琵琶湖が、あまりの暑さ(温暖化)で呼吸を止めてしまいました。

滋賀県は、2019年4月9日に琵琶湖の全層循環が起きなかったことを発表しました。
琵琶湖の全層循環とは、冬場の寒気で表層の湖水が冷やされて沈み込み、湖盆の最深部までの全層で循環する現象です。全層循環は、第一湖盆(水深約90m)を基準に判定されます。この現象は、酸素が豊富な表層の湖水が湖底に供給されるので、「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれています。
今冬は、循環が水深80mまでしか届かず、琵琶湖の深呼吸が起きなかったのです。

現在の湖底の溶存酸素(DO)は、5mg/lで、危険レベルの2mg/lを上回っています。例年であれば、この時期の10mg/l前後から徐々に下がり、年末頃に3mg/lくらいまで下がります。現状でも、例年の半分しかDOがないので、今度の変化が気になるところです。

溶存酸素推移(20190408)

参照元:滋賀県HP
   (リンク⇒https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/303438.html
   (PDF⇒https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5102472.pdf



今冬の全層循環が起きなかった原因は、暖冬と考えられています。
冬季の気温を調べてみると、今冬の12月から2月の平均では、2015年度に次ぐ暖かい冬でした。

全層循環の時期(正月から全層循環確認日までの日数)と冬季(12月~2月)の気温との関係をグラフにしてみました。

琵琶湖全層循環
(アシスタントが出しゃばっていますが、気にしないでください)

明らかに、冬季の気温と全層循環の時期の間には関係があります。
相関係数は、0.782です。
この値は、「強い相関」に相当します。
琵琶湖は、今後は全層循環ができないことが増えていくのではないかと懸念されます。
海洋に比べると、琵琶湖はスケールが小さいので、温暖化の影響を受けやすいと思われます。琵琶湖よりも大きい日本海でも、海底部の酸素濃度の低下が観測されています。仕組みは少し異なりますが、大洋より小さく、狭い海峡でしか外洋と繋がらない日本海は、気候変動の影響を早く受けると考えられています。

全層循環を阻害する要因は、温暖化の他に、海洋への二酸化炭素の溶け込みが考えられます。実際、二酸化炭素を多く含む海水が深海に貫入する現象が見つかっています。
温暖化に疑いを持っている方も、化石燃料使用削減を考えてほしいものです。