豊葦原中津谷のニニギ

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カテゴリ:地球温暖化 > 原子力発電

原発の設計思想は、「フェールセーフ」ではなく、「フォールトトレラント」だ!
と言う方が居られるようです。
 
「フェールセーフ」とは、
故障時にもシステム全体は安全側へ働く(危険にはならない)仕組みのことです。
「フォールトトレラント」とは、
故障してもシステム全体が停止しないようにする仕組みのことです。
 
この二つを反対の意味のように捕えているようですが、
フォールトトレラントは時として、フェールセーフの一部として機能します。
例えば、飛行中の航空機が、一つの故障で全エンジンが停止するようなら、
危険極まりないでしょう。
ですが、フォールトトレラント設計なら、エンジンは停止せず、
フェールセーフとして働きます。
 
 
原発の設計思想が「フェールセーフ」なのか、「フォールトトレラント」なのか、
私は証拠を持っていません。
ただ、緊急炉心冷却装置を初めとする安全設備の類の多くは、
間違いなく「フォールトトレラント」とは真逆に働く装置です。
その意味では、
原発の安全設備は、少なくとも「フォールトトレラント」設計ではなさそうです。
 
ただ、原発の安全設備で、気になる点もあります。
耐震設計において、
原子炉圧力容器より緊急炉心冷却装置の方が脆弱だと聞いたことがあります。
もし、それが事実であれば、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。
 
 

科学的な考察が必要な案件は、司法の場で判断する事は現時点では無理!
なのではないかと私は思っています。
 
 
古い話ですが、2015年4月に福井地裁が出した
『関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを命じる仮処分決定』
に対して、原子力規制委員会は
「事実誤認がいっぱいある。私共の取り組みが理解されていない」と反論しました。

2017年12月に広島高裁が出した
『四国電力伊方原発3号機の運転を差し止め』
については、既に当ブログでも、スピンオフのブログでも扱っています。

『原子力発電の賛否について 3』
リンク:http://imutakatumi.officialblog.jp/archives/22912557.html

『阿蘇山と伊方原発 1』~『阿蘇山と伊方原発 5』
リンク:https://ameblo.jp/imutakatumi/entry-12469423430.html
    https://ameblo.jp/imutakatumi/entry-12469423439.html
    https://ameblo.jp/imutakatumi/entry-12469423446.html
    https://ameblo.jp/imutakatumi/entry-12469423452.html
    https://ameblo.jp/imutakatumi/entry-12469423462.html



ここからは、私が気付いた点を書きます。
 
福井地裁の判決では、宮城内陸地震で観測された4022ガルを例に、
原子力規制委員会が推定した973.5ガルを超える地震は来ないとの
確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能であるとしています。
 
原子力規制委員会が推定した973.5ガルの正当性は置いておくとして、
問題は、ガルに拘っていることです。
 
建築家の間では、ガルよりカインが地震被害に一致することが知られています。
また、地震動から受けるエネルギを算出する際、
カインは二乗すれば(単位質量当たり)エネルギになりますが、
ガルだけではエネルギを計算できません。
つまり、ガルは、地震から受けるエネルギとは直接の関係はないのです。
だから、ガルよりもカインの方が地震被害と一致するのです。
 
 例えば、宮城内陸地震と阪神淡路大震災を比較すると
宮城内陸地震の4022ガルに対し、阪神淡路大震災は818ガルです。
これをカインで比較すると、それぞれ50カイン以下と91カインとなります。
阪神大震災の方が被害は甚大だったのですから、この数値もうなづけます。
少なくとも、
ガルの単純比較は、地震の強さを科学的に比較することにはならないのです。
 
ところが、
判決は、ガルばかりを比較しています。
原子力規制委員会がカインでチェックしていないと指摘するなら理解できます。 
ですが、福井地裁の判事たちは、
973.5ガルを4022ガルと比較して満足しているよう見えてしまいます。
 
原子力規制委員会は原発のプロです。
それを、素人の判事が上から目線で判決を出すのですから、無理があります。
例えるなら、
プロ野球の審判に対して、野球のルールも知らない素人がケチをつけ、
退場を言い渡したようなものです。
 
 
もし、司法で裁きたいなら、
科学部門を専門とする判事や弁護士、検察官を常設するべきでしょう。
 
私は、原発再稼働派ですので、公平な目で見れているとは限りませんが、
司法の科学面の実力は、少々レベルが低すぎるように思えます。
 
結果、判決は裁判官の感情が表に出てきてしまっているように思えます。

原発廃止論者は、なぜ車には乗り続けるのでしょうか?
 
原発事故関連死を加えても、交通事故死者数には遠く及びません。
負傷者数に至っては、避難者数を軽く一桁超えています。
 
「交通事故と原発事故は違う」
そう言われるかもしれませんが、
原発事故で死ぬのも、交通事故で死ぬのも、被害者の立場なら全く同じです。
もし、あなたの家族が交通事故で亡くなった場合、
加害者に「交通事故だから仕方がない」と言えますか?
少なくとも、そんな気持ちにはなれないでしょう。
 
 
見方を変えましょう。
ドライバーが一年間に死傷事故を起こす確率は、約1%です。
これは、1%の確率で加害者になると言うことです。
原発事故に当てはめるなら、電力会社の立場になると言うことです。
 
原発反対派は、なぜ平気で車に乗れるのですか?
自分が交通事故を起こす危険性は無視するのですか?
滅茶苦茶に身勝手ではないですか?
 

自動車が生活に必要であるように、
原発は、地球温暖化の防止策の一つとして有用です。
停めるわけにはいかないのです。
だから
私たちは、事故の経験を次に活かしていくべきなのです。
 自動車が死亡事故を減らしてきたのと同じように・・・
 

自動車の安全性は、積極的安全性と消極的安全性に分けて考えられています。
積極的安全とは、事故を回避するための仕組みを指します。
消極的安全とは、事故発生時の災害を最小にする仕組みを指します。
 
自動車における積極的安全は、ABSや運転支援システムなど、事故を回避する
ための装置がこれにあたります。
消極的安全は、シートベルトやエアバッグ、衝突安全ボディなど、事故時に乗員や
歩行者の受傷を軽減するための装置がこれにあたります。
 
 
この考え方を原発に展開すると、積極的安全は機能していたと分かります。
緊急炉心装置は動作し、非常電源も機能していました。
それでも防ぎきれない津波が押し寄せ、事故に至ったわけです。
問題は、この事故の被害を最小にするための対策がなされていなかったことです。
シビア・アクシデントのコンピュータ・シミュレーションにより、どう対策すれば
事故の被害を最小限に抑えることができるのかを検討し、訓練に生かしておくべき
だったのではないでしょうか。
 
  
過去のBlogにも書いていますが、
今回の事故の経験が未来に生かされるようにしっかりと解析しておくべきです。
 
自動車も、事故件数は過去最悪級ですが、死者は4分の1に減っています。
消極的安全の対策が進んだ結果と思います。
(自動車分野の積極的安全対策が不十分とも言えますが・・・)
原発でも、消極的安全にも目を向け、対策に反映していってもらいたいものです。
 

原発再稼働派の私ですが、原発新規建設には必ずしも賛成していません。
と言うのも、核廃棄物の最終処分場は、このままでは原発敷地内になってしまいます。
新規に原発を建設する事は、新しい最終処分場を増やす事に繋がりかねないと考えているのです。
 
では、原発後のベース電源はどうするのか?
その答が、核融合発電です。
核融合発電も、遮蔽材の放射能化が問題ですが、廃棄物の量も程度も楽になります。
最終的には、完全にクリーンな核融合が可能になると考えられています。
その核融合の実用化に向けた新しい武器が、一つ見つかったようです。
 
自然科学研究機構・核融合科学研究所と九州大学応用力学研究所は、プラズマの磁気面が破壊された状態がプラズマの流れをせき止めてしまうブレーキ現象を、核融研の大型ヘリカル装置(LHD)による実験で観測し、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表しています。

プラズマの流れの構造を高精度で計測する手法と、磁気面の壊れを検証する解析法を使い、LHDで磁気面が破壊した時のプラズマの流れを同時計測したそうです。
磁場のねじれを弱くすると、プラズマの磁気面が破壊する現象が起きることは理論上で分かっていましたが、前述の計測では、予想を5倍以上も上回る流れのせき止めが起こり、流れがほとんど止まるブレーキ現象を突き止めました。
プラズマの温度が上がると乱れが生じ、周囲をかき混ぜて温度を下げてしまうのですが、乱れが発達して流れが発生すると、乱れによる渦をすりつぶす働きがあり、温度が高くなります。
 
ローソン条件が核融合のカギですが、プラズマの流れをコントロールできれば、ローソン条件を超えるための武器になるはずです。
 

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