気候変動によって海洋の生態系が乱されると、その回復には数千年単位の期間が必要になるとした研究論文が、アメリカ科学アカデミー紀要に掲載されました。
 
 
大気中の二酸化炭素が正常なレベルに戻るまでに、二酸化炭素の排出が完全に止まっても80年掛かると、私も算出したばかりです。
 
しかし、この80年が怖い数字になるかもしれません。
論文の概要を見ると、そう感じてしまいます。
 
 
カリフォルニア大学デービス校ボデガ海洋研究所のサラ・モフィット氏の研究チームは、米カリフォルニア州沖の海底で発見された3400~16100年前の海洋生物相の化石の堆積物を薄くスライスし、最後の主要な退氷期に気候変動が生物に与えた影響を、退氷期前後の変化から調べました。
ウニや貝類といった無脊椎動物の化石5400点以上を対象に調査したところ、低酸素の期間に、これらの生物がほとんど消えていたことが分かったそうです。
この退氷期には、極氷冠が融解して海洋の低酸素エリアが拡大したとされています。
水温により溶存酸素量は異なりますが、この頃の海洋の酸素濃度は1リットル当たり0.5~1.5ml低い状態が約100年間続いています。
この変化ですが、海底の生物に大きな影響を与えたようです。

将来の気候変動には、同様の影響をもたらす可能性があり、海洋生物の回復までには、数百年ではなく数千年かかる可能性があると、研究チームは警鐘を鳴らしています。