2070年問題。

今から50年後の日本が抱えるであろう問題です。
そして、その問題の解決には、今から始めなければなりません。



2070年は、今の小学生や中学生が、社会のトップで働いているからです。
高校生や大学生は、御意見番となっていることでしょう。
30歳台や40歳台は、年金暮らしでしょうか。

その2070年頃に何が起きるのか、考えてみましょう。



最も大きな変化は、経済規模です。
この頃、日本のGDPは、ベスト10から陥落します。
これが、問題を引き起こします。

日本の通貨『円』は世界通貨ですが、この立場が怪しくなるのです。

2021年12月に決済に使用された通貨のランキングは、次のようになっています。

 USドル 40.51%
 ユーロ  36.65%
 英ポンド  5.89%
 元     2.70%
 円     2.58%

上記は、世界通貨として、決済に用いられていますが、『円』のシェアは低下傾向にあります。
いずれ、『ルピー』や『レアル』にも抜かれるでしょう。
そうなった時、『円』が世界通貨であり続けることができるのでしょうか。

『円』が世界通貨でなくなると、何が起きるのでしょうか。

こうなると、海外との決済は『円』ではできなくなり、全ての決済で、他の通貨に換金する必要があります。
となると、『円』の価値を維持しなければなりません。
『円』の価値を維持するためには、発行額を制限しなければなりません。

日銀は、日本国債を買い入れるため、同額の『円』を発行することになります。
市場(主として銀行)が、国債を買えないくらいに、国債の発行残高が莫大なのです。
そのため、日銀が銀行から国債を買い入れているのです。

しかし、世界通貨ではなくなれば、『円』を発行しにくくなるので、日銀は国債を買いにくくなると考えられます。
つまり、新規国債を発行することが、困難になるのです。

もう一つの懸念は、『円』の信用が低下するので、円建の日本国債も信用が低下すると思わらます。
こうなると、日本国債は買い手が減り、利回りを高く設定なければならなくなります。
下手をすると、売り浴びせを受けることになります。
「日本国債の9割は日本国内にあるから、売り浴びせの心配はない」なんて、呑気の人がいますが、海外にある分だけで、日本のGDPの3割を超えています。
これを売られたら、堪ったものではありません。
世界通貨から外れれば、このリスクが高まるのです。




極めて深刻な事態が、起こり得るのです。

2022年度予算は、補正予算を含めて139兆円余りの歳出の内、約45%の62兆円余りを国債で賄っています。
新規国債を発行できなければ、予算は77兆円ほどに縮小します。
この内、24兆円は、発行済の国債の召還に必要ですから、使える予算は53兆円です。

こうなると、社会保障費は、1/3に圧縮しなければなりません。
年金制度も、皆保険制度も、維持は難しいでしょう。
老朽化した道路や治水設備も、公共事業を圧縮しなければならないので、崩落が相次ぐことになりかねません。
義務教育でさえ、有料になるかもしれません。

今とは、まるで違う日本に、一瞬で陥る可能性があるのが、2070年問題です。




「そんな先のことを、今から言っても仕方がない」
そんな声があるかもしれません。
ですが、今生きている日本人の1/3は、その時も生きているはずです。
そして、その問題の回避には、今から手を付けておく必要があるのです。

今、累積債務は、約1200兆円です。
これを40年で完済するには、毎年30兆円ずつ減らしていく必要があります。
30兆円は、GDPの6%です。
今から国債の償還を始めても、GDPの6%も必要なのです。
これを25年で完済するには、GDPの10%が必要です。
10年で完済するには、国家予算の総額を超えます。償還は、不可能になります。
今のペースで国債を積み上げれば、もっと早く限界に達します。

だから、今から対策を始めなくてはならないのです。




今の政府は、2070年問題には全く無頓着です。
だから、平気で防衛費の倍増を言えるのです。
野党も、全く気にしていません。
と言うより、気付いてもいません。

なので、若い世代には、新しい政党を作り、自らの手で日本の未来を切り拓いて下さい。

当ブログは、2100年の日本をあるべき姿を考えながら、運営しています。
だから、増税には賛成しています。
法人税を増税できるようにするために、TPPには反対しています。
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全ての主張は、協調が取れているはずです。
そして、どの政党とも合致しない内容となっています。

若い世代が、未来の日本を切り拓く政党を立ち上げるなら、たった1票ですが、投票させてもらいます。