原発反対派あるいは廃止論は、大筋では間違っているわけではありません。
原発事故を考えれば、原発を廃止すべきとの理屈は、理解できない内容ではありません。
だから、世論を形成できるのでしょう。

一方で、視野が狭さ、あるいは御都合主義も、見えてきます。
そのひとつが、温暖化対策への反論でしょう。

原発推進派や再稼働派が言う「原発再稼働で二酸化炭素排出量を削減すべき」との意見に対し、「原発分は自然エネルギー発電で賄う」と反論しています。
この反論が正しいなら、原発を再稼働した場合、自然エネルギー発電は停止することになってしまいます。
そんな馬鹿な事はありません。
常識的に考えるなら、せっかくの自然エネルギー発電を止めるのではなく、原発と同量の火力発電を止めることになります。
つまり、原発を止めるのか、火力発電を止めるのか、二者択一なのです。

原発再稼働反対を主張するなら、原発と火力発電のどちらを選択するのか、事故のリスク、地球温暖化のリスクなどを議論すべきなのです。