未来の車の動力として、ガソリンエンジン(オットーサイクル)やディーゼルエンジンは、検討にも値しないと考えて良いでしょう。これらとの組合せによるHV(ハイブリッド)やPHV(プラグインハイブリッド)、PHEV、更にはレンジエクステンダーも、未来の車の動力とはなり得ないでしょう。
地球のスケールに比べて人間の活動規模が大きくなりすぎ、政治等の人間側の都合による妥協を、地球環境が受け入れることが難しくなってきているように感じています。
IPCCの提言では、今世紀末の化石燃料使用量をゼロにすべきとしています。自動車においても、『燃費が良い』といった程度の改善では、地球が耐えられない状況にあるとの認識を、私は持っています。

深刻さを増す現時点で、地球温暖化対策を踏まえた未来の車の動力としての候補は、以下の4種類が考えられます。
・電気自動車
・燃料電池自動車
・バイオエタノール自動車
・バイオディーゼル自動車

それぞれのエネルギ源は、電気、水素、バイオエタノール、バイオディーゼル燃料(灯油に近い?)です。
いずれも天然資源ではないので、人工的に作り出す必要があります。
電気は、発電するしかありませんが、火力発電では意味がありません。
燃料電池の燃料である水素も、消費量が増えれば水を電気分解するしかなく、エネルギ源からみると電気自動車と類似の問題を抱えます。
バイオエタノールとバイオディーゼル燃料(BDF)は、食糧としても使える穀物や食用油を使う、あるいは同じ耕作地で生産するため、食糧とのトレードオフ関係にあります。

このように、それぞれの方式には一長一短があります。
これらを踏まえて、日本がどの手法を取り得るのかを考えてみましょう。

まず、電気自動車と燃料電池車です。
どちらも、大量の電力を必要とします。しかし、原発反対運動が盛んな日本の現状は、火力発電が主になっています。電気自動車や燃料電池車に供給する電力を火力発電所の増設で賄うなら、本末転倒です。

電力は、火力はダメですが、原発再稼働派の私でさえ、原発の新設は避けたいと考えているので、これもダメです。
電力の問題は、別の項でまとめたいと思いますが、現時点の日本では原発を再稼働しても、全ての火力を止めることは不可能です。
再生可能エネルギの主力である太陽光発電は、自動車が動く時間帯に発電量が増えます。ですので、従来型のプラグを用いた充電方法では、車が動いている間に電力が余ることになります。
この対策として、交差点のように、車が一時停止する機会が多い場所で、磁界を用いた充電を行うアイデアがあります。この方法なら、再生可能エネルギを自動車に送ることが可能になるかもしれません。
ただ、自動車の自動運転が進化すれば、信号機そのものがなくなり、自動車同士がタイミングを取り合って交差点を通過するようになるかもしれません。停車しないので、通過の瞬間に僅かしか充電できなくなります。
まあ、その時に考え直せば良い問題ですけど・・・

燃料電池車の問題は、水素の作り方です。
現時点では、副産物として得られる水素(熱分解した水素)を使用していますが、燃料電池車が普及すれば、まるで足りなくなります。
そうなると、水を電気分解して、水素を得ることになりますが、前述のように、電力が大量に必要になります。
電力としては、再生可能エネルギを利用する方法があります。再生可能エネルギは、任意の出力に制御できず、出力変動が激しい欠点があります。ですが、水素の形で保存すれば、この欠点はある程度までカバーできます。もちろん、再生可能エネルギ発電所で水を確保できない場合や水素貯蔵ができないことが多いと思うので、送電の上で水素製造をすることになると思います。
燃料電池自動車は、エネルギ効率が高くないのですが、再生可能エネルギを拡充する際には、相性が良いように思います。
問題は、仮想水の輸入大国で、今後の水不足が懸念される日本で、水を確保することは、将来的には不安もあるのです。



バイオエタノール車とバイオディーゼル燃料車ですが、次回にしたいと思います。