豊葦原中津谷のニニギ

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カテゴリ:地球温暖化 > 再生可能エネルギ

1974年から行われたサンシャイン計画の一環として、香川県で太陽熱発電の実証実験が行われました。
私の記憶には、目的の性能が得られずに終わったような・・・
 
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さて、集光式の太陽熱発電ですが、熱効率は20~35%程度だそうです。
水を400℃まで加熱するので、原子力発電所のタービン入口温度と大差ありません。
従って、最高熱効率も、原子力発電所の熱効率とほぼ同じ35%です。
 
これに対し、太陽光発電の効率は、25%程度です。
効率の高さは、太陽熱発電のメリットの一つです。
ただ、将来的には、太陽光発電の方が可能性が高いように思っています。
既に、実験室レベルでは、35%に達していると聞きます。
これに対し、太陽熱発電は、カルノー効率から考えて大幅な改善はないでしょう。
 
太陽光発電が、効率の面で太陽熱発電を逆転する時期は、想像するしかありません。
ですので、どちらかを優先するのではなく、効率以外のメリット/デメリットを勘案しながら、並行して進めていくのが良いと思います。
 

ダックカーブ現象が、北米カリフォルニア州で問題になり始めています。
 
「ダックカーブ現象」と言う単語自体は、最近知りましたが、
この現象自体は、このblogでも触れています。
 
本blogで扱った際の条件に比べると、
現実に問題になっているダックカーブ現象は、もっと深刻なカーブを描きます。
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日経テクノロジーより転載
 

ダックカーブ現象は、再生可能エネルギの多くが太陽光発電のために起きます。
つまり、日中に大量に発電するのに、日没後は発電が止まるため、
従来型の発電機の発電量を急激に立ち上げる必要があるのです。
 
ダックカーブ現象の最大の問題は、日没前後の急激な立ち上がりです。
原子力発電所はもちろん、大型火力も出力の調整は苦手です。
以前も、一日の需要の変化は、およそ2倍もありましたが、
需要の変化が穏やかなため、小型火力の稼働と、水力発電所・揚水発電所で、
不足することなく発電を続けることができました。
しかし、
ダックカーブ現象は急激かつ大幅な変化なので、
従来の方法では対応できないのです。
 
世間では、充電池が救世主のように言われています。
ですが、充電池が本当に救世主足り得るかは、不透明です。
条件が異なりますが、これも本blogで1年前に扱っています。
 
もう一つの問題は、
不足電力の多くを従来型の発電で補わなければならないことです。
ここでの視点は、再生可能エネルギを優先するために、
不足分を補えるだけの従来型発電所を、日中は停止しなければならないことです。
これは、
「無駄に発電設備を遊ばせろ!」と言っていることになります。
 
この視点でも、考えておく必要があるのです。
 

放射性物質の地層処分について、数万年も保管し続けなければならないことが問題になっています。
 
一方、CCSの技術開発は、好意的に捉えられているように感じています。
でも、ふと思ったのですが、
CCSってCO₂をいつまで保管するつもりで建設しているのでしょうか。
 
放射性物質は半減期があるので、徐々に放射線量は減っていきます。
ですが、CO₂は安定な物質なので、いつまで経っても変化しません。
処理を前提としないなら、永久に保管しつづけなければなりません。
でも、まず大量に保管しようとしていることから、処理は考えていないのでしょう。
 
こうみてくると、CCSは、かなり安易な発想ですね。



※CCSとは、 二酸化炭素の回収・貯蔵(Carbon dioxide Capture and Storage)のことで、
 二酸化炭素を回収し、地層等に貯留する手法の総称です。

 

宇宙に巨大な太陽電池パネルを浮かべ、発電した電力を地上に送るアイデアは、
以前からありました。
 
宇宙太陽光発電では、発電した電力をマイクロ波などに変換して地上に送ります。
送電に用いるマイクロ波は、人体や環境に悪影響を及ぼす恐れがあるため、
正確に地上の受信アンテナに送信する必要があります。
三菱電機の屋外試験場で実施された実験では、
送電アンテナから発射するマイクロ波の角度を少しずつ変えて向きを細かく調整し、
約55メートル離れた受電アンテナへ正確に送ることに成功しています。
 
 
私が仕入れたある新聞社の記事には書かれていませんでしたが、
マイクロ波のビーム径の問題があります。
電波は、波長と送信アンテナの大きさで、ビームの広がりは決まってしまいます。
マイクロ波の波長は、100μm~1mです。
宇宙発電所は、静止軌道に設置することになるので、
マイクロ波による送電距離は、36000kmにもなります。
仮に送電側のアンテナの直径が100mの場合、
地上に届いた時のビーム径は、以下のようになります。
 
   波長   ビーム径
   1m  360km
100μm   36m
 
これで分かるように、送電側のアンテナ直径が100mもあっても、
波長が1mならば、地上に届くマイクロ波は360kmまで広がってしまいます。
使用する波長をどうするか、
既に利用されている波長との整合をとって行く必要があります。
 
技術的な問題に加え、政治的な問題もありますが、
なんとか解決してほしいものです。
 

日本で建設が進む木質バイオマス発電所の多くが、発電量が5000kw級以上です。
このクラスの発電施設は、約10万m³/年の木材が必要になります。
 
年間10万m³の木材は、福井県の年間木材生産量くらいです。
奈良県で15万m³、佐賀県で12万m³、埼玉県で8万m³です。
5000kW級の木質バイオマス発電所を1基運転するには、各県の木材生産の全てを使用しなければならないくらいです。
木材生産には、製材や合板、製紙用チップなどを含んでいるので、木質チップの調達は非常に難しいと分かります。
また、半径50キロ圏内でなければ、輸送費がかさんで採算が合わなくなります。
 
木質バイオマス発電所は、規模を縮小した上で、地域暖房や温水プール、温室栽培、病院や福祉施設などへの排熱の供給を検討していく必要があります。
 
「再生可能エネルギー」という言葉に踊らされていると、将来に新たな負債を残すことになりかねないことを、行政も住民も理解しなければならないと思います。

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