大分県杵築市で、太陽の観測会を実施したそうです。

ですが、それを放送した内容には、色々と問題があります。


天体望遠鏡をお持ちの方は、太陽を観測する際には、鏡筒に太陽観測用の蓋をしたり、接眼レンズにサングラスを取り付けることは御存知でしょう。
この太陽観測会でも、そうした準備をした上で、観測に臨んだと思います。

ですが、報道では、その手の説明が一切ありませんでした。
万が一、そのような準備をせずに、太陽の観測を行ったなら、失明する可能性が非常に高いことをお伝えしておきたいと思います。
また、天体望遠鏡ではなく、双眼鏡を使った場合も、同様に、極めて危険です。
裸眼で見ることも危険ですが、望遠鏡や双眼鏡は、集光力があるので、更に危険です。
オーバーではなく、火の付いたライターを目に突き立てるのと同等以上と考えて下さい。

凸レンズで太陽光を集め、紙に火を付けた経験があるなら、もっと大きなレンズで集めた光を、紙ではなく眼球に照射したらどうなるか、想像できるはずです。
そうです。
眼球に火が付きます。
これで、失明しないなら、奇跡でしょう。
だから、望遠鏡で太陽を見ることは、絶対にやめてください。

この危険性を放送しないのは、非常に大きな問題です。



望遠鏡用の古いサングラスは、使用中に割れることがあると聞いたことがあります。
万が一にも、使用中に割れれば、失明の危険性は、非常に高いと思われます。

なので、通常は、接眼レンズを覗くのではなく、太陽投影板に投影して観測します。
この観測で、黒点の様子ははっきりと観察できます。



実は、この放送は、更なる問題がありました。

観測会に参加した子供たちは、「太陽が真っ赤に見えた」と喜んでいました。
太陽が赤く見えたのは、おそらくサングラスの影響だろうと思われます。
ところが、放送では、「本来の真っ赤に映る〜」と説明が入っているのです。

大きな声で言います。
太陽は、黄色です!!

太陽のスペクトル型は、G2です。
太陽の表面温度は、5700K。
人の目は、概ね360〜830nmの波長の光を感じることができます。
これが、可視光です。
地表では、概ね上記の波長の太陽光が強く届きます。だから、この波長を見ることができることは、生存に有利だったのです。
人の目は、555nm付近に最も敏感ですが、この波長は黄色に見えます。

放送では、「本来の真っ赤に映る」といっていますが、本来は黄色です。
波長だけで言うなら、黄色から黄緑色に近い色であり、「本来の真っ赤」は真っ赤な嘘ですので、御注意ください。



地方局ですが、メディアの理科離れは、やはり深刻です。
せめて、危険性の説明だけは、しっかりとやってほしかったですね。

この放送が切っ掛けとなる事故が起きないことを、願っています。