2012年2月20日、大林組が宇宙エレベータ建設構想を発表しました。


私も宇宙エレベータのケーブル強度について計算したことがありました。
私の計算では、最も強いピアノ線より150倍以上の強さが必要だとわかりました。
ケーブル素材として有望とされるカーボンナノチューブも、ピアノ線の30倍程度の
強度しかありません。
作り出せる長さも、まるで足りません。
残念ながら、大林組の夢の実現性は、現時点では難しいようです。
 
ところで、専門家の計算では、ケーブルの強さは、ピアノ線の180倍だそうです。
私の計算よりも少し大きな数字になっています。
私の計算では、安全係数もクライマーの重量も含めていませんでした。
早い話、風が吹いただけで切れるレベルです。
専門家の計算には、安全係数やクライマーの重量が含まれているかもしれません。
私との差は、その部分かもしれません。
 
 
さて、ケーブルのハードルは高そうですが、それ以外の部分は研究が進んでいます。
その一つが、クライマーの開発でしょう。
2009年から開催されている宇宙エレベータチャレンジは、気球で高度1200m
まで釣り上げたテザー(ケーブル)を自力で登っていくクライマーを競う大会です。
宇宙エレベータは、軌道ステーションまで約36000kmもあります。
これを現時点の世界最速エレベータで登っても、到着まで3週間もかかります。
また、ケーブルでゴンドラを引き上げる通常のエレベータとは違い、
宇宙エレベータは自力でケーブルを手繰って登っていかなければなりません。
それで、研究と周知の目的で、宇宙エレベータチャレンジは開かれています。
 
ケーブルの材質や形状が決まる前から、そのケーブルを上るクライマーの研究を
行うのは少々気が早い気がしますが、大会自体はたいへん楽しそうです。
今から、今年の大会が楽しみです。