当ブログのサクラ開花予想は、従来のサクラの開花予想手法の検証から始めました。

従来のサクラの開花予想手法には、400℃の法則と600℃の法則がありました。

400℃の法則は 2月1日以降の平均気温の累積が400℃になる頃に桜が開花する
600℃の法則は 2月1日以降の最高気温の累積が600℃になる頃に桜が開花する

では、実際にはどうなのでしょうか。

1953年の札幌のソメイヨシノは、開花までの平均気温の累積は67.8℃でした。
最高気温の累積も520.2℃でした。
どちらも大きく離れています。
これは、「ソメイヨシノの北限に近い札幌の例だから」と考えることはできません。
なぜなら、結実できず接木や挿木でしか増やせないソメイヨシノは、東京でも札幌でも
遺伝子に違いはないのです。
ソメイヨシノの開花時期は、個体差の影響はあり得ず、その場の環境だけで決まるのです。
400℃の法則も、600℃の法則も、東京周辺でたまたま見つかった関係であり、
実際のソメイヨシノが持つ性質を表しているのではないのです。

下のグラフは、東京における積算気温と開花日との関係を表しています。

気温と開花日の関係

平均気温も最高気温も、積算気温が高いほど開花日が遅い傾向にあることが分かります。
相関係数は、積算平均気温と開花日は0.193、最高気温とでは0.671でした。
平均気温と開花日の相関は弱いのですが、最高気温との相関は明確です。
400℃の法則や600℃の法則が正しいのなら、気温と開花日の間に相関はあるはずが
ありませんから、このような相関が現れることは、法則に誤りがあることを示しています。


ところで、過去の開花日だけで来年のサクラの開花日を予想するとどうなるでしょうか。
東京の1953年から2016年までの平均開花日は、3月27日です。
標準偏差は5.6日でした。

400℃の法則や600℃の法則では、どうでしょうか。
東京の1953年から2016年の平均では、2月1日からの積算平均気温が405℃に
なった時に開花しています。
標準偏差は30.3℃で、開花日頃の平均気温10.1℃でみると、3日に相当します。
最高気温では、平均では積算最高気温が641℃になった時に開花しています。
標準偏差は43.7℃で、開花日頃の最高気温14.5℃でみると、3日に相当します。
どちらも、過去の開花日から求めた標準偏差(5.6日)の54%に当たります。
400℃の法則や600℃の法則でも、開花予測の誤差を半分に絞ることはできそうです。

ですが、これは開花日までの気温が予め分かっている場合の事です。
開花日を予想する場合は、気温変化も予想しなければならないので、実際には気温変化の
予想誤差も加わり、精度はかなり低いものとなります。

高い精度で桜の開花日を予測するためには、まず桜の開花と気温の関係を明確にしなければ
ならないのです。