「ミリ」と聞いた時、多くの方は「ミリメートル(mm)」を思い浮かべると思います。
同時に、「ミリ」は単位だと思っておられるかもしれません。
ですが、「ミリ」は、単位ではありません。
正しくは、単位の接頭語(SI接頭語)です。
「ミリメートル」では、単位は「メートル」です。
「ミリ」は、単位を1/1000することを意味します。

同じように誤解されているのが、「キロ」でしょう。
「キロ」と聞いて、「キロメートル」を思い浮かべる方は、少なくないでしょう。
「キログラム」や「キロワット」を思い浮かべるかもしれません。
この場合、単位は「メートル」や「グラム」、「ワット」のことで、「キロ」は「ミリ」と同様に、SI接頭語でしかありません。


SI接頭語は、10E24〜10E-24まで用意されていましたが、2022年11月18日、新たに4種が追加されました。

追加分を含めたSI接頭語には、次のようなものがあります。


 Q :クエタ ×10E30

 R :ロナ  ×10E27

 Y :ヨタ  ×10E24

 Z :ゼタ  ×10E21

 E :エクサ ×10E18

 P :ペタ  ×10E15

 T :テラ  ×10E12

 G :ギガ  ×10E9

 M :メガ  ×10E6

 k :キロ  ×10E3

 h :ヘクト ×10E2

 da:デカ  ×10E1

 d :デシ  ×10E-1

 c :センチ ×10E-2

 m :ミリ  ×10E-3

 μ :マイクロ×10E-6

 n :ナノ  ×10E-9

 p :ピコ  ×10E-12

 f :フェムト×10E-15

 a :アト  ×10E-18

 z :ゼプト ×10E-21

 y :ヨクト ×10E-24

 r :ロント ×10E-27

 q :クエクト×10E-30



前述の「ミリ」や「キロ」を除くと、日常生活で使うものは多くありませんが、見掛けるものもあります。


例えば、パソコンのメモリ容量では、「テラ」、「ギガ」、「メガ」を見たことがあるでしょう。

電子レンジの「マイクロ波」は、波長がμm(マイクロメートル)の電波のことです。

「ナノテク」は、微小機械等の技術を指しますが、元々はnm(ナノメートル)サイズの技術を指す言葉からの変遷です。



「k(キロ)」を用いる場合に、「km2(平方キロメートル)」があります。

kは1000倍を意味しますが、m2(平方メートル)とkm2(平方キロメートル)では、100万倍の違いがあります。

本来、100万倍は、M(メガ)を使いますが、面積の単位のように2乗が掛かっている場合、(km)2 と考えるので、k2 に相当する100万倍となります。

容積でも、考え方は同じで、km3 は、m3 の10億倍になります。


ℓ(リットル)にk(キロ)が付くkℓの場合は、どこにも3乗がないので、k(キロ)は1000倍のままになります。

つまり、kℓは、ℓの1000倍を意味します。



日常生活とも全く無縁ではないので、SI接頭語の仕組みだけは、覚えておいた方が良いと思います。