ちょっと酷い話を見たので、書いておきます。

日本学術会議の新規会員の任命拒否問題に関して、「『学問の自由』を奪っているのは、政府ではなく日本学術会議だ」との話があります。その根拠ですが、「日本学術会議が軍事研究への協力を拒否しているから」なのだそうです。

酷い論理です!

確かに、日本学術会議は軍事研究には反対の考えを持っているそうです。
それが問題なら、政府が軍事研究費を防衛予算の中ですれば良いのです。何も、既存の研究機関を巻き込む必要はありません。
では、なぜ政府は既存の研究機関に軍事研究をさせたいのでしょうか。
理由は、二つ考えられます。
一つは、既に研究が始まっている技術の軍事転用です。
もう一つは、従来の研究費を軍事研究に付け替えることです。
どちらも、研究者にとって、制約が加わることになります。
前者は、研究内容が軍事から外れることを制限されます。また、広く世界に発表することも制限されます。(軍事機密)
後者は、従来の研究費の一部が軍事研究に振り向けられることになるので、研究費の実質的な減額になります。
どちらも、『学問の自由』との観点からは反対の動きです。
ただでさえ、研究予算は減額が続いています。一方で、防衛予算は5兆円を超えて伸び続けています。なんと研究予算の20倍にもなっているのです。
防衛予算をたった5%削減して研究予算に回すだけで、研究予算は倍増できるのです。おそらく、その方が、日本の未来を明るくするはずです。

現政権は、いずれ『学問の自由』を奪っていくでしょう。
菅義偉氏は、靖国神社の秋の例大祭で、真榊を奉納しました。菅義偉氏は、過去に真榊を奉納したことはないそうです。総理大臣になったから奉納したようです。
これは、『総理大臣になれば真榊を奉納する』という習慣に繋がる可能性が高く、政教分離を著しく損ねる行為です。憲法にも抵触しかねません。(憲法20条)
前政権からの継承に重きを置く現政権ですが、以前の菅氏のやり方を捨ててまで、こんなことを実行するのは、マリオネット政権と言うしかありません。

そう言えば、前政権も、新型コロナウィルス感染症の対策として、休校措置を強行しましたね。僅か2日前の政府方針にもなく、効果が疑問視される施策の強行でした。
これも、『教育を受ける権利』を侵害していると取ることもできます。(憲法26条)
政府が検討し、効果を確認して実行したのなら、状況が状況なので、憲法違反の疑いが掛かる施策も容認できますが、首相と側近だけで概要だけ決めた点で、私としては容認しかねます。

前政権から、憲法を軽視しているのです。
だから、効果が薄い休校措置を、決断できるのです。
休校措置は、経済への影響がない新型コロナ対策として、実行に移されたものです。それだけの理由で、『教育を受ける権利』を軽視したのです。
実際には、休校中の子供たちの行動は無視していたため、大混乱となりました。思い付きでしかなかったので、波及範囲まで検討していなかったことが窺えます。


他にも色々とありますが、ここでは『教育』、『学問』の視点で書きました。
以前にも書いているように、私は日本学術会議の新規会員の任命拒否を、『学問の自由』と直結させることには、問題を曖昧にするリスクがあるので、賛成しかねていました。また、日本学術会議に問題がないとも思っていません。
ですが、現政権のあり方は、遥かに重大です。
権力を大上段に振りかざす政権運営は、『学問の自由』のレベルではなく、民主主義や日本の未来にも影響します。
小さい芽の内に、権力を振りかざすのではなく、国民に説明して政権運営していかなければならないことを、政権にしっかりと理解・納得させておくべきです。それが、日本の未来に繋がると考えます。