亜酸化窒素は、一酸化二窒素(N₂O)の別名です。
二酸化炭素に比べ、約300倍という強い温室効果が知られています。

発生源は、海洋や土壌の他、産業活動や農業由来があります。
作業革命以前の大気濃度は、270ppb±7ppb(0.270±0.007ppm)でした。
現在の大気濃度は、約330ppbで、年に0.8ppb程度の増加傾向にあります。
これらの数値を二酸化炭素に換算すると、現状は99ppmに相当します。
二酸化炭素が約400ppmですから、四分の一くらいの温室効果になります。
増加の割合は、0.24ppm/年(二酸化炭素換算値)で、二酸化炭素の2ppm/年よりも緩やかですが、自然界に留まりやすく、長期に渡って影響が残ります。

人間活動の影響を受ける温室効果ガスの例(気象庁)
(リンク⇒https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/tour/tour_a1.html


亜酸化窒素の厄介なところは、農業に関係する発生があるところです。

近年、窒素肥料の使用量が急増しています。
微生物が窒素肥料を分解する際に、亜酸化窒素を発生させているようです。

その対策が、検討されています。

(リンク:http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/pdf/mgzn13302(11).pdf

 

分かってきていることとして、水分が多く、かつ空気に触れる環境の時、発生しやすいことです。

つまり、水を抜いた水田で発生量が多い考えられています。

この対策の一つとして、冬季湛水があります。ところが、今度はメタンガスの発生が増えるそうです。

この妥協点として、水深を5〜7cmにした場合に、メタンと亜酸化窒素の発生が最小になるとの研究もあるようです。

 

当ブログのテーマの一つに「水田を利用した冬季水耕栽培」があります。

このような水田利用が、メタンガスも亜酸化窒素も最大になりそうな気がします。




ところで、亜酸化窒素は、笑気ガスとしても知られています。

笑気ガスは、麻酔として今も使われています。

私も、直腸癌手術の際に笑気ガスを吸っています。

その時の感覚としては、麻酔医から「笑気ガスが入ります」と言われたのですが、眠くなるとか、可笑しくなるとか、臭いもありませんでした。