶然の産物として生まれたそうです。
その場所は、染井村だったと言われています。

一部では、韓国の済州島産のエイシュウザクラが似ているため、ソメイヨシノの起源とする説もありますが、明らかに間違いです。これは、ウリジナルと揶揄される韓国の偽起源説の主張に過ぎません。
DNAの解析でも、他の手法でも、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラであることが明確になっています。

さて、その染井村ですが、現在の東京都豊島区駒込にありました。
そこには、ソメイヨシノ発祥の地を示す碑があります。

染井吉野桜発祥の碑


横道に逸れてしまいましたが、大反省会を始めようと思います。

これまで、気温の予測精度に問題があることを反省してきました。
今回は、『4730Kの法則』にメスを入れようと思います。

ソメイヨシノは、気温に敏感だとされています。
特に、開花直前は、僅かな気温の違いで、開花日が変化します。
ですが、『4730Kの法則』は、気温に鈍感なのです。
『4730Kの法則』では、絶対温度の積算値で判定します。
絶対温度は、0℃で273Kになりますから、ソメイヨシノが咲くころの気温では290Kくらいになってしまいます。
気温が1℃高くても、開花予想日には1/290しか影響しません。
元々の性質として、『4730Kの法則』はサクラの開花予想に不向きなのです。

もう一つ、精度を向上させられない要因があります。
それは、気温を一日の平均値で代表させていることです。
そのため、昼夜の気温差が大きくなると、昼間の高温で開花が進むことになります。

そこで、1時間毎の気温を取り込み、開花時期との関係をグラフにしてみる事にしました。
それが、下記のグラフです。

3℃超過積算気温
このグラフは、2001年から2018年について、開花日の正午を起点に気温を積算したものです。
単純な加算では傾向を読み取ることが蒸すかしくなるので、次の2点の加工をしています。

 加工1:気温が3℃以上の場合のみ、積算気温に加算する。
 加工2:2001~2018年の平均値で、各年の値を除す。

グラフを見ると、何ヶ所か絞れている部分があります。
しかし、一点にまとまるような箇所はありません。
解析方法にも問題がありますが、気温以外にも日照が関係しているのかもしれません。


色々と解析していきたいのですが、本業が忙しく、中々できそうにありません。
これ以上の解析は、来年のサクラ開花予想2019で時間を掛けて行うつもりです。

反省会は、今回を持って終わりにする事にします。