豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:自給自足型農業 > 作付品種

目次

作付品種
 「豊葦原中津谷」で栽培する米
 タマネギの新品種
 冬のホウレンソウ
 キヌア


遺伝子組み換え
 遺伝子組み換え作物 1
 遺伝子組み換え作物 2
 遺伝子組み換え作物 3
 遺伝子組み換え作物 4
 遺伝子組み換え作物 5
 遺伝子組み換え作物 6
 遺伝子組み換え作物 7
 遺伝子組み換え作物 8

 遺伝子組み換え作物の一般人の認識レベル


その他
 栽培種
 小麦のゲノム解析完了


まずは、このテーマで何回か書くことになるでしょう。
 
遺伝子組換え作物と言うと、多くの方が「危険」と思うのではないでしょうか。
危険」の根拠は、「遺伝子組換えを行っているから」というところでしょう。
では、「遺伝子組換えは、なぜ危険なのか」と問われると、誰も答えられません。
ただ、漫然と「遺伝子組換え = 危険」と考えているだけではないでしょうか。
 
かく言う私も、似たようなレベルです。
 
ですが、遺伝子組換え作物は、食糧自給率向上には欠く事のできないものです。
「豊葦原中津谷」でも、導入を考えざるを得ない時期が来るでしょう。
ならば、一歩ずつでも遺伝子組換え作物の真実に近付く努力をするべきでしょう。
 
 
例によって、シリーズで書いて行こうと考えています。
 

遺伝子組み換え作物のメリットは、基本的に生産者側にあります。
それを持って、消費者側にはデメリットだけであるかのように報じられています。
ただ、科学的とは言える議論は伝わってきていないように感じます。
 
私は、自給自足を目指しているので、生産者であり、同時に、消費者でもあります。
つまり、どこにメリットがあっても、どこにデメリットがあっても、自分に返ってくる立場です。
 
さて、本題です。
遺伝子組み換え作物のメリットは何でしょうか。
 
一つ目に、害虫被害が少ないことです。
二つ目に、除草剤耐性を持たせられることです。
三つ目は、任意の栄養価を高める事ができることです。
 
これらの機能の組み合わせにより、二次的なメリットがあります。
害虫駆除や除草の手間が減るので、生産コストが下がります。
病害虫被害が減るので、生産量が増えます。
使用する農薬が減るので、安全性が向上します。
 
 
ここまでみると、良いことづくめです。
でも、本当にそうなんでしょうか。
もう少し踏み込んでみたいと思います。
 

遺伝子組換え作物のメリットは見てきました。
今日は、デメリットを見てみたいと思います。
 
1.健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
2.自然環境を破壊する。
3.有機農業、従来型農業と共存できない。
4.民主主義と共存できない。
5.世界を養えない。持続的ではない。
 
あるHPから書き出したのですが、正直なところ、首をひねるところがあります。
 
 
1.健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
 
原文では、「健康に悪影響を与える可能性が高い」と書かれていました。
その根拠として、遺伝子組換え作物の出現と同時期に、癌・白血病・アレルギー・自閉症等の慢性疾患が急増しているとしています。
また、甲状腺癌と遺伝子組み換え食品のグラフを比較しています。
 
ただ、これは、科学的とは言えません。
というのは、甲状腺癌の増加は、1980年頃から始まっており、1995年頃からの遺伝子組み換え食品とは一致しません。
また、1995年頃からなら、携帯電話の普及が本格化するのも同じ頃ですから、携帯電話の影響とも言えるのです。
(携帯電話と甲状腺癌に関係があるとは思えませんが・・・)
複数の病気と、複数の遺伝子組み合え食品を同時に組み合わせて関係があると言うのは、無理がありますし、科学的な分析を難しくしています。
 
この主張は、遺伝子の仕組みを知らずに、無理矢理、病気と結びつけているようです。
 
 
では、遺伝子組み合え食品による健康被害は無いと断言できるのでしょうか?
遺伝子の構造は、まだ未知なる部分が多く、複数の機能に関わっている場合もあるようです。
分かっている範囲では、人体への直接的な影響はないだけでしょう。
私の理解では、遺伝子組み換え食品は、人体への影響は無いと断言できないものの、危険性は低いだろうということです。
 
 
※メリットに比べ、デメリットは素人考えが蔓延っているので、解析と説明には時間が
 掛かってしまいますね。
 仕方がないので、複数に分割します。
 

昨日からデメリットを見ていますが、
今日は「2.自然環境を破壊する」を見てみたいと思います。
 
1.健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
2.自然環境を破壊する。
3.有機農業、従来型農業と共存できない。
4.民主主義と共存できない。
5.世界を養えない。持続的ではない。
 

2.自然環境を破壊する。

一つ目は、農薬使用量の増加です。
遺伝子組み換え作物の目的の一つが、除草剤耐性を持たせることです。
除草剤耐性とは、除草剤でも枯れない能力です。
この能力の目的は、除草剤をまくことで、除草の手間を省くことにあります。
以前は使用しなかった、若しくはほとんど使用していなかった農薬が、大量に使用されるようになるのです。
この点では、間違いなく環境に影響を与えます。
ただ、遺伝子組み換えによって害虫を寄せ付けない機能も持たせることができるので、トータルで 農薬の使用量が増えるのか、詳細に見る必要があるでしょう。
 
 
二つ目は、遺伝子汚染です。
遺伝子組換え作物が、他の同種の作物と交配し、遺伝子を汚染することです。
このような事例はあり得るでしょう。
ただ、単純に遺伝子汚染と言うなら、遺伝子組換え作物だけが遺伝子汚染を起こすわけではありません。
近縁種の作物を隣接した耕作地で栽培すれば、遺伝子汚染は起こる場合があります。
遺伝子組み換え作物の遺伝子を一切取り込みたくないだけで、遺伝子汚染とは別の問題でしょう。
 
三つ目は、化石燃料の使用量が増えます。
と、元ネタのHPでは言っていますが、論理が滅茶苦茶です。
遺伝子組換え作物は、バイオ燃料の要請で採用されたが、遺伝子組換え作物は大量の肥料と農薬の使用が前提なので、これらの生産に化石燃料を大量に使用すると言うのです。
ですが、遺伝子組換え作物は収量が多いので、収量当たりの肥料や農薬の使用量はどうなんでしょう。
また、バイオ燃料のカーボンニュートラル効果も加味しないと、真実は見えてきません。
この論点は、ほとんど無意味でしょう。
 
 
私は、遺伝子組み換えの目的の中で、除草剤耐性は不要ではないかと思います。
この機能があれば、除草剤を使用でき、農作業の手間を省けます。
ですが、土壌汚染を考えると、除草剤を使用しない方が望ましいでしょう。
将来、除草剤耐性の品種が入手できなくなれば、除草剤の残留を考えると、農耕そのものを断念しなければなりません。
また、「豊葦原中津谷」では、連作障害を避けるために輪作する予定ですから、全ての作物を除草剤耐性品種にする必要がありますが、それは無理でしょう。
 
このように考えてくると、遺伝子組み換え作物の内、少なくとも「豊葦原中津谷」においては除草剤耐性は必要性を感じません。
 

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