巷の地震予知の問題は、科学的ではない手法を用いていながら、
地震予知の三要素を緩めることで成功率を高め、その数値に満足していることです。
スタート地点の誤りに気付こうとせず、非科学的な地震予知を押し通しているだけです。
だから、地震の規模についてもいい加減です。

と言うわけで、地震の規模について、私見を説明していこうと思います。


1.地震の規模は、発生しないと決まらない

巷の地震予知では、当たり前のように地震の規模を予想しますが、実は、宏観現象では
地震の規模は予測できないのです。

地震は、地殻に蓄えられた歪が限界を超えたために、歪が一気に解放される現象です。
場所によって地殻に蓄えられる歪の量は大差ないはずです。
地殻に蓄えられる歪の量が10倍違うとしても、マグニチュードで0.7の差にもなりません。
ですので、地震の規模を決める要素は、地殻に蓄えられる歪の量ではないと分かります。
では、地震の規模を決めるのは何でしょうか。
それは、震源域の広さです。


2.地震の規模は、震源域の大きさで決まる

地殻に蓄えられる歪の量が大差ないなら、大きな歪を蓄えるためには大きな容積に蓄える
しかありません。
実際、地震の規模に比例して、震源域の容積は広くなします。
マグニチュード9.0の東日本大震災では、震源域の長さは450kmでした。
マグニチュード6.9の阪神大震災では、震源域の長さは42kmでした。
両者のエネルギの差は約1400倍ですので、長さの3乗と近い値になる事が分かります。
このことからも、震源域の大きさが地震の規模を決める事が分かるでしょう。


3.宏観現象では、地震の規模は分からない

宏観現象は、地震の前に発生する一時的な現象です。
ですので、継続している状態を示しているはずがありません。
一方で、地震のエネルギー源の歪は、数十年から数千年もかけて蓄積するものです。
ということは、地震の前に突発的に発生する宏観現象は、地殻に溜まった歪の量を示して
いないと分かります。


少し内容が濃くなってきたので、記事をまとめるのに時間が掛かるようになってきました。
次回も、この続きになります。


-地震予知研究の手引き(地震の規模と場所の関係)-