前回は、開花までの累積気温が4000Kから10000Kくらいで、東京の桜開花と札幌の桜開花のグラフが交差することを突き止めました。
その時の気温は、5℃から8℃くらいでした。
ただ、各年の差があり、正確に決めることができませんでした。
 
今回は、1953年から2013年までの71年分のデータを用いて、各年の桜開花日を起点に、71年分の平均気温と累積気温の関係をグラフにしてみました。
それが、次のグラフです。

桜開花予測解析トータルグラフ5-1


さすがに、71年分の平均ですので、かなり滑らかなグラフになりましたが、交差する辺りでは東京と札幌のグラフが接近しているので、正確な値を読み取ることは難しいところです。
そこで、三次式の最小二乗法を用いて、近似することにしました。

桜開花予測解析トータルグラフ5-2


なぜ、三次式を用いたかは、次回以降に持ち越すとして、上のグラフを見てわかるように、完璧ではないにしてもマズマズの近似ができていることがわかります。
特に、東京のグラフと札幌のグラフが交わる辺りは、かなりいい感じです。
そこで、実績線を消して近似式の線のみとし、交点をわかりやすくしてみました。

桜開花予測解析トータルグラフ5-3




このグラフの交点は、およそ4730K、7.8℃付近にあります。
誤差は、かなりあるだろうと思います。
当然、検証すべきですが、今回は、実際の進度とほぼ同じペースでblog公開を行っているので、最後まで一気に進めた後で検証を行うことにすることにします。
 
桜の開花の法則は、今回で終了とします。
ここまでの結論は、以下です。
 
桜は、
平均気温が7.8℃を超えた日を起点に、
日々の気温(絶対温度)の累積値が4730Kに達した日に、
開花する。

と言ってしまいましたが、
ちょっとおかしいことに気付いてしまいました。
 
4730Kと言うことは、
7.8℃が続いたとして、16日程度で桜が開花することになります。
でも、20℃が続いたとしても、16日程度で桜が開花することになります。
桜の開花は、気温に敏感なことが知られていますが、その事実と相容れないことが分かります。
 
絶対零度を基準にすると、通常の気温差は相対的に小さくなり、気温変化が影響しにくくなることが問題でした。
そこで、絶対零度以外の基準(ベース温度)を探すことにしました。
 
まず、桜(ソメイヨシノ)の北限を調べました。
桜の北限は、北海道の美唄市の東名公園だそうです。
美唄市は、月平均気温が氷点下10℃をギリギリのところで切りません。
どうやら、氷点下10℃が、桜の絶対零度のようです。
 
そこで、氷点下10℃を基準に、累積気温を調べてみました。

そこで、氷点下10℃を基準に、累積気温を調べてみました。

桜開花予測解析 平均気温ー10℃



近似式は、若干の細工を加えましたが、
桜は、平均気温が9.8℃を超えた日を起点に、日々の気温(-10℃基準)の累積値が157℃に達した日に、開花する
との結論を得ました。
この条件の場合、9.8℃のままなら8日程度、15℃なら6日程度で開花する計算です。
 
 
念のため、最高気温の累積気温でも調べてみました。
基準気温は、-10℃で計算しました。

桜開花予測解析 最高気温ー10℃



近似式は、若干の細工を加えましたが、
桜は、最高気温が13.2℃を超えた日を起点に、日々の気温(-10℃基準)の累積値が300℃に達した日に、開花する
との結論を得ました。
この条件の場合、13.2℃のままなら13日程度、18℃なら11日程度で開花する計算です。
 
 
これで、三つの法則(案)ができました。
このどれが、桜の開花を決める要素なのか、私にもわかりませんでした。
ですので、この三案は、キープとして、先に進めることにします。