豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ: 研究機関など

今回、最も長い間、質問攻めにしてしまったのは、アカイカの研究のところでした。

アカイカは、あまり暖かくなく、冷たすぎない海水を好むのだそうです。
このアカイカが好む水温の分布を、シミュレーションで見つけ出す研究だそうです。
アカイカの魚群をシミュレーションで予測できるので、漁業への貢献できます。
既に、社会への提供が成されていて、漁業関係者の間で利用されているのだそうです。
アカイカの分布が推測できるのなら、アカイカを餌とするアジやサンマも、漁場を予測できる可能性があり、研究も進みつつあるようです。


シミュレーション系では、黒潮の流れを再現する研究がありました。
黒潮が蛇行する要因の一つに、伊豆諸島があります。
伊豆諸島付近は水深が浅くなっているので、流れが乱されやすいのです。
黒潮の大蛇行ですが、大蛇行の西側で時計回りの渦ができます。
面白いのは、その渦の下の水深3000m付近では、逆方向の渦ができているのです。
私個人の考えですが、地球温暖化が進むと、海水は表層と深層との間に対流が起きにくくなり、年毎の気候のブレが大きくなると思っています。
先程の深海の渦は、地球温暖化が進むとどうなるのか、気になるところです。


シミュレーション系の最後は、海水温の未来予測シミュレーションです。
JAMSTECのHPで公開されているとの事だったので、探してみました。

SINTEX-F

リンク⇒http://www.jamstec.go.jp/frcgc/research/d1/iod/seasonal/outlook.html

ここでは、話題が脱線し、ペンギンの生息域で盛り上がりました。
ペンギンの北限がガラパゴス諸島であることは、御存知の方も多いでしょう。
では、ガラパゴス諸島がペンギンの北限になったのでしょうか。
それを考える前に、マゼランペンギン、フンボルトペンギンを見ておくべきでしょう。
ガラパゴスペンギンとマゼランペンギン、フンボルトペンギンは、いずれもフンボルトペンギン属に分類されます。外見も似ていて、私のようにペンギンに詳しくない者には、見分けることも難しいくらいです。
フンボルトペンギン属(ケープペンギンを除く)の生息域は、南アメリカ大陸の南からマゼラン、フンボルト、ガラパゴスの順に並んでいます。
これらの生息域は、南から北へとフンボルト海流が流れています。この流れに沿って、生息域を北に拡げたのです。
フンボルト海流は、赤道まで北上すると、南アメリカ大陸を離れます。ガラパゴス諸島を通過して、南赤道海流となって太平洋を横断する流れになります。赤道より北側は、反赤道海流やカリフォルニア海流が南下してくるため、ペンギンの北上を阻みます。ペンギンが北アメリカ大陸に拡げられなかった理由は、海流にあるようです。
生息域拡大で、残るは太平洋横断です。
南赤道海流は、太平洋を横断してながれますが、キリバス付近まで島影さえありません。
ペンギンは、抱卵するために陸が必要ですが、ガラパゴスを離れると陸がないため、ペンギンの繁殖域の拡大は、ガラパゴス諸島までで止まったのです。

話は脱線したのですが・・・
展示されていた研究では、これからエルニーニョが発達するとのことでした。


今回の横浜研究所の一般公開は、昨年よりも少し展示が減っているような気がしました。
特に、長期の気象シミュレーションは、見当たりません。
温暖化をテーマにした展示は少なかったように思います。

温暖化関連では、セミナーの『北太平洋に棲むプランクトンの多様性と生産力』くらいでした。

当セミナーの概要は、プランクトン生息数の方程式化でした。
プランクトンの生育には、主として日照と栄養塩の濃度が関係します。
熱帯の海では、日照が充分にあり、プランクトンの生育は良好です。
その結果、栄養塩はプランクトンに取り込まて、濃度が下がります。
一般に、熱帯の海は透明度が高いものです。
これは、プランクトンの密度が低くく、視界を遮るものが少ないためです。
実は、熱帯雨林でも、土壌の栄養価が低い事が知られています。
これも、海洋と同じ理由によるもので、充分な日照と雨があるので、土壌内の栄養分は樹林に吸い取られてしまうのです。それ故、熱帯雨林は伐採すると砂漠化しやすいのです。

閑話休題。
講師のスミス氏によると、栄養塩が充分にあれば、大型のプランクトンが増えるのだそうです。
結果的に、プランクトンの種類は多様化するのです。
一方、栄養塩が少ないと、大型のプランクトンには厳しい環境になるため、生息できるのは小型のプランクトンに限られていきます。
また、プランクトンの生産力は、栄養塩が少ない環境ではプランクトンの大小の影響は小さく、栄養塩が多い環境ではプランクトンの大小で大きく変化します。
下のグラフのようなイメージになります。
(グラフは伊牟田が作成しました。スミス氏の資料と違っている可能性があります)

プランクトンの生産力

このような特性をプランクトンの多様性や生息数を基にした方程式を研究しているのだそうです。

私は質問できませんでしたが、生物が関係するシミュレーションにおいて、食物連鎖の底辺を構成するプランクトンの状態を簡単な方程式で算出できるなら、大きな武器になるはずです。
このような研究をベースにした研究や発見が増えるのでしょう。


JAMSTECコトクラゲ


JAMSTEC横浜研究所の一般公開に行ってきました。

今回、最も印象的だったのが、スーパーコンピュータ暁光が撤去されていたことです。

暁光



暁光は、20PFLOPsを達成し、昨年末の時点で世界3位(国内1位)の高性能を発揮していました。しかも、設置数を増やし、更なる高性能を狙っていたのですが、開発元企業の社長による不祥事で、半年前に撤去が決まったようです。

理科離れの激しい政治家は、「2位じゃダメなんですか!」と言いましたが、スパコンの性能は順位とは関係のない世界です。高ければ高いほど、有用なのです。
そう思うと、つまらないケチが付いたものだと、残念でなりません。

JAMSTEC横浜研究所の一般公開に来ています。

仕入れたネタは、なるべく早く記事にしますので、御期待ください。

JAMSTEC横浜研究所2018



JAXA筑波宇宙センターでは、ミニトークショーを聞きました。
私が聞いたのは、「気候変動観測衛星しきさい~地球の彩りを宇宙から~」でした。

しきさいシール

「しきさい」は、多波長光学放射計(SGLI)を搭載し、雲、エアロゾル、海色、植生、雪氷などを観測します。
(リンク⇒http://www.jaxa.jp/projects/sat/gcom_c/ )

自然由来の二酸化炭素は、年間9炭素億トンが循環していると考えられています。
これに対し、人為由来の二酸化炭素は、年間89炭素億トンもあります。
しかし、エアロゾル等によって観測値が乱され、精度の高い観測ができていませんでした。
「しきさい」は、エアロゾルの観測などを行い、気候変動の監視とメカニズムの解明に期待されています。

2017年12月23日に打ち上げられた「しきさい」は、現在は、観測値と実測値の照合などを行い。実運用開始に向けた調整を行っています。
講演された杢野正明氏に伺ったところ、関係する研究機関と連携して、研究機関が持つ実測値との照合を行っているそうです。
その中には、アルゴフロートも含まれているようです。


地球温暖化の観測は、「しきさい」の他に、10月29日に打ち上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」や、水循環変動観測衛星「しずく」があります。
日本と欧州が協力して開発を進める地球観測衛星EarthCARE(Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer)も、来年に打ち上げが予定されています。
少しでも精度の高い観測によって、地球の未来が予測されることを期待しています。

リンク:いぶき2号・・・http://www.satnavi.jaxa.jp/project/gosat2/
    しずく  ・・・http://www.satnavi.jaxa.jp/project/gcom_w1/
    EarthCARE・・・http://www.satnavi.jaxa.jp/project/earthcare/

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