豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:地球温暖化 > 異常気象など

フェーン現象は、ほとんどの方が御存知でしょう。
簡単な理解では、「南寄りの風が山を越えた際に高温になる現象」ですね。
もう一歩、踏み込むと、「湿った大気が山を越える際に降雨で水分を失うため、山を吹き下す際に水分の潜熱の分だけ高温になる」との理解で良いと思います。

ところが、これに反する研究が発表されました。


最新の研究では、これまでの熱力学的なフェーン現象より、単に力学的なフェーン現象の方が多いことがわかったそうです。
北陸地方で発生した198件のフェーン現象の内、161件(81%)が力学的なフェーン現象だったそうです。

熱力学的なフェーン現象は、前述のように山を越える際に水分を失うことで発生します。
これに対し、力学的なフェーン現象は、元々上空にあった大気が、山の風下側で下層に吹き下ろす際の断熱圧縮で高温になる現象です。

確かに、フェーン現象が起きた時、山の風上側で降雨があるのは多くありません。
降雨が無ければ、水分は大気中に残るので、山の風下側でも、風上側と同等の気温にしかなりません。つまり、フェーン現象にはなりません。


この研究が、今後の天気予報に活かされることを願っています。


琵琶湖の北部の湖底で、無酸素状態になっています。
直接の原因は、琵琶湖の全層循環が2年間に渡って起こらなかったことによるものと考えられています。
2019年に全層循環が起きなかったことは、当ブログでも取り上げています。
今年(2020年)も、全層循環が起きていません。

琵琶湖の全層循環は、冬季の寒気で湖面が冷やされて起きると考えられています。
また、長浜市南浜付近で琵琶湖に流入する姉川も、雪解け水を流し込むことで、全層循環を補助しているかもしれません。
これらが、暖冬によって機能しなかったのです。

全層循環が起きないと、琵琶湖の湖底付近に酸素がもたらされなくなります。
湖底には、光はほとんど届きません。そのため、光合成はできず、酸素は供給されません。全層循環は、表層で光合成によって作られた酸素を湖底に運ぶ役割を担っています。
全層循環が起きないと湖底が低酸素になるのは、このような理由によるものです。

湖底付近の酸素量が低下したため、底生の生物に影響が出始めています。スジエビやイサザの死骸も見つかっているそうです。
今冬も全層循環が起きなかったなら、更に深刻な状況になります。
湖底の酸素が少ないために、リンや窒素が出やすくなり、湖水の富栄養化でアオコの発生リスクが高まります。
底生生物だけでなく、湖全体の生態系に不可逆的な変化を引き起こすかもしれません。

湖底の無酸素化は、琵琶湖に近い三方五湖でも起きています。
三方五湖の一つ、水月湖は、過去数万年間に渡って湖底が無酸素状態に保たれました。そのため、湖底は生物によって荒らされず、見事な年縞を残しました。
こちらは、人類に過去7万年余りの貴重な情報を残してくれましたが、琵琶湖の湖底の無酸素化は、災厄をもたらすことになりそうです。


ここまでは、琵琶湖について書いてきましたが、同じことが日本海でも起きようとしています。
このことも、当ブログで触れたことがあります。

日本海には、固有水と呼ばれる海水があると考えられています。これは、日本海を取り囲む地形によるものです。
日本海は、朝鮮海峡(対馬海峡西水路)、対馬海峡(東水路)、関門海峡、津軽海峡、宗谷海峡、間宮海峡で外と繋がっていますが、朝鮮海峡や対馬海峡、津軽海峡でも、水深は150mもありません。そのため、深部の海水は入れ替わりにくく、日本海固有水と呼ばれる安定した海水が存在すると考えられています。

その日本海も、琵琶湖に似た垂直方向の全層循環があります。これが止まると、日本海の底部でも無酸素化が進みます。実際、過去には日本海の深海部が無酸素状態になったことがあると言われています。
日本海の全層循環も、琵琶湖に似ています。
基本的には、表層水が冬季に冷却されて、日本海盆へと流れ落ちることで起きるとみられています。特に、アムール川がもたらす雪解け水や海氷によって、間宮海峡付近で下降流が起きるようです。
ですが、地球温暖化やアムール川周辺の経済活動の影響で、日本海の全層循環が弱まってきていることがわかっています。そのため、日本海の深海部で、溶存酸素量が減少し始めています。
日本海は、およそ100年程度で全層循環が一巡すると考えられています。ですので、比較的早く、温暖化の影響が出ると言われています。
おそらく、今世紀中、早ければ今世紀半ばには、日本海の生態系に影響が出るのではないでしょうか。

日本海で起きることは、太平洋などの大洋でも起こります。
大洋の全層循環は、1000年単位と考えられています。これの怖さは、完璧な対策を実施したとしても、その効果は1000年以上も後に出ることです。
私たちが認識しなければならないことは、「対策を急がねばならない」ということです。
早く対策すれば、それだけ影響が出る期間を短くできることです。

海洋と比較すれば、琵琶湖は小さな水溜です。それ故、地球温暖化の影響が早く出ます。
琵琶湖で起きることは、少し遅れて日本海でも起きます。
日本海で起きることは、更に遅れて全海洋でも起きます。
琵琶湖が発する警告を、私たちは真摯に受け止めなければなりません。

「今年6月から8月の北半球の気温は、観測史上最も暑い夏になった」と、世界気象機関(WMO)と米海洋大気局(NOAA)がそれぞれ発表しました。
今年6月から8月の北半球の気温は、20世紀の平均を1.17度上回り、観測史上で最高となりました。
また、8月に限定すると、北半球は平均を1.19度、全球でも平均を0.94度上回りました。これも、史上最高気温だそうです。


今年は、新型コロナの影響で、経済活動が大幅に低下しています。そのため、二酸化炭素排出量も例年よりも減少しています。
二酸化炭素排出量が減少しているのに、地球温暖化が進むことに疑問を感じる方も、おられるかもしれません。
中には、温暖化の原因は二酸化炭素ではないと思う方も、いるかもしれません。
なので、疑問を解消できるように、簡単に説明します。

地球温暖化の原因は、毎年の二酸化炭素排出量とは直接の関係はありません。関係するのは、大気中の二酸化炭素濃度です。
大気中の二酸化炭素が、地表から放射された赤外線を吸収し、それを地表へも再放射することで起こります。なので、二酸化炭素の排出量が直接的に関係するのではなく、これまでの二酸化炭素の蓄積が影響するのです。
今年の半年分の二酸化炭素排出量が減少しても、直ぐには温暖化の緩和にはなりません。

もう一つは、二酸化炭素の排出量が、地球温暖化を止められるほど減少しているのか、との視点です。
大雑把に言って、排出した二酸化炭素の半分は自然界に吸収されますが、残る半分が大気中に残されます。ですから、少なくとも排出量が半分以下にならなければ、大気中の二酸化炭素濃度は、減るどころか、増えてしまうのです。
OPECの生産量は、4〜6月は15%程度の原産となっているようです。今後は不透明ですが、最も悲観的な予想でも40%未満の原産なので、その通りになっても、二酸化炭素の排出量は、自然界に吸収される量を超えてしまいます。
これでは、温暖化は止まりませんね。

でも、見方を変えると、温暖化対策はハードルが高いことがわかります。
自然エネルギを利用するだけでは、届きそうにありません。社会の構造そのものを変える必要があると、私は考えています。
国を挙げての一大プロジェクトになります。
当然、政府が主導していかなければなりません。「経済が・・・」なんてレベルではなく、あるべき日本の姿を示し、投資や教育をしていかなければなりません。
残念なことに、今の政治家は、与野党ともに器を持ち合わせているようには見えません。

先日、中国政府は、2060年に二酸化炭素排出量をゼロにする目標を掲げました。
新型コロナウィルス感染症対策で、「中国の真似は他国にはできない」と言い放たれ、日本はそれを証明してしまいました。
同じように、地球温暖化対策も、日本は中国の真似さえできない可能性が高いように思います。
それは、未だに二酸化炭素排出量ゼロ化のタイムスケジュールを発表できていないことでもわかります。
当ブログの『2100年の日本の姿』よりも遅れています。

先が思いやられます。 



なお、ニュース元の単位は、「度」としか書かれていません。NOAAが絡んでいるので、華氏温度の可能性があるのですが、華氏なのか、セ氏なのか、わかりませんでした。逆算すると、華氏からセ氏に換算した形跡が見られるので、おそらくはセ氏と思われますが、念のため、華氏と仮定し、セ氏に換算した値を記載しておきます。

 華氏の1.19度 → セ氏の0.66度
 華氏の1.17度 → セ氏の0.65度
 華氏の0.94度 → セ氏の0.52度

2020年7月は、台風の発生が一つもありませんでした。
これは、観測史上初めてのことです。

これをもって、『地球温暖化は嘘!』と短絡的に主張する人々が現れそうです。
ですが、残念ながら、地球温暖化は間違いなく進行しています。

地球温暖化によって、台風が強大になるのではないかと考えられてきました。
でも、私は、台風は起こりにくくなるのではないかと、推測しています。
台風は、下層の大気が温められて強い上昇気流が発生することで生まれます。
地球温暖化で温められる大気層が上空にあれば、下層との温度差が小さくなり、上昇気流は弱くなります。これでは、台風は発生しにくくなります。実際、台風の規模は、どちらかと言えば、弱くなる傾向にあります。

私の考えが正しいかどうかはわかりませんが、少なくとも、7月に台風が発生しないことだけで、『地球温暖化は嘘!』と主張するのは、レベルが低すぎるように感じます。
 

気象庁が、水害などの重大な災害が発生する危険性が著しく高いと判断した場合に、『特別警報』が発表されます。
大雨特別警報は、警戒レベル5に相当します。
警戒レベル5は、避難は困難になっているので、崖から離れた部屋に移動する、上階に移動するなどの命を守る努力する状況になります。つまり、逃げ遅れたので、『運を天に任せて生き残ることを期待する』レベルです。
こんな状況になってから、気象庁が警報を発表する必要があるのでしょうか。
疑問に思います。
 
これを読まれた方は、地元気象台や自治体の警戒レベルやハザードマップを基に、『特別警報』が出る前に避難を完了されますように!

 

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