オーストラリアの西部沿岸で、ザトウクジラの座礁が急増しているそうです。
 
西部沿岸で座礁したザトウクジラは、1989~2007年は2~3頭/年ていどでしたが、2008年は13頭、2009年は46頭、2010年は16頭、2011年は17頭でした。
 
 
オーストラリア・マードック大学のカーリー・ホリオーク氏が、子供や若い個体の遺骸を調べた結果、栄養失調だったことがわかったそうです。
ある個体は、肺炎も発症していたと言うのです。
 
 
ザトウクジラは、ヒゲクジラの仲間の中では対象となる餌の幅が広い種類です。
他のヒゲクジラが専らオキアミを食べるのに対し、ザトウクジラは ニシンや鯖等も食べます。
ただ、南極海周辺に棲むザトウクジラは、ほぼオキアミだけを食べるそうです。
そのオキアミが不足しているらしいのです。
 
 
オキアミ不足の原因の一つは、オキアミの商業漁業が増加したことが考えられます。
オキアミの漁獲量については、1970年代の終わり頃から増え始め、1990年代の後半には減少しています。
座礁しているのが若い個体が多いことに加え、オキアミ漁の漁獲量変化を見ると、オキアミ漁が影響しているとは考えにくいところです。
 
 
地球温暖化の影響は、極地で大きくなりやすいと考えられています。
オキアミの資源量も、温暖化の影響を受けて大きく変動する危険性をはらんでいます。
ですが、商業捕鯨の再開を目指す日本でさえも、オキアミの資源量の推移を充分には追跡できていません。
もし、オキアミが地球温暖化の影響で減少しているなら、ザトウクジラの次に飢えるのは、人類なのかもしれませんね。