単純な暗号を考えてみました。

 をわりるあ
    ろひらをふろみ
       かふゐぬに


これは、ある有名な俳句を暗号化しました。
この暗号は、比較的簡単な法則で作られています。従って、法則に気付くことができれば、解読も可能です。
ついでに、同じ俳人の俳句を、もう一つ暗号化してみましょう。

 るふたしす
    いそえつのあを
       てへふへひ


いかがでしょうか。
解読できたでしょうか。

解読する場合、文字の出現頻度から調べる方法があります。
両句で調べてみましょう。

ふ:4回、
を:3回、
あ:2回、ひ:2回、へ:2回、る:2回、ろ:2回、
い:1回、え:1回、か:1回、し:1回、す:1回、そ:1回、た:1回、つ:1回、て:1回、に:1回、ぬ:1回、の:1回、み:1回、ら:1回、り:1回、わ:1回、ゐ:1回

ひらがなの出現頻度は以下のような順番になっています。

い し か う ん た て の と は に れ つ き よ こ な く わ る を り す せ あ も ら け ま さ ち そ ゆ お ふ ひ め や ほ み え へ ろ ね む ぬ ゐ ゑ

サンプルが少ないため頻度が同数のものもありますが、単純に当てはめてみましょう。

ふ→い、
を→し、
あ→か、ひ→う、へ→ん、る→た、ろ→て、
い→の、え→と、か→わ、し→に、す→れ、そ→つ、た→き、つ→よ、て→こ、に→な、ぬ→く、の→わ、み→る、ら→を、り→り、わ→す、ゐ→せ

 しすりたか
    てうをしいてる
       わいせくな


 たいきにれ
    のつとよわかし
       こんいんう


読めたでしょうか。
天才的な直感があれば読めるかもしれませんが、これだけでは、難しいところです。
実際には、出現24文字の中で、4文字が一致しています。具体的には、を→し、わ→す、み→る、そ→つ が正解していました。

使用頻度が高い『いしかうんたてのとは』は、サンプルが増えれば、いずれ解読できるはずです。
これらも解読できたとして、暗号文を読んでみましょう。

 しす◯①②
    い③◯し④いる
       ◯④の◯◯

 ①④た◯◯
    ◯つ◯◯は②し
       ◯か④か③


ここまで来ると、勘の良い方は、見当がついたと思います。
もう少し解読が進んだとしましょう。使用頻度の上位20番(いしかうんたてのとはにれつきよこなくわる)までわかったとすると、次のようになります。

 しす◯①②
    いわにし④いる
       ◯④のこ◯

 ①④たれ◯
    ◯つ◯◯は②し
       ◯か④かわ


もうわかるでしょう。
そうです。芭蕉の奥の細道の句ですね。

 しずけさや
    いわにしみいる
       せみのこえ

 さみだれを
    あつめてはやし
       もがみがわ


ここまでわかると、暗号化のルールもわかってくると思います。
置き換えの一覧を作ってみましょう。

 あいうえおかきくけこさしすせそ・・・
        ↓
 いろ◯に◯へ◯◯ちりぬる◯わ◯・・・

もう、わかりますね。
『あいうえお』を『いろは』に置き換えることで、暗号化していたのです。
暗号化のルールは単純ですので、誰にでも解読できます。ただ、ルールが簡単すぎるので、サンプル数が充分にあれば、先程のような手順で解読することも可能です。

ルールを複雑にすれば、解読を難しくすることも可能ですが、これくらいのルールが、個人で遊ぶ分には適当かなと、私は思っています。


ちなみに、私の暗号は、個人で解読することは困難だろうと思います。
国家レベルの暗号解読部門が取りかかれば、簡単に解読されてしまうでしょう。
実に中途半端なレベルですね。