今、『チバニアン』の命名権獲得に暗雲がかかっています。

『チバニアン』に異を唱える茨城大の名誉教授の楡井久氏は、『チバニアン』の地層として知られるが市原市田淵の土地を、地権者との間で10年間の賃貸借契約を締結・登記し、立入りを禁止しました。
また「『チバニアン』の研究チームは、別の場所の資料を混ぜている」として、捏造を主張しています。

これに対し、茨城大の岡田誠教授は、「2015年に発表した論文では、別の場所で採取した試料をデータに使ったが、チバニアンの地層の高さが足りないためであって、論文でもそのことは明記されている」と応えています。
更に、「その後、より近接した場所の壁面とチバニアンの地層が連続していることが証明でき、そちらの資料を添えて発表した論文も問題なく審査を通っている」としています。
どうやら、チバニアンの地層は、3ヶ所で資料が採取されているようです。

さて、捏造を主張する楡井久氏ですが、捏造か否かを明確にするためには、資料を採取して第三者による検証を行わなければなりません。
ところが、氏は現地への立ち入りを禁じています。これでは、検証ができません。
「捏造だ」と主張していますが、捏造の証明を拒んでいるようにも見えます。

一方、岡田誠氏ですが、田淵以外にも少なくとも2ヶ所でチバニアンの地層を確認できているので、田淵の地層に拘る理由がわかりません。特に、その内の一ヶ所は、田淵の地層より高さがある(前述の中に「高さが足りない」とあり、追加の資料を論文に入れたとありました)ようなので、そちらで『チバニアン』を登録すれば良いように思えるのですが、どうなのでしょうか。

同じ大学の名誉教授と教授の争いは、醜いですね。特に、楡井久名誉教授は、『チバニアン』が話題になってからしゃしゃり出てきており、情けない感じです。


ところで、過去の捏造事件では、マスコミは騒ぎ立てるだけでした。
今回も、騒ぎ立てるだけなのでしょう。

旧石器捏造事件は、実に20年間も捏造が続きました。この事件は、最初の発見時に検証がなされていないことが問題なのです。新発見ですので、徹底的に検証して間違いがないことを証明しなければならなかったのに、それを怠りました。そこを指摘できずに、石器が出るたびに「新発見」を報道し続けていたマスコミは、捏造のスクープを自慢げに報道し続けました。

STAP細胞の時は、更に酷い報道でした。最初は、『世紀の大発見』と持て囃し、捏造発覚後は扱き下ろしました。そして、STAP細胞を全否定しました。
ですが、STAP現象自体は存在するのです。当初から私が指摘していたように、癌化と類似の現象として研究が続けられています。
マスコミがSTAP細胞を全否定したため、国内ではなく、海外で研究が進んでいます。

何もわからずに扇動報道を行うマスコミには、閉口です。
 
現時点では、チバニアンの混乱では、極端な報道はないかもしれませんが、何かを切っ掛けにして、一気に扇動報道に走るのではないかと、気になっています。
事実のみを伝えるよう、是非ともマスコミには心掛けてもらいたいところです。
 


〈以下、2019年6月25日に追記〉

どうやら、とんでもない条例案が議論されているようです。
条例案は次のような内容のようです。

『サンプル採取を学術的な調査研究に限って認めるとともに、
  土地の所有者がこれを正当な理由なく妨げてはならない』


これって、滅茶苦茶な条例案ですね。
憲法違反との声もあります。


我が豊葦原中津谷で、チバニアンの地層が見つかったとします。
先の条例案ならば、事実上、研究者の私有地への立ち入りは自由になります。
地権者の立場では、私有地に立ち入ってくる人物が研究者なのか、興味本位の一般人かの見分けはつき難いと思います。ましてや、サンプル採取を目的にしたアマチュア研究者になると、拒めるのか否かさえも分かりません。

逆に、地元の中学校や高校の野外学習に提供しようとした際に、研究者が「採取の邪魔になる」と言ったなら(大概はそんなことは言わないと思いますが)、土地の所有者は、野外学習を中断させなければなりません。
また、サンプル採取の際の試薬や溶剤の使用で周辺や下流の農地が影響を受ける場合、『正当な理由』を証明するために、影響について詳細な調査が必要になるはずです。
私自身は、科学への好奇心が強いので、サンプル採取に協力しますが、対応と農地への影響を抑えるために、時期を制限すると思います。ですが、この条例案が通ると、時期を制限することも難しくなります。

地権者が、自らの土地の利用方法をコントロールできなくなるのです。
なんだか、共産主義国家かファシズム国家のようなノリの条例案ですね。


もう一つ、付け加えておくと、私個人はチバニアンの観光地化には反対です。
チバニアンでは、マスコミの過熱報道によって地元自治体が観光資源と捉えていたフシがあります。これが、地権者の望むことではなかったなら、チバニアンの登録失敗は地権者にとって望ましい結果とも言えます。チバニアンの登録に失敗すれば、観光資源としては価値が下がりますが、地質研究では価値は下がりません。
もし、地権者が観光地化を望んでおらず、楡井久氏がそれに賛同して協力しているのなら、私はチバニアン登録阻止を応援します。
ただ、楡井久氏が、自らの主張にこだわっているなら、おやめになるべきと思っています。