新・風の谷の生活

食糧自給率の向上を目指して!

カテゴリ:食糧自給率 > 食糧自給率(政策)

2014年のことですが、国際司法裁判所は「日本の調査捕鯨は科学的ではない」として、
南氷洋での調査捕鯨に中止命令を出しました。
「科学的ではない」との判決は、私は反論の言葉がありません。


以前から、調査捕鯨を隠れ蓑にした商業捕鯨を、私は問題視していました。
 
年毎に調査頭数が大きく変化し、多い年には1200頭を超えます。
調査頭数が変化するのは、獲れるだけ獲っている証拠。
捕鯨数について、日本政府は「サンプル数が必要だから」と弁解していますが、
実際には、調査を無視し、捕鯨を続けることだけを目的にしていたのです。
 
これだけの頭数を捕えているのですから、
本気で調査していたなら、日本の鯨に対する知識は世界一だったでしょう。
しかし、日本は捕鯨技術の継承と商業捕鯨再開にしか興味がなかったので、
未だに、クジラの寿命さえもはっきりさせる事ができていないのです。
反捕鯨国よりもクジラの生態を知らないと言っても良いくらいです。


今回の件は、二つの教訓を残してくれました。
 
一つは、調査と銘打つ以上、科学的に研究していくことが重要だということです。
もう一つは、隠れ蓑を使っていると、犯罪者に正義を与えてしまうということです。
今回の件では、グリーンピースに正当性を与えてしまったと言っていいでしょう。
船をぶつけ、薬品を投げつけた彼らの暴力が正義だった事になってしまいました。
それが、私は悔しいのです。
 
 
私たちは、命を食べます。
時には動物。時には植物。
他の命を食べることで、自らの命を繋いでいるのです。
命以外の物を食べることはできません。
心掛けるべきことは、食べる以上に命を奪わないようにすることです。
 
欧米の捕鯨は、鯨油を採るためでしたが、日本人は食べるための捕鯨です。
食べるための捕鯨を、「かわいいから」の一言で禁止されるのは納得できません。
今回の判決を肝に命じ、徹底したクジラ研究の先に商業捕鯨の復活を目指してほしいものです。

水耕栽培の畑の地面をコンクリートで固めても農地として認めましょう」と、
規制緩和が大好きな民主党政権時代に話題になったことがあります。
 
現在の税制では、表土が見えない状態では農地とは認められないそうです。
農地と認められなければ、固定資産税の税率が変わり、農業をできなくなるのです。
 
水耕栽培の栽培装置を設置は、下がコンクリートの方が都合が良いのはわかります。
ですが、コンクリートで固めてしまえば、元に戻すことは不可能に近くなります。
つまり、水耕栽培しかできない農地となるのです。
 
イメージ 1

下がコンクリートでも農地と認める考えは疑問を感じますが、食糧自給率を上げるには、
固定資産税を見直すアイデアもあります。
例えば、ビルや工場等の建造物内で水耕栽培をした場合、食用の農産物の生産量に応じて
建物の固定資産税を最大で50%程度減税するのはどうでしょうか。
 
ただ、このアイデアには大きな問題があります。
固定資産税は、地方税です。
減税をすれば、地方自治体の収入が減るので、自治体からの反発は必至です。
この部分の問題は、次の機会に書きたいと思います。
 

貿易立国である日本は、輸出が伸びなければ経済は落ち込んでしまいます。
肝心な輸出は、為替レートの影響を受けます。
円安になると輸出が伸びますが、逆に輸入する食品も値上がりし、生活を圧迫します。
 
そこで、為替レートの変化で生活水準(エンゲル係数)がどう変化するのか、計算して
みました。
 
 
前提条件として、以下を定義しました。
・為替レートが変化しても、国産農産品の価格は変化しない。
・食糧自給率に含まれる外国産飼料等の影響は無視する。
・輸出の伸びは、横軸を為替レート(円/ドル)、縦軸を世界の生産量に占める日本製の
 割合とするS字カーブ(対数正規累積分布)に従うものとする。
・輸出の伸び分は、収入増と考える。
 
初期状態を、以下としました。
・エンゲル係数=23%
・生産額ベース食糧自給率=68%
・GDPに占める輸出産業の比率=8%
・世界の生産量に占める日本製の割合=10%
 
この条件で、為替レートが10%円安に変化した場合、輸出は18%も増加します。
しかし、日本全体の収入の伸びは、1%強に留まります。
一方で、輸入食材は10%価格上昇するので、エンゲル係数は23.4%に上昇します。
 
ただ、GDPに占める輸出産業の比率は8%でも、実際の経済効果は2倍を超える筈です。
そこで、GDPに占める輸出産業の比率を、大きめの24%として計算してみました。
この場合は、エンゲル係数は22.8%となり、生活水準はやや向上します。
 
仮に、生産額ベースの食糧自給率を90%とすると、GDPに占める輸出産業の比率を
8%として計算しても、エンゲル係数は22.9%になります。
 
つまり、生産額ベースの食糧自給率が、生活水準(エンゲル係数)に影響を与えるという
ことです。

食糧自給率が低下すると生活水準も低下すると言うと、信じてもらえますか。
 
異論も多いと思いますが、生活水準はエンゲル係数で測定することにします。
先進国のエンゲル係数と食糧自給率を、エンゲル係数が高い順に並べると、下表のように
なります。
 

 エンゲル係数食糧自給率
日本22.9%
39% 
イタリア22.7% 59% 
フランス18.8% 121% 
英国18.1% 65% 
ドイツ16.0% 93% 
米国13.6% 130% 
※2013年データ

 
一目でわかるように、食糧自給率が低い国ほど、エンゲル係数が高い傾向にあります。
相関係数も、-0.8となっていて、負の相関があることがわかります。
 
カロリーベースの食糧自給率より、生産額ベースの食糧自給率が大事と主張される方も
います。
確かに、生産農家には生産額が重要です。
でも、生産額ベースの食糧自給率が、日本国にとって意味を持つとは思えません。
 

農林水産省の❝『知』の集積と活用の場の構築に向けた検討会❞は、
強い農水産業を作るために新たな産学連携の仕組みが必要との見解を示しました。
これまでは、公的研究機関主体で、異分野との連携が一部に留まっていた現状を
改善することを目指しています。
 
 
まず、「人のオープン化」です。
「人のオープン化」とは、農林水産・食品分野の関係者に加え、
異分野も含めた産学官の研究者と研究機関、金融、消費者、非営利団体等の
多様な人材が活躍できる環境です。
 
次が、「情報のオープン化」です。
これまで農林水産・食品分野と異分野にそれぞれ蓄積された成果情報を共有し、
多様なステークホルダーが活発な情報交流を行える環境を作ります。
 
更に、「資金のオープン化」です。
これまでは公的資金に限定されていましたが、
民間資金などの資金を柔軟かつ戦略的に活用して研究開発を実施しています。
 
 
これらを具体的に機能させるため、研究開発プラットフォームを形成します。
まず、生産者、民間企業、大学、研究機関、非営利団体、金融機関、自治体などで
「産学連携協議会」を構成し、支援していきます。
研究開発プラットホーム内では、
個別課題に対応した研究開発を担う「研究コンソーシアム」を組織します。
 
 
参考とするのは、オランダです。
オランダは、九州地方とほぼ同じ41526km²の国土面積ですが、
農林水産物・食品の輸出額が773億ドルと世界第2位の額です。
オランダは、ワーヘニンゲン大学が中心となり、
世界規模の食品企業など民間企業約1500社とフードバレーを形成し、
農業・食品分野の世界的な研究開発拠点を構築しています。
 
 
オランダの人口は、九州(約1300万人)よりやや多い約1650万人ですが、
国土の大半が平地で農業に利用可能です。実際、国土の44%が農地です。
日本全体との比較では、人口は日本の8分の1ですが、農地は日本の4割です。
一人当たりでみると、日本の約3倍の11.2a/人の農地面積です。
それでも、カロリーベースの食料自給率は、70% ±10%程度です。
 
オランダを真似るということは、食料自給率を捨て、商業主義の農業へ舵を切る
ということになります。
もちろん、産学連携は必要であり、ぜひ実施すべきですが、
カロリーベースの食料自給率がなぜ重要なのかを忘れてほしくないところです。
というのも、
オランダは、必要ならいつでもカロリーベースの食料自給率を向上させられるポテンシャルを持っているのに対し、日本は、公開されている食料自給率よりも実態が低いのです。
 
オランダを参考にするのは良いことですが、考えながら取り入れていくことが大切だと
思っています。
 

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