前回、400℃の法則も、600℃の法則も、桜の開花を決定する因子ではないことを、
1953年の札幌の開花時期や、東京での開花時期と法則との関係で示しました。
 
 
開花予想の対象としている桜は、ソメイヨシノです。
ソメイヨシノは、種を作ることができません。
そのため、ソメイヨシノは人工的に接木や挿木などで増やします。
このような増やし方なので、全国のソメイヨシノは全て同じ遺伝子を持っています。
ですので、札幌の桜も、東京の桜も、基本的に個体差はありません。
札幌で適用できない法則は、日本のどこでも適用することはできないのです。
でも、考え方を変えると、気温の影響差は同じ木で行う必要がない事を示しているのです。
気温差が大きな場所の桜を比較すれば、桜の気温の感受性を解明しやすいのです。
 
今、東京にある桜を札幌に移植したなら、
その桜は、元々札幌にあった桜と同じ日に花をつけるはずなのです。 
だから、東京と札幌の比較にこだわっているのです。





桜開花予測解析1953グラフ2


このグラフは、縦軸は各日付の平均気温、グラフの横軸には開花日から過去の各日付までの
累積気温を取りました。
その目的は、累積気温の起点を見つけるためです。
ですが、札幌と東京を比較しても、起点となる条件が見えてきませんでした。
直接の原因は、氷点下の気温がグラフを壊しているからです。
そこで、絶対零度を起点にグラフを作り直してみました。


桜開花予測解析1953グラフ3


このグラフから読み取りたかったのは、落葉との関係でした。
桜の花芽が成長するのは、落葉した時なのだそうです。
ですので、グラフが交わる点が落葉の時期と一致するのではと考えていました。

グラフを見ると、累積気温が10000K付近と76000K付近の二か所で交わっています。
10000Kは、東京では2月20日頃、76000Kは7月5日頃です。
どちらも落葉の時期とはかけ離れています。
因みに、東京の桜の落葉は、今頃(11月上旬)です。

他の年も調べてみましたが、同じ傾向にありました。

ですが、まだ問題がありました。
その辺りは、次回に持ち越す事にします。