「時代が変わった」
そうボヤく管理職が少なくないですね。
管理職にアンケートを取ると、「飲みニケーションが大切」との回答が少なくありません。
それに対して、若い世代は新年会や忘年会の誘いを断る、いわゆる新年会スルーや忘年会スルーが増えています。
そのことが、益々、飲みニケーション必要論となっているように感じます。

世間の分析では、「若い世代は仕事と個人の切り分けが明確で、個人の時間を会社関係者に割かないのだろう」となっています。
それもあるでしょう。
ですが、それなら、同期で飲みに行くことはないはずです。もちろん、組織の上下関係がある場と、上下関係がない場では、違いはあるでしょう。その違いにこそ、メスを入れるべきなのです。

上下関係は、すなわち力関係です。
この力関係のままに、飲みニケーションをしても、意味がありません。
まず、スタンスです。
宴会の場で、何を話しているでしょうか。
私の経験からすれば、多くは力関係によって会話の流れが形作られていると言えます。
ここで言う会話の流れとは、流れを発生させる起点を指します。つまり、「誰が流れを生み出しているのか」です。
例えば、説教です。
当然、説教をする側から、説教される側への流れがあります。
注意すべきは、質問です。
飲みニケーションの目的とされる『相手を知る』ために、「趣味は?」とか、「休日は何してる?」とか、色々と質問しますね。これは、質問する側から質問される側への流れです。勘違いしてはいけません。会話は、答える側から聞く側へと流れていません。答を要求しているのですから、会話の流れは『質問した側から質問された側へ』です。
管理職側が、部下から自分に言いたいことを言わせているのか、自問してみましょう。

説教とまで言わなくても、日頃の態度や仕事への取り組み方について、上司から部下にアドバイス(と上司側は思っている)する場合があります。
これを、飲みニケーションのメリットと考える方が少なくありません。
ですが、アドバイスなら、就業時間内にすべきです。
酒席でのアドバイスは、様々なマイナスがあります。無礼講と言いつつ、それが許されるのは、上司から部下に対してであって、部下から上司に対しては完全なる無礼講はあり得ません。
ですから、一方的な要求であったり、愚痴になるのです。つまり、非建設的なアドバイスになってしまうのです。


最大の勘違いは、『コミュニケーションをとるために飲ミニケーションが必要』と考えていることです。
実は、逆なのです。
コミュニケーションをとることで、飲ミニケーションが可能になるのです。
それを証明するのは、参加者の経験年数です。
一般的に言って、宴会の参加率は、在籍年数と相関があるように思います。
それは、日頃の仕事上の関係性や信頼関係が反映されるからです。

時代が変わったのではなく、宴会スルーによって『飲ミニケーション』が虚像であることを教えられつつあるというのが、より真実に近いのだと思います。


飲ミニケーションが足りないのではなく、コミュニケーションが足りないことを意識しつつ、社会を生きていくことを心掛けたいものですね。