ゴーン容疑者は、パスポートを持ってレバノンに入国しました。
彼のパスポートは、弁護士が管理していたはずですが、彼は持っていました。
そのカラクリは、不可解です。

まず、ゴーン容疑者は、4通のパスポートを持っていました。
内訳は、フランスのパスポートが2通、ブラジルが1通、レバノンが1通です。
これらは、裁判所の命により、全て弁護士が管理していました。
ですが、フランスのパスポートを常時携帯する必要が生じ、フランスのパスポートの1通を鍵付きの箱に入れてゴーン容疑者へ返還しています。そして、箱の鍵は、弁護士が管理することになりました。
この変更は、裁判所が承認しています。

ここまでが、ニュースで流された経緯です。


はて、おかしな話です。
箱から取り出せない状態のパスポートであっても、手元に置く必要があったのでしょうか。
パスポートを確認するためには、箱から取り出す必要があるはずなのに、箱の鍵は手元に無いのです。鍵は、弁護士事務所にあるのですから、鍵を受け取るために弁護士事務所へ足を運ぶことになります。これなら、パスポートを弁護士事務所に置いていても同じことです。
箱に入ったパスポートを手元に置く必要性は、ほとんど考えられません。
なぜ、パスポートを確認できない状態でも手元に置く必要があったのか、不可解です。

一方で、箱からパスポートを取り出すのは簡単です。
ピッキング、鍵自体を破壊する、鍵の取り付け部分を破壊する、蝶番を破壊する、箱自体を破壊するなどの強硬手段の他に、提示する必要が生じたと称して鍵を借り、パスポートを取り出した後で鍵を返す、鍵を借りた際に合鍵を作る等も可能かもしれません。
手元に置く必要性に比べると、管理の甘さは呆れるばかりです。

気になる点は、パスポートを返却した理由です。
裁判所が認めたのですから、公的な機関からの要請だったのでしょう。返却したパスポートがフランス政府発行だったので、公的な機関はフランス政府系の組織でしょう。
更に、保釈時には問題はなく、全てのパスポートを弁護士が管理していましたが、途中で状況が変化していて、保釈条件の変更を行っています。このことから、フランス政府系の組織は、ゴーン容疑者保釈後に、パスポートの携帯を要求したことがわかります。
そう考えると、フランス政府が裏で動いたのでは? と勘ぐりたくなります。


ところで、日本政府が犯人引渡し条約を締結できている国は、アメリカと韓国しかないそうです。
多くの国が数十ヵ国と犯人引渡し条約を結んでいるのに対し、日本は2ヶ国のみなのです。
日本との犯人引渡し条約締結国が少ないのは、他国が日本の司法制度に不信感を持っているためだそうです。

ゴーン容疑者が犯人引渡し条約のない国にいる限り、日本に送還される可能性は低いと思われます。
この状況を踏まえると、ゴーン容疑者は最終的にフランスへ移動するのでしょう。
ただ、フランスの関与を疑われないようにするため、当面はレバノンに滞在するのではないでしょうか。


先日、ゴーン容疑者は各国メディアの取材を受けました。
会見では、新情報は無かったようです。
これは、金の流れ自体は起訴事実の通りだからだと思われます。
ゴーン容疑者は、報酬に強い不満を持っていました。トヨタの社長より高い報酬でしたが、それでも少ないと不満を持っていたそうです。
今回の起訴に繋がった内容は、その不満を抑えるための日産の裏工作との噂もあるようです。
いずれにせよ、ゴーンをアテにし続けた日産幹部が招いた事件には違いないでしょう。


私は、日本の司法制度は大改革が必要と考えています。
以前から、当ブログでは、法体系の整理の必要性は書いてきました。
これとは別に、司法の運用にも問題があることを指摘しておきたいと思います。
裁判を迅速に行うように、法律でも促しています。
ですが、日本人のトップダウンは、結果だけを要求するパワハラ型です。この法律も、結果(裁判の早期結審)だけ要求し、根本を正そうとしていないため、裁判所側が苦労しているそうです。特に、家裁の調査官らに皺寄せが集中しているとも聞きます。
このあたりも、メスを入れてもらいたいものです。

今回の事件は、好むと好まざるとに関わらず、日本の司法制度に世界の注目が集まります。
日本の司法制度を改革するチャンスと捉え、大鉈を振るってもらいたいと、願っています。