「今年6月から8月の北半球の気温は、観測史上最も暑い夏になった」と、世界気象機関(WMO)と米海洋大気局(NOAA)がそれぞれ発表しました。
今年6月から8月の北半球の気温は、20世紀の平均を1.17度上回り、観測史上で最高となりました。
また、8月に限定すると、北半球は平均を1.19度、全球でも平均を0.94度上回りました。これも、史上最高気温だそうです。


今年は、新型コロナの影響で、経済活動が大幅に低下しています。そのため、二酸化炭素排出量も例年よりも減少しています。
二酸化炭素排出量が減少しているのに、地球温暖化が進むことに疑問を感じる方も、おられるかもしれません。
中には、温暖化の原因は二酸化炭素ではないと思う方も、いるかもしれません。
なので、疑問を解消できるように、簡単に説明します。

地球温暖化の原因は、毎年の二酸化炭素排出量とは直接の関係はありません。関係するのは、大気中の二酸化炭素濃度です。
大気中の二酸化炭素が、地表から放射された赤外線を吸収し、それを地表へも再放射することで起こります。なので、二酸化炭素の排出量が直接的に関係するのではなく、これまでの二酸化炭素の蓄積が影響するのです。
今年の半年分の二酸化炭素排出量が減少しても、直ぐには温暖化の緩和にはなりません。

もう一つは、二酸化炭素の排出量が、地球温暖化を止められるほど減少しているのか、との視点です。
大雑把に言って、排出した二酸化炭素の半分は自然界に吸収されますが、残る半分が大気中に残されます。ですから、少なくとも排出量が半分以下にならなければ、大気中の二酸化炭素濃度は、減るどころか、増えてしまうのです。
OPECの生産量は、4〜6月は15%程度の原産となっているようです。今後は不透明ですが、最も悲観的な予想でも40%未満の原産なので、その通りになっても、二酸化炭素の排出量は、自然界に吸収される量を超えてしまいます。
これでは、温暖化は止まりませんね。

でも、見方を変えると、温暖化対策はハードルが高いことがわかります。
自然エネルギを利用するだけでは、届きそうにありません。社会の構造そのものを変える必要があると、私は考えています。
国を挙げての一大プロジェクトになります。
当然、政府が主導していかなければなりません。「経済が・・・」なんてレベルではなく、あるべき日本の姿を示し、投資や教育をしていかなければなりません。
残念なことに、今の政治家は、与野党ともに器を持ち合わせているようには見えません。

先日、中国政府は、2060年に二酸化炭素排出量をゼロにする目標を掲げました。
新型コロナウィルス感染症対策で、「中国の真似は他国にはできない」と言い放たれ、日本はそれを証明してしまいました。
同じように、地球温暖化対策も、日本は中国の真似さえできない可能性が高いように思います。
それは、未だに二酸化炭素排出量ゼロ化のタイムスケジュールを発表できていないことでもわかります。
当ブログの『2100年の日本の姿』よりも遅れています。

先が思いやられます。 



なお、ニュース元の単位は、「度」としか書かれていません。NOAAが絡んでいるので、華氏温度の可能性があるのですが、華氏なのか、セ氏なのか、わかりませんでした。逆算すると、華氏からセ氏に換算した形跡が見られるので、おそらくはセ氏と思われますが、念のため、華氏と仮定し、セ氏に換算した値を記載しておきます。

 華氏の1.19度 → セ氏の0.66度
 華氏の1.17度 → セ氏の0.65度
 華氏の0.94度 → セ氏の0.52度