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カテゴリ:科学的好奇心 > 地震予知研究の手引き

巷の地震予知の全てに共通する問題点の中でも、「評価・検証を行わない」問題は、
完璧に共通しています。
検証すれば、直ぐに地震を予知出来ていないことに気づくはずです。
いやいや、「村井氏は検証結果をネットで公開してるよ」とか、
「早川氏は検証基準まで決めて検証してるぞ」とか、言われるかもしれません。
ですが、科学的ではない基準で評価してみたり、単純な成功率を追い求めているだけで、
地震予知手法の評価に繋がっていないのです。


まず、成功率から見てみましょう。
成功率100%の地震予知は、実は誰にでもできるのです。
一年以内に、日本で、有感地震が発生する
この地震予知は、外れようがありません。
内容的にも、地震予知の三要素を満たしています。
でも、こんな馬鹿馬鹿しい地震予知は、誰も相手にしません。

ならば、これはどうでしょうか。
以半年以内に、関東地方の太平洋岸で、震度5弱以上の地震が発生する
地震予知っぽくなっていますね。
過去半年を振り返ると、この地震予知に相当する地震は、ちゃんと2回発生しています。
更に、東北地方にも、新潟から静岡にかけてのフォッサマグナ帯にも、南海トラフ一帯にも
地震が多い地域に漏れなく地震予知を出しておけば、100%に近い成功率になります。

成功率は、簡単に細工できます。
成功率が高いだけで地震予知ができていると思っている時点で、デタラメなのです。


具体的な例で、見てみましょう。
早川氏については、もう一つの「風の谷の生活」で検証済みなので割愛することにして、
村井氏について、評価・検証ができていないか、見てみましょう。

村井氏の地震予知は、震度5弱以上の地震を予知しています。
対象は、、震度5弱以上になる地域であって、震源を予測する事ではありません。
村井氏自身の検証結果を見ると、2014年と2015年に発生した18件の震度5弱以上
の全ての予測に成功したとしています。これをもって、予知成功率100%としています。
ですが、詳細に見ていくと、正しく評価されていないことが分かります。

まず、予知成功の判定が甘いのです。
「奥羽山脈周辺と日本海側」としていた地震予知では、岩手県沖で地震が発生したので、
予知成功としています。
理由は、奥羽山脈周辺(?)にある北見市で震度5弱を記録したからのようです。
「南関東(駿河湾、相模湾、東京湾に面する地域と伊豆諸島)」としていた地震予知では、
地震速報区域でみると19区域が対象になっていました。
この中で震度5弱は1区域のみで、他の18区域では震度1の区域さえありました。
この地震だけを見れば、成功率は5.3%ですが、単に予知成功として扱われています。
逆に、彼の地震予知から外れていたながら震度5弱を観測した地震速報区域もありました。
村井氏は、2014年と2015年に発生した震度5弱以上の地震を100%予知できたと
言いますが、2014年と2015年で震度5弱以上を観測した40区域の内、34区域の
予知に成功したと言うべきなのです。

もう一つは、予知の三要素が極端に甘いのです。
村井氏の場合、震度5弱以上の地震を対象にしています。
これは、予知対象としては低くないレベルです。
一方、全国の7~8割に地震予知を出し続けています。
期間も、熊本には23ヶ月も出し続けていましたし、東北の太平洋岸は出しっぱなしです。
これでは、地震予知とは言えませんね。


巷の地震予知は、成功率に拘りすぎ、成功率向上の細工を繰り返しているのです。
  地震予知がどうあるべきかを忘れてしまっているのです。

というわけで、次回からいよいよ地震予知研究の手引きに繋がる内容に入ります!


-地震予知研究の手引き(地震予知の目標地点)-

前回は、「地震予知はどうあるべきかを忘れてしまっている」と結びました。

地震は、必ず起きます。
だから、デタラメに地震予知をしても、見た目には予知に成功したかのように見える場合も
あります。
でも、そんなレベルの地震予知では、実際の防災・減災には役に立ちません。
例えば、村井氏は次のように言っています。
我々が発行するメルマガでは、首都圏を含む南関東を
   史上初の最高位『レベル5』に引き上げ、特別警戒を呼び掛けています

これを踏まえてどんな防災・減災対策が取れるでしょうか?

 列車を止められるでしょうか?
 道路を閉鎖できるでしょうか?
 學校を休校にできるでしょうか?
 危険地帯は避難できるでしょうか?

どれも、できませんよね。
なぜか?
最大の問題は、期間です。いつまで警戒レベルが続くか、明確ではないのです。
仮に、列車を止めても、再開できる時期が分からないのです。
このデタラメ地震予知の信奉者の言い訳は、次のようなものです。
「地震対策の一環としてあくまで参考に見てる」
でも、個人で地震対策するなら、常に行っておくべきです。
地震予知が出てないから、今は地震対策をしなくてもいい」なんて考えてはいけません。



こう考えてくると、地震予知のあるべき姿が見えてくるのではないでしょうか。
地震予知の三要素は、かくあるべきなのでしょうか。

まず、規模はどうあるべきでしょうか。
被害が起きそうもない小さな地震は無視してよいでしょう。
具体的には、マグニチュード6以上を対象にすれば良いでしょう。
震度は、マグニチュード・震源からの距離・地盤の状態に影響されるので、地震予知の
範疇からはみ出てしまいます。予知の基準にはすべきではないと思います。

時期はどうあるべきでしょうか。
避難を前提に考えれば、避難を継続できるのは、備蓄を考えれば1週間が限度でしょう。
ならば、時期の幅は1週間以内であるべきでしょう。

場所はどうでしょうか。
地震の規模が大きいと被害が及ぶ地域も広くなるので、単純に決める事は難しいでしょう。
この項目は、宿題として残しておく事にします。


取り敢えずは、規模と時期について考えていくことにしましょう。
ちなみに、私の考えが正しいなら、場所の予知は解決できるはずです。


-地震予知研究の手引き(地震の規模)-

巷の地震予知の問題は、科学的ではない手法を用いていながら、
地震予知の三要素を緩めることで成功率を高め、その数値に満足していることです。
スタート地点の誤りに気付こうとせず、非科学的な地震予知を押し通しているだけです。
だから、地震の規模についてもいい加減です。

と言うわけで、地震の規模について、私見を説明していこうと思います。


1.地震の規模は、発生しないと決まらない

巷の地震予知では、当たり前のように地震の規模を予想しますが、実は、宏観現象では
地震の規模は予測できないのです。

地震は、地殻に蓄えられた歪が限界を超えたために、歪が一気に解放される現象です。
場所によって地殻に蓄えられる歪の量は大差ないはずです。
地殻に蓄えられる歪の量が10倍違うとしても、マグニチュードで0.7の差にもなりません。
ですので、地震の規模を決める要素は、地殻に蓄えられる歪の量ではないと分かります。
では、地震の規模を決めるのは何でしょうか。
それは、震源域の広さです。


2.地震の規模は、震源域の大きさで決まる

地殻に蓄えられる歪の量が大差ないなら、大きな歪を蓄えるためには大きな容積に蓄える
しかありません。
実際、地震の規模に比例して、震源域の容積は広くなします。
マグニチュード9.0の東日本大震災では、震源域の長さは450kmでした。
マグニチュード6.9の阪神大震災では、震源域の長さは42kmでした。
両者のエネルギの差は約1400倍ですので、長さの3乗と近い値になる事が分かります。
このことからも、震源域の大きさが地震の規模を決める事が分かるでしょう。


3.宏観現象では、地震の規模は分からない

宏観現象は、地震の前に発生する一時的な現象です。
ですので、継続している状態を示しているはずがありません。
一方で、地震のエネルギー源の歪は、数十年から数千年もかけて蓄積するものです。
ということは、地震の前に突発的に発生する宏観現象は、地殻に溜まった歪の量を示して
いないと分かります。


少し内容が濃くなってきたので、記事をまとめるのに時間が掛かるようになってきました。
次回も、この続きになります。


-地震予知研究の手引き(地震の規模と場所の関係)-

地震予知の三要素で、「場所」については目標値を設定していませんでした。
勘の良い方は、既に答に気付かれているのではないでしょうか。

地震のエネルギーは、地殻に蓄えられた歪です。
また、地殻に蓄えることができる歪の量の限度は、地震の規模にはほとんど影響しない事も
説明済みです。
地震の規模は、震源域の大きさに比例します。
ならば、地震の規模を予知するためには、現時点で地殻に溜まっている歪を計測すれば良い
のです。

では、どれくらいのメッシュで、地殻の歪の状態を調べれば良いのでしょうか。
地震予知研究の手引き(地震予知の目標地点)」で書いたように、マグニチュード6以上を
予知の対象とする予定です。
この大きさの震源域の長径は15km弱、短径はその半分程度になります。
こう考えると、メッシュは5km程度にする必要がありそうです。

ついでに、マグニチュード毎の震源域の長径の概算を列記しておきます。
  マグニチュード6.0   14km
  マグニチュード7.0   45km
  マグニチュード8.0  140km
  マグニチュード9.0  450km


ここまで書けば分かると思いますが、地震の規模を予測するために細かなメッシュで地殻に
蓄えられた歪を測定すれば、結果的に地震が発生する場所も同時に分かってしまうのです。
地震の規模を予測できるなら、地震の発生場所はピンポイントで分かるのです。



ところで、巷の地震予知がデタラメだと言うことが、分かりますね。
巷の地震予知では、地震の発生場所の予測が異常に広いですから、地震の規模が
分かるはずがないのです。


-地震予知研究の手引き(地震の発生時期)-

地震の規模と場所は、どこにどれくらいの歪が溜まっているかを調べれば分かりそうです。
では、地震が発生する時期は、どうなんでしょうか。

地震発生の時期の予測を考える前に、前兆現象の規模を考えておきましょう。


前回までの内容から、地震の規模は、震源域の大きさによって決まる事が理解できていると
思います。
このことから、地震のタネは非常に小さなもので、それがどこまで拡大するかは、地震の
タネができた場所の周辺の歪みの状態で決まると考えられます。
地震のタネができた場所が偶々広く歪みが溜まっている領域だったなら、大きな地震になる
のです。
となると、地震の前兆は、この地震のタネよりも小さなエネルギしかないことになります。
では、地震のタネの大きさはどれくらいでしょうか?

気象庁のデータベースを見てみると、観測史上最小の有感地震はマグニチュード0.2です。
地震のタネは、この地震と同等以下の規模だとわかります。
マグニチュード0.2は、約13万ジュールのエネルギに相当します。
これは、時速40キロで走行中の小型乗用車の運動エネルギに相当します。
地下10キロでマグニチュード0.2の地震に相当するエネルギが放出されるとすると、
10キロ離れた場所で、時速40キロの乗用車が崖に激突するのと同等だということです。
もちろん、精密な計測装置を用いれば、これを捉えることは難しくないでしょう。
ですが、この程度のエネルギで、電離層の擾乱や電子基準点の隆起・沈降を起こせるとは、
到底、思えません。


地震の発生時期を前兆現象から捉えようと考えるなら、非常に小さな現象を観測する必要が
あることが分かったと思います。
少なくとも、コロンブスの卵的な前兆現象は、あり得そうにないですね。


-地震予知研究の手引き(地震の始まり1)-

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