国立極地研究所の研究チームは、グリーンランドの氷床コアから、過去の気温変動を調査しています。
その結果、グリーンランドの特異な気温変化が分かりました。
 
 
過去2000年間の北半球の平均気温とグリーンランドの気温変化を比較すると、グリーンランドは太陽活動が活発な時期に北半球全体の平均的傾向より低温になり、太陽活動が不活発な時期には北半球の平均的傾向よりも高温になることが分かってきました。
 
西暦2000年頃から、太陽活動は低下の傾向を示しています。
このことから、2025年頃からグリーンランドでは気温が上昇傾向となる可能性が示されたのです。
これまで指摘されていた温室効果ガスによる気温上昇に加え、太陽活動の影響が重なることで、これまで考えられていたよりも早くグリーンランド氷床の融解が進むことが懸念されると言うのです。
 
グリーンランドの東側から南側の海域では、表層水の高い塩分濃度と低温のため、海水の沈み込みが起こることが知られています。
この沈み込みによる垂直方向の流れによって、南から北への海流を生み、海水と熱の大循環である「北大西洋子午面循環」が起きています。
太陽活動が活発化して気温が上昇すると、表層の海水温が上昇し、また氷河や氷床の融解による淡水が増えて塩分濃度が下がり、沈み込みが減ります。
その結果、「北大西洋子午面循環」が弱まり、南からの熱の循環も減って、北大西洋周辺の気温が低下するのだそうです。
この考えをテーマにしたのが、映画「The Day After Tomorrow」です。
  
 
現在は、「北大西洋子午面循環」のような規模の大きな気候システムは解明されていません。
それだけに、急激な地球温暖化の影響がどんな形で出てくるのか分からないというのが、実情でしょう。
映画のようなことが起こらないとも言い切れないのです。