自動車の事故時、乗員の安全確保は、シートベルトが基本になります。
クラッシャブル構造やサイドインパクトバー、エアバッグ等は、シートベルトを締めていることが前提となります。
では、シートベルトは、なぜ安全に寄与できるのでしょうか。
 
 
一つは、車体に身体を固縛することで、車の設計通りに乗員を停止させることができます。
車は、クラッシャブルゾーンで衝撃を吸収しながら、瞬間的に停止します。
設計通りに衝撃を吸収しても、乗員が車体とは違う動きをしてしまったら、何の意味もありません。
そこで、シートベルトで身体を車体に固縛し、車体側で衝撃を吸収してしまおうというのが、現在の衝突時の安全確保の基本になっています。
 
もう一つは、車外に放り出されることを防ぐことができます。
車外に放り出されるということは、生身のまま、他車や地面、壁などにぶつかっていくということです。
80km/hのスピードなら、生身でマンションの9階から飛び降りるようなものです。
 
 
数年前のデータですが、
「シートベルトの着用率は約7割だが、死者の7割がシートベルト未着用だった」
というデータがあります。
シートベルトを締めていない僅か3割の乗員が、死者の7割を占めていたのです。
つまり、シートベルトを締めていない場合、シートベルトを締めている場合の5倍以上も死亡率が高いのです。
 
また、シートベルトを締めていなければ、車外に投げ出される確率が14倍になるとのデータもあります。


8月5日、常磐道においてキャンピングカーが横転し、乗員3名が車外に投げ出され、1名が無くなる事故がありました。ですが、運転手の負傷程度は公表されておらず、おそらくは無傷だったものと思われます。
お気付きかと思いますが、運転手と3名の負傷程度の差は、シートベルトの着装の有無の差だったと思われます。
この事故を教訓に、法改正や規制強化だけでなく、個々の人間がシートベルトの着用をするように変わっていけばと、切に願う次第です。