新・風の谷の生活

食糧自給率の向上を目指して!

カテゴリ: 研究機関など

極地研究所の一般公開では、観測のための機材も展示してありました。
その一つが、テントです。
image 大振りのテントです。
中に入っている椅子やテーブルを見れば、テントの大きさも分かると思います。
使用眼鏡が非常に厳しいので、構造に工夫がされています。
その一つが、防寒でしょう。
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よく見ると、テントが外皮と内皮の二重構造になっています。
外皮と内皮の間には、厚さ10cm程度の隙間があり、断熱材の役割はあるようです。
 


極地研究所の一般公開では、サイエンスカフェ(ミニ講演)を中心に見てきました。
私は、「サイエンス」より「カフェ」の方に惹かれたのかもしれません。

そのサイエンスカフェの中で、最後に見た「日本の天気予報を改善する北極海の気象観測」が最も印象に残っています。
講演したのは、昨年に博士号を取ったばかりの若い研究者。
極地研らしく強めの冷房の中、汗を流しながらの熱い講演でした。

彼によると、北極の気象観測は、日本の天気予報を行う上で非常に重要なのだそうです。
現在、北極圏にある気象観測点は、わずかに16ヶ所しかないそうです。
この16ヶ所では、通常の2倍にあたる1日4回の気象観測を行うことで、観測点数の少なさを補っています。
その効果は大きく、他の観測点と同じ回数分の気象データを入力した場合の気象シミュレーションとの比較を行うと、明らかに気象シミュレーションの精度が低下することが確認できたそうです。
逆説的に言えば、北極の気象は、日本周辺の気象にも大きな影響を与えていることを示しているのです。

さて、その北極ですが、近年、大きな気候変動が起き始めています。
その影響は、必ず日本周辺の気候にも現れるはずです。
以下は、「北極観測」という極地研究所の冊子の抜粋です。
ここでも、最初に「北極に大きな気候変動が起き始めています」が掲載されています。
北極の気候を読み解き、地球温暖化の現状を把握しなければならないようです。

0.北極観測_表紙&裏表紙

1.北極に大きな気候変動が起き始めています

極地研究所と言えば、真っ先に思い浮かぶのが、南極観測船ですね。
現在運用されているのは、2艦目の砕氷艦「しらせ」です。

しらせ2

ちょっと意外に思われるかもしれませんが、「しらせ」所属は海上自衛隊です。
これは、戦後初の南極観測で使用した「そうや」、「ふじ」、先代「しらせ」の全てに共通します。
一つには、南極観測が非常に危険だったためなのかもしれません。

しらせ


こちらは、先代の「しらせ」です。
南極観測に用いられた歴代の砕氷艦で唯一の三軸船でした。
大きさや性能は現行の「しらせ」と大差なく、日本の南極観測において、砕氷艦の完成形とも言えるでしょう。
実際、歴代で最も多い25回の南極観測を成功させています。

「しらせ」の名前ですが、一般には白瀬矗が由来と言われています。
(正式には異なるのですが、大元を辿れば白瀬矗に行き着くのです)
白瀬矗は、1910~1912年に日本で初めての南極探検を行った人物です。
極地研究所にも、記念碑がありました。

白瀬南極探検隊記念碑

白瀬南極探検隊記念碑2



南極点にこそ達することはできませんでしたが、貧弱な装備にも拘らず、この時代の南極探検において全員が無事に帰還したことは見事と言っても良いと思います。

日本の南極観測では、越冬隊の死者は1名のみです。
昨年は、残念ながら「しらせ」乗組員に死者がでましたが、安全第一に観測を続けて戴きたいと思っています。

国立極地研究所の一般公開2016年は、8月6日でした。
国立極地研究所は、立川市の米軍基地跡に7年前に移転してきました。
JR立川駅からは歩いても20分足らず。
5月に行ったJAMSTECの立地とは大違いです。

さて、極地研の一般公開です。

国立極地研究所2016年一般公開1

国立極地研究所2016年一般公開2

国立極地研究所2016年一般公開3


今回は、サイエンスカフェを中心に回りました。
私が聞いた講演は、以下の4件でした。
      ・氷河に封じ込められた化石花粉のDNA研究
      ・気候変動の鍵を握る極域の海と海氷
      ・地球環境を駆動する南大洋と南極氷床
      ・日本の天気予報を改善する北極海の気象観測

これらの講演の概要は、機会を見ながら書くことします。


国立極地研究所は、敷地がコンパクトな事、国文学研究資料館・統計数理研究所と同居等、
JAMSTECとは趣の異なる研究施設でした。
縁深い砕氷艦「しらせ」も海上自衛隊所属で、極地研の所有ではありません。
ですが、研究内容はJAMSTECと関係深く、北極観測ではJAMSTEC所属の
「みらい」を使用する等、連携した研究が行われていました。

JAMSTEC同様、今後のブログのネタとして使っていく予定です。

国立極地研究所の一般公開に行きました。

当ブログのテーマの一つである気象予測について、勉強する目的もありましたが、単純に好奇心で来たと言った方が正確かなと、思います。

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ここでは、サイエンスカフェ(ミニ講演)を中心に回りましたので、その内容と感想は個々に書いていくことにします。

ところで、地球温暖化に伴い、北極海の海氷が夏場に小さくなっていることがニュースになっていますが、今回の一般公開では海氷が最小になる日の予想をしてきました。
全くの直感ですが、予想する人が少ない9月19日にシールを貼ってきました。

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ですが、残念ながら、証拠写真はまたしてもピンぼけでした。

政府は、海洋開発機構の無人探査機「かいこう」を改良し、
現在の可潜深度7000mから10000mまでの潜航を可能にするための予算が、
来年度の概算要求に盛り込まれるそうです。

目的は、海溝型地震や深海生物の調査です。

かいこう(ランチャー)
かいこう(ビークル)

「かいこう」は、母船からケーブルで深海まで下ろす無人探査機で、
ランチャーとビークルからなります。

現行の「かいこう」は二代目で、初代「かいこう」は1992年に竣工しました。
初代は、当初から10000mの可潜能力を持っていて、
1996年にはマリアナ海溝チャレンジャー海淵(深さ10898m)での泥の採取にも
成功しています。
ですが、2003年5月29日に2次ケーブル(ランチャーとビークルを繋ぐ)の切断で
ビークルを失う事故が発生して以来、7000m以上の深海探査手段がありませんでした。

現行の「かいこう」の改良が完了すれば、およそ15年ぶりに10000mの探査が
可能になります。

理化学研究所などのチームが合成した113番元素の名称について、
国際純正・応用化学連合(IUPAC)は、ニホニウム(Nihonium):Nhとする
案を公表しました。
1908年にも、東北帝国大学の小川正孝博士が43番元素をニッポニウム(Np)として
申請したそうですが、43番元素ではないことが判明して認められませんでした。
ちなみに、43番元素はテクチウム(Tc)、Npはネプツウム(93番元素)です。

元素表と言えば、周期表が一般的ですが、遊びでこんなのを作ってみました。
元素表

理化学研究所に命名権が与えられて以来、ジャポニウム(Jp)が有力ではないかと
噂されてきました。
上の表を見ると分かるように、「J」で始まる元素はありません。
ジャポニウムだったら、アルファベット26文字をコンプリートだったのですが・・・

世界中の海を観測ロボットでくまなく観測しようとの構想の下、2000年に国際プロジェクト「アルゴ計画」がスタートしました。
目的は、気候変動に大きな影響を与える海の中を観測するためです。
使用するのは、アルゴフロートと呼ばれる観測ロボットです。
現在は、各国の3000台のアルゴフロートが、世界の海で観測を行っています。
アルゴフロートの位置
この地図は、2016年5月28日時点のアルゴフロートの位置を示しています。

さて、アルゴフロートは、どんなロボットなのでしょうか。

アルゴフロート&ディープニンジャ

国際協力で使用されているのは、右の黄色いタイプです。
このタイプは、最大観測深度は2000mです。
全海洋の平均深さは約4000mですから、海洋の上半分しか観測できていないことになります。
そこで、更に深い海も観測できるように開発されたのが、左のディープニンジャです。
両方とも、基本構造は同じですが、観測深度が違っています。
ディープニンジャの可潜震度は4000mで、アルゴフロートの2倍あります。

アルゴフロート観測パターン

このように、潜航と浮上を繰り返しながら、海中の水温、塩分、圧力を計測し、結果をフランスとアメリカにある世界アルゴデータ集積センターに送信します。
集められたデータは、基本的には誰でも利用する事が出来ます。

アルゴフロート構造

上の絵は、アルゴフロートの内部構造です。
実は、潜航・浮上を制御するための基本構造は、先日紹介した水中グライダーと類似しています。

このアルゴフロートによる観測で明らかになったことは色々あるようですが、
具体的な内容は、今後に残しておく事にします。



JAMSTEC一般公開に関するネタは、これで終わりにします。
元々、思い付きで出かけ、興味本位で見て回ったので、記事にできるようなネタがほとんどありませんでした。
もう少し計画的に見て回れば良かったと、後悔しています。
11月のJAMSTEC横浜研究所の一般公開では、計画を立てて見て回ろうと思っています。

JAMSTEC横須賀本部は、埋め立て地の最も奥にあります。
それも、かなり遠回りしていかなければなりません。
JAMSTEC地図
地図を見ると、夏島貝塚を迂回しているのが分かります。

余談はさておき、JAMSTEC横須賀本部の一般公開に際しては、完全に無計画で行動しました。
唯一の予定は、9時30分の開場に間に合うように家を出ることだけでした。
一応、DLLしたマップとタイムスケジュールを持っていたのですが、生来のいい加減さで中身の確認はしていませんでした。
JAMSTEC一般公開・探検マップ1
JAMSTEC一般公開・探検マップ2

なので、勝手気ままに歩き回り、それぞれの場所で、色々な話を聴かせて頂きました。
また、不躾な質問も、してしまいました。(ゴメンナサイ)

特に記憶に残っているのは、①本館の会場(C)ですが、
それはもう一つの「風の谷の生活」に詳しく書いているので、ここでは割愛します。

それ以外では、海象に関連する展示でした。
でも、これも後々書いていくので、ここでは書かないことします。



これら以外にも、山ほど印象に残っているのですが、水中グライダーを書いておこうと思います。
因みに、技術的には、先程の海象の観測にも通じるのですが、後の楽しみに取っておきましょう。

水中グライダーの構想自体は古く、1970年代に発案されています。
記憶違いでなければ、アメリカで軍事目的で開発が始まったはずです。
水中グライダーの仕組みは、沈降・浮上する際の垂直方向の力を、水中翼を用いて水平方向の推進力に変換します。

水中グライダーの成否は、沈降・浮上の力となるグライダーの浮力のコントロールにあります。
JAMSTECは、ポンプとオイル&バルーンの組み合わせで、浮力を調整します。
水中グライダー
グライダーの中は、耐圧殻(実質的な浮体)と水が自由に出入りする部分で構成されています。
基本的には、グライダーの比重は海水と釣り合うようになっています。
グライダーの比重を少し重くすると沈降を始め、少し軽くすると浮上を始めます。

JAMSTECの水中グライダーの比重をコントロールするのは、オイルで満たされたバルーンです。
バルーンは、耐圧殻の外側にあり、耐圧殻の中からオイルの出し入れができます。
耐圧殻からバルーン内にオイルを押し出せば、バルーンの容積だけ浮体の容積が増えるので、浮力を得ることができます。逆に、バルーン内から耐圧殻内にオイルを引き込めば、浮力が減って沈降を始めます。
この方式の欠点は、オイルを出し入れするポンプに大きな水圧が掛かることです。
そのため、現状では3000メートルが潜航限度だそうです。
これでも、海中を観測しながら移動するには問題ないのかもしれません。


余談ですが、初期の水中グライダーでは、過酸化水素水(H2O2)を使う予定だったようです。
過酸化水素水は、比較的簡単に酸素を生じるので、浮力を得ることはできるでしょうが、再潜航は難しかったのではと思ってしまいます。

ちなみに、JAMSTECで話したときは、「ヒドラジン(N2H4)を使う方法が考えられていたらしい」と私は言ってしまいました。これも嘘とは言えず、アメリカの研究してした水中グライダーは、ヒドラジンを使ったとの話を聞いたことがあります。

JAMSTECの横須賀本部の一般公開では、何と言っても「かいめい」が看板でしょう。

かいめい外観


「かいめい」の話をする前に、JAMSTECの岸壁の様子を伝えたいと思います。

JAMSTECの岸壁は、なぜかコンテナが多いんです。
ほとんどは、20ftコンテナと呼ばれるもので、
貨物列車に乗っている事が多い12ftコンテナよりも少し大振りのコンテナです。

JAMSTEC岸壁
(「かいめい」のデッキから岸壁を見下ろす)

岸壁から少し離れた場所にも、コンテナが沢山ありました。
こんな感じです。

JAMSTECのコンテナ群


実は、このコンテナ群は、研究者の移動研究室の役割を持っているそうです。
実験装置や、観測装置の制御盤など、個々の研究者にとって研究の拠点となるものです。

よく見ると、「かいめい」にも既にコンテナが搭載されていました。

かいめいとコンテナ

そこで、JAMSTECの方に質問してみると、
最大で10個以上もコンテナを搭載できるのだとか。
「まるで貨物船みたいですね」と言うと、「貨物船には敵いません」と軽く返されました。

ブリッジデッキからCデッキ

これは、BRGデッキからCデッキを見下ろしたところです。
木製の甲板にいくつもハードポイントがあることが分かります。
このハードポイントに、コンテナを固定するのだそうです。
ただ、電源やLAN等の信号線をどのように取り込むのか、質問し忘れてしまいました。

この写真には、白山理事と思われる方が写っています。

この後、白山理事の説明を横で聞きながら、「かいめい」を堪能しました。

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