福島第一原発の事故の影響を調べるために行われている甲状腺結果について、まとめます。
福島県では、県民健康調査を行っています。


第28回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成29年10月23日)について
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-28.html

県民健康調査 「甲状腺検【本格検査 (検査 2回目 )】
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/238768.pdf

県民健康調査 「甲状腺検【本格検査 (検査 3回目 )】
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/238771.pdf



これをまとめて・・・と言いたいところですが、他からもデータを補完させていただきました。
データは、以下のようになっています。

福島甲状腺癌検査表

注目すべき点は、地域差です。
初回のデータでは、地域差はありませんでした。
その件については、当ブログでも過去に書いています。

http://imutakatumi.officialblog.jp/archives/27576466.html

この記事は、『旧・風の谷の生活』に2014年に書いた記事の転記でした。
そのため、この時点の情報では地域差は見られませんでした。
今回のデータでは、2巡目(2014~2015年)では明らかな地域差が出ています。
3巡目(2016~2017年)は、全数の判定が確定していませんが、類似の傾向が見られます。

福島甲状腺癌地域差

これは、有意な差とみていいはずです。
また、13市町村に多く罹患者が見られることから、福島第一原発事故の影響とみて間違いないでしょう。


これとは別に、避難時期と経路を踏まえた被ばく線量の推定の研究が行われています。
NHKのサイエンス・ゼロで紹介された研究では、甲状腺への影響が心配されるヨウ素131(半減期8日)の被ばく線量を推定するために、ヨウ素129(半減期1570万年)を用いた推定方法が開発されています。
これまでは、セシウム137(半減期30.1年)を用いた推定方法でしたが、ヨウ素131の大気中濃度の変化は、セシウム137の大気中濃度とは異なる変化をする場合があることが分かってきました。

これに、大気シミュレーションを加えて推定の被ばく線量を算出していました。
甲状腺等価線量を算出するには、ヨウ素131の大気中濃度、呼吸で吸い込んだ大気の量、年齢による甲状腺への影響度を加味する必要があります。
番組中では、1歳児をモデルに計算した結果を消化していました。
それが、次です。

甲状腺等価線量

このような研究結果を基に、将来的な甲状腺癌のリスクと対策を考えていく必要があります。
ですが、問題もあります。
一つは、推定値に大きな幅があることです。
また、過大評価をしている可能性もあります。
その要因の一つが、気象です。

小児甲状腺癌と被ばく線量との関係を、アメリカの国立がん研究所の研究者が2017年に発表しています。
被ばく量が0~200mSvで小児甲状腺がんリスクを調べたものです。
番組の中では、一次回帰式の値に基づいた解説がされていました。
50mSvでもリスクがあることが、グラフからも読み取れます。

高いリスクがある以上、精度の高い推定が要求されます。
そのための研究は、速やかに行われなければなりません。



最後に、私は原発再稼働賛成の考えを持っています。
前述のような事実を知っていて、なおかつ、がん患者としての不安も経験しています。
それでも、原発の再稼働は必要だと考えています。
それくらい、地球温暖化のリスクは大きいと考えているのです。