日本語がそのまま英語になった単語はいくつもあります。

『ツナミ(tsunami)』、『スシ』、『キモノ』、『ボンサイ』はもちろん、『テンプラ』や『コスプレ』のように、語源がポルトガル語や英語にあるものまで、逆輸出されています。

英語になった日本語の中に、『カイゼン』もあります。

『カイゼン』、つまり企業における改善活動は、日本の発展を支えた要素の一つとして、海外でも認められています。

 

改善活動は、日本の企業の強味ではあるのですが、同時に弱点となっています。

もちろん、改善活動自体が問題ではありません。

問題は、改善活動が形骸化している点と、末端の労働者だけが改善活動を行っている点の2点です。つまり、改善活動の機能が低下しているのと、改善活動の領域の狭さが問題なのです。

 

改善活動の形骸化は、概ねノルマ化によって引き起こされます。

決まった件数の改善提案を出すことが求められるのです。この数は、部署毎の人員数から決められ、ノルマを達成できなければ部署の評価を下げられてしまうわけです。当然、数合わせに必死になります。結果的に、形骸化してしまうのです。

これは、続く『改善活動の領域の狭さ』の要因と重なります。

 

改善活動の領域の狭さとは、階層毎に改善活動が行われず、現場だけで改善活動が行われていることを指します。

日本以外では、トップダウンで作業が行われるため、現場の細かな改善は行われにくい傾向にあります。

現場で働く作業員のレベルが高い日本は、この部分の改善が行われ、高い品質と安いコストを実現しました。

しかし、現場以外の無駄は手付かず放置され、更にISO9000シリーズのような外部からの変革(実体は日本の品質評価をゼロにするための欧州の施策)や、労働環境の制約に対して効率的に組み込む努力が行われませんでした。

この部分の改善は、労働者には手が出ない領域です。ですから、少なくとも管理職以上の階層で対応するべきです。

ところが、日本では、この階層は改善活動を行わないので、生産性は欧米に追いつけないのです。

 

 

入管法改正に関する記事を書いた際にも、労働生産性の問題に触れましたように、外国人労働者が入れば、今以上に労働生産性が低下します。

入管法改正を急いだ与党には、問題の本質が見えていないことがわかります。

 

また、仕事に慣れるには、2~3年くらい必要です。

入管法改正では、滞在期間の上限を5年としていますが、現場からは延長を求める声があがるはずです。仕事に慣れて効率が上がる頃には帰国しなければならなくなるからです。それ自体が、労働力不足の本質が、労働生産性の低さにもあることを示しているのです。

 

おそらく、数年後には滞在期間延長の改正法案が国会に出てくるでしょう。

残念なことは、今国会において野党が労働生産性の改善に言及していないことです。これでは、滞在期間延長の改正法案が提出された際に、今国会と同じように揚げ足取りの指摘しかできず、むしろ、入管法改正の正当性を補強してしまうことになります。

 

 

『2100年のあるべき日本の姿』を考える時に、業務効率の改善は必須であり、その施策で余剰人員が出るなら、新分野への進出や労働条件の改善、昇給が図れると考えています。