豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (風の谷の生活)

カテゴリ:地球温暖化 > 原子力発電

以前、話題にした温排水について、簡単にまとめてみました。
 
まず、計算の前提条件を列記しておきます。
 
1.熱効率は、発熱量から取り出せる電力の割合とする。
2.各発電方式毎の熱効率は、以下のように決める。
   原子力発電=30%、火力発電=40%、コンバインド発電=60%
3.ボイラーの熱効率は、85%とする。
4.ボイラーの排熱は、全て排気として大気に放出されるものとする。
5.ボイラーの排熱、及び発電力以外のエネルギは、温排水になるものとする。
6.コンバインド発電は、一段目をガスタービン、二段目を火力発電とする。
  一段目の排気は、全て二段目のボイラーに利用され、効率は85%とする。
 
この条件で、温排水として捨てられる熱をグラフにしてみました。
 
イメージ 1
 
一目でわかるように、原子力発電の温排水の量は、他の発電方式に比べ、圧倒的に多いことが分かります。
コンバインド発電に比べれば、二倍をはるかに超えます。
温排水だけを考えれば、原子力発電が最も環境負荷が高いことになります。
 
さて、火力発電(コンバインド発電を含む)の弱点の一つは、二酸化炭素排出量ですが、今回は、それを無視して話します。
 
前述のように、温排水の量は、原子力発電が極端に多いのですが、地球環境に排出される熱としては、少し状況が変わります。
まず、原子力発電では、温排水以外の排熱は、基本的にありません。
ですが、火力発電では、10~15%が排気ガスの形で大気中に熱を放出します。
また、発電した電力も、照明であれ、動力であれ、冷暖房であれ、大半は最終的に熱の形で環境に残ります。
これらを考えると、実質的には、熱に関しては、熱効率に比例して環境に負荷をかけていることになります。
 
それを踏まえても、原子力発電は、排熱に関しては最も環境負荷が高いことになりますが、差はいくらか減ってくることが分かると思います。
 
あとは、
二酸化炭素の問題、放射性廃棄物の問題、事故時の問題などを
総合的に考えて、どの発電方式を選ぶのか、
それぞれが考えるべきだと思います。
 
 

2年近く続いた原発ゼロ期間中、各地で原発周辺の海洋環境が劇的に改善したとの報道が相次いでいます。
 
「それまで浜辺に魚などの死体が打ち寄せられていたのが、川内原発が運転を止めてからピタリと止まりました。劇的な変化でした」とは、反原発団体の弁。
川内原発の稼働中、近くの浜辺には毎日のようにサメやエイ等の大型魚類、クジラやイルカ等の海生哺乳類、ウミガメ等の死体が海岸に漂着していたそうです。
ところが、2011年9月の運転停止以降は、それらが一切なくなったそうです。

※「毎日のように~漂着」は、ちょっと誇張されているように思います。
 クジラが漂着すれば、間違いなくニュースになります。
 ですが、川内原発運転中も、そのようなニュースを聞いた記憶はありません。
 温排水により、周辺の生態系が影響を受けることは事実です。
 それを、曇っていない目で監視することが大事です。
 「反原発」で濁り切った目では、真実は見えてきません。
 
 
海水1度の温度上昇は、気温では3~4度の上昇に相当すると言います。
温排水温度は、取水口の海水温度+7℃までと規制されています。
出力100万kWの場合、毎秒約70tの温排水が出ます。
火力発電所も温排水を出しますが、原発の熱効率は30%程度なのに対して、火力は40~60%なので、出力当たりの温排水の量は火力の方が少なくなります。
(火力の方が温排水温度が低いとの報道がありますが、間違いです)

更に言うと、火力発電所は排気の形で大気に熱を逃がしていますが、原子力発電所は大気に熱を逃がしません。
大気に逃がす熱の問題は、反原発派は無視しているのです。
火力発電所の排気は、酸欠であり、一酸化炭素や亜硫酸ガス等の毒性を持った成分も含まれています。
反原発は、これらも無視しています。
反原発派は、原発だけがで、それ以外はと考えています。
再生可能エネルギー発電所で使用される除草剤もであり、20年後には大量に放棄されるであろう再生可能エネルギー発電所もなのです。
原発との比較を拒み、原発だけを悪者にし、それ以外の問題は全てスルーするのは、如何なものかと思います。


このような偏った考えは、温排水の評価でも起こっています。
火力発電所の温排水対策としては、湾外の外洋までパイプを伸ばす方法があるとされています。
ですが、温排水の影響を、一般の目に留まらない場所に移動させるにすぎません。
一部の報道では、この仕組みを持って「火力の温排水は問題ない」としています。
でも、この手法は、単純に原発にも応用可能なので、明らかに、反原発を目的とした公平性を欠いた報道です。
このような出鱈目な報道が、安全神話を作り出し、新たな危険を産み出すのです。
 
原発は、現時点で必要な発電設備です。
だからこそ、安全性が担保されなければなりません。
安全には、正しい報道、公平・公正な報道が、絶対条件になるのです。
発信する側が感情論で報道することは、大本営発表と何ら変わることがないと、報道に携わる人達は知るべきなのです。
 

原発の設計思想は、「フェールセーフ」ではなく、「フォールトトレラント」だ!
と言う方が居られるようです。
 
「フェールセーフ」とは、
故障時にもシステム全体は安全側へ働く(危険にはならない)仕組みのことです。
「フォールトトレラント」とは、
故障してもシステム全体が停止しないようにする仕組みのことです。
 
この二つを反対の意味のように捕えているようですが、
フォールトトレラントは時として、フェールセーフの一部として機能します。
例えば、飛行中の航空機が、一つの故障で全エンジンが停止するようなら、
危険極まりないでしょう。
ですが、フォールトトレラント設計なら、エンジンは停止せず、
フェールセーフとして働きます。
 
 
原発の設計思想が「フェールセーフ」なのか、「フォールトトレラント」なのか、
私は証拠を持っていません。
ただ、緊急炉心冷却装置を初めとする安全設備の類の多くは、
間違いなく「フォールトトレラント」とは真逆に働く装置です。
その意味では、
原発の安全設備は、少なくとも「フォールトトレラント」設計ではなさそうです。
 
ただ、原発の安全設備で、気になる点もあります。
耐震設計において、
原子炉圧力容器より緊急炉心冷却装置の方が脆弱だと聞いたことがあります。
もし、それが事実であれば、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。
 
 

科学的な考察が必要な案件は、司法の場で判断する事は現時点では無理!
なのではないかと私は思っています。
 
 
古い話ですが、2015年4月に福井地裁が出した
『関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを命じる仮処分決定』
に対して、原子力規制委員会は
「事実誤認がいっぱいある。私共の取り組みが理解されていない」と反論しました。

2017年12月に広島高裁が出した
『四国電力伊方原発3号機の運転を差し止め』
については、既に当ブログでも、スピンオフのブログでも扱っています。

『原子力発電の賛否について 3』
リンク:http://imutakatumi.officialblog.jp/archives/22912557.html

『阿蘇山と伊方原発 1』~『阿蘇山と伊方原発 5』
リンク:https://blogs.yahoo.co.jp/imuta_k_atumi/16015410.html
    https://blogs.yahoo.co.jp/imuta_k_atumi/16015432.html
    https://blogs.yahoo.co.jp/imuta_k_atumi/16015494.html
    https://blogs.yahoo.co.jp/imuta_k_atumi/16015499.html
    https://blogs.yahoo.co.jp/imuta_k_atumi/16015518.html



ここからは、私が気付いた点を書きます。
 
福井地裁の判決では、宮城内陸地震で観測された4022ガルを例に、
原子力規制委員会が推定した973.5ガルを超える地震は来ないとの
確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能であるとしています。
 
原子力規制委員会が推定した973.5ガルの正当性は置いておくとして、
問題は、ガルに拘っていることです。
 
建築家の間では、ガルよりカインが地震被害に一致することが知られています。
また、地震動から受けるエネルギを算出する際、
カインは二乗すれば(単位質量当たり)エネルギになりますが、
ガルだけではエネルギを計算できません。
つまり、ガルは、地震から受けるエネルギとは直接の関係はないのです。
だから、ガルよりもカインの方が地震被害と一致するのです。
 
 例えば、宮城内陸地震と阪神淡路大震災を比較すると
宮城内陸地震の4022ガルに対し、阪神淡路大震災は818ガルです。
これをカインで比較すると、それぞれ50カイン以下と91カインとなります。
阪神大震災の方が被害は甚大だったのですから、この数値もうなづけます。
少なくとも、
ガルの単純比較は、地震の強さを科学的に比較することにはならないのです。
 
ところが、
判決は、ガルばかりを比較しています。
原子力規制委員会がカインでチェックしていないと指摘するなら理解できます。 
ですが、福井地裁の判事たちは、
973.5ガルを4022ガルと比較して満足しているよう見えてしまいます。
 
原子力規制委員会は原発のプロです。
それを、素人の判事が上から目線で判決を出すのですから、無理があります。
例えるなら、
プロ野球の審判に対して、野球のルールも知らない素人がケチをつけ、
退場を言い渡したようなものです。
 
 
もし、司法で裁きたいなら、
科学部門を専門とする判事や弁護士、検察官を常設するべきでしょう。
 
私は、原発再稼働派ですので、公平な目で見れているとは限りませんが、
司法の科学面の実力は、少々レベルが低すぎるように思えます。
 
結果、判決は裁判官の感情が表に出てきてしまっているように思えます。

原発廃止論者は、なぜ車には乗り続けるのでしょうか?
 
原発事故関連死を加えても、交通事故死者数には遠く及びません。
負傷者数に至っては、避難者数を軽く一桁超えています。
 
「交通事故と原発事故は違う」
そう言われるかもしれませんが、
原発事故で死ぬのも、交通事故で死ぬのも、被害者の立場なら全く同じです。
もし、あなたの家族が交通事故で亡くなった場合、
加害者に「交通事故だから仕方がない」と言えますか?
少なくとも、そんな気持ちにはなれないでしょう。
 
 
見方を変えましょう。
ドライバーが一年間に死傷事故を起こす確率は、約1%です。
これは、1%の確率で加害者になると言うことです。
原発事故に当てはめるなら、電力会社の立場になると言うことです。
 
原発反対派は、なぜ平気で車に乗れるのですか?
自分が交通事故を起こす危険性は無視するのですか?
滅茶苦茶に身勝手ではないですか?
 

自動車が生活に必要であるように、
原発は、地球温暖化の防止策の一つとして有用です。
停めるわけにはいかないのです。
だから
私たちは、事故の経験を次に活かしていくべきなのです。
 自動車が死亡事故を減らしてきたのと同じように・・・
 

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