グレタ・トゥーベリさんは、ヨットで大西洋を往復しました。
彼女は、CO2排出量を抑えるために、航空機の利用を避け、陸上では電気自動車、海上ではヨットを利用しました。

そこで、交通機関別に、CO2排出量を簡単にまとめてみることにしました。
単位は、g/t・kmで考えます。これは、1tの荷物を1km先まで運ぶ際に、何gのCO2を排出するのかを表します。

航空機   :328g
船舶    : 18g
鉄道    : 16g
トラック  : 66g
HVトラック: 52g
EVトラック: 50g

航空機は、ボーイング777Fをベースに、しました。最大積載量を100t、燃費0.075km/l、ジェット燃料のCO2排出係数2.46kgCO2/lから算出しました。

船舶は、8万重量トン級の貨物船の燃費を6g/t・km、A重油の比重を0.9として、A重油のCO2排出係数2.71kgCO2/lから計算しています。

鉄道は、適当な資料がなかったため、船舶との比で計算しました。ベースは、鉄道の輸送効率0.491MJ/t・kmと、船舶の0.555MJ/t・kmの比率から計算しました。

トラックは、10トン積で燃費が4km/lとして計算しています。燃料は軽油とし、CO2排出係数2.62kgCO2/lから算出しました。

HVトラックは、10トン積で燃費が5km/lとして計算しています。燃料は軽油とし、CO2排出係数2.62kgCO2/lから算出しました。

EVトラックは、4トンのEVトラックをベースに電費(約2km/kWh)を基に計算しています。1kWhで4tを
2km先まで運べるので、0.125t・km/kWhと計算しています。
また、発電における火力発電の割合は世界平均の約66%を、kWh当たりのCO2排出量を600g(LNG火力発電の平均的な値)として、概算で計算しました。

上記は、目安程度に捉えてください。
いずれも、輸送規模によって、数値は大きく変化します。軽トラックと大型トラックでは、まるで違います。
また、環境などの条件でも、大きく異なります。山越えの鉄道が平地の鉄道と同じ燃費のはずがありません。
更には、航空機なら最短コースだが、鉄道でも船舶でも遠回りになると、実質的には航空機との差が小さくなる場合も考えられます。
ただ、なるべく鉄道や船舶で輸送し、トラックや航空機は使わない方向に進むのが良いことは、わかります。


ついでですが、EV車の燃費を考えてみましょう。
リーフの電費は、約8km/kWhです。定員乗車時の重量は5人×55kg=275kgですので、182g/t・kmです。

グレタさんは、陸上の移動に電気自動車を使用しましたが、鉄道を利用した方がCO2排出量を遥かに少なく抑えることができたのです。それどころか、2人しか乗らなかったのなら、航空機と大差ない環境に厳しい輸送手段だったことがわかります。

彼女の地球温暖化防止の運動は、若い世代の危機感の現れであり、私はそれを支持します。
ですが、彼女はまだ16歳であり、その知識は稚拙です。必要な教育も、途上にあります。それ故、誤った情報に踊らされたり、浅い考えのままの言動となる危険があります。
そのような彼女の弱点が、策略に生きる大人達に利用されないことを願っています。