豊葦原中津谷のニニギ

食糧自給率の向上を目指して! (2100年の日本へワープ)

カテゴリ:科学的好奇心 > 自由研究

以前に、野辺山宇宙電波観測所の一般公開に行った際、ある研究者の講演を拝聴したことがあります。
内容は、ほとんど記憶にないのですが、印象に残っているのが、雷の研究でした。

今年は、ブラックホールの撮影に成功したこともあり、電波天文学について、一般の関心が高まっているように思いますが、私が野辺山宇宙電波観測所に行った頃は、電波天文学への関心は低かったように思います。
そのため、講演は電波天文学を理解してもらうために、雷を例に説明されました。



雷は、稲光で見ることができるが、他にも電波でも知ることができます。
例えば、ラジオを聞いていると、雷が近付くとノイズが聞こえてくる経験をされた方は、大勢おられるでしょう。
ラジオには、指向性があります。
指向性とは、簡単に言うなら、方向毎の電波の感度の良し悪しです。一般に、ラジオの正面側と反対側の2方向からの電波に感度が良いものです。(機種によって違うことがあります)
この指向性を用いると、雷の電波がどの方向から来るのか、わかります。ノイズが入った際に、ラジオの向きを変えて、ノイズが最も強くなる方向を探すのです。雷は、ラジオの正面側か、反対側で発生しているはずです。
稲光が見えなくても、雷鳴が聞こえなくても、雷がどの方向にあるのか、わかるわけです。
ラジオに入る雷のノイズが、どの方角に多いのかを調べると、研究になります。
地形との関係、天候との関係などを調べれば、もっと良い研究になるでしょう。

電波天文学は、電波で雷の位置を探ることに似ています。
暗黒星雲の向こう側にある星も、電波なら見ることができる場合もあるのです。
天文学が雷の稲光を観測する学問だとすると、電波天文学は雷の電波を捉える学問だと言えます。



概ね、上記のような内容だったと思います。
雷の電波の研究は、観測機会が少ないので、自由研究として充分なデータが集まるのか、やってみないとわからないところがあります。
ただ、電波天文学に興味を待たれたなら、野辺山宇宙電波観測所の一般公開にいらしてみてはいかがでしょうか。

野辺山宇宙電波観測所の今年の特別一般公開は、8月24日(土)9:30〜16:00です。
(野辺山駅から徒歩40分)

野辺山宇宙電波観測所 2019年 特別一般公開のリンク
https://www.nro.nao.ac.jp/visit/open2019/open2019_top.html
 

水瓶座にトラピスト-1と命名された恒星があります。この恒星には、少なくとも7個の惑星があるとされています。

ケプラー望遠鏡が打ち上げられて以降、惑星系を持つ星が数多く発見されてきました。その中でも、トラピスト-1が注目を集める理由は、地球型の岩石惑星が少なくとも6個(b、c、d、e、f、g)もあり、その内の3個(e、f、g)がハビタブルゾーン内にあるためです。

 

ハビタブルゾーンは、恒星からのエネルギによって水が液体で存在できる領域を指し、地球型生命が存在する可能性があります。

SETIで有名なオズマ計画では、太陽(G型)に近いスペクトル型(G型とK型)を対象にした知的生命探査を行いました。オズマ計画の時代は、太陽より明るい恒星(OBAF)は寿命が短過ぎ、太陽より暗すぎる恒星(M型)はハビタブルゾーンが恒星に近くなりすぎるため、7段階のスペクトル型(OBAFGKM)の内のG型とK型を対象にしました。

 

トラピスト-1は、最も暗いM型に分類され、ハビタブルゾーン内のeとfは自転が同期していると推測されています。ですが、惑星gは生命が存在する可能性を持っています。

トラピスト-1が注目を集める理由は、ここにあります。

トラピスト-1の他にも、ハビタブルゾーン内に惑星を抱える恒星はあります。これらよりもトラピスト-1が注目を集めるのは、ハビタブルゾーン内にある惑星の規模が地球とほぼ同じであることがあげられます。

前述のオズマ計画で観測対象に選ばれたクジラ座τ星にも、地球型惑星は存在しますが、地球より重いスーパーアースと推測されています。スーパーアースは、マントル対流が起こりにくいため、磁場や物質循環が少ないと推定されています。これらは、生命の発生・進化や維持に不利に働きます。

これらから、地球型生命に都合の良い条件を備えているトラピスト-1が注目を集めるのです。

 

 

7月下旬は、トラピスト-1と同じ水瓶座の方向に見られる水瓶座δ流星群の観測のチャンスです。

流星群は、惑星に降り注ぐ彗星由来のチリですから、トラピスト-1で水瓶座δ流星群を見ることはできませんが、トラピスト-1に居るかもしれない知的生命を想像しながら、のんびりと星空を眺めてみるのもオツなものと思います。

 

2019年7月中旬の星図

東京天文台 天文情報センター 
(リンク⇒https://www.nao.ac.jp/contents/astro/chart-list/color-v1/ja/chart07.jpg


自由研究にする場合、こんなのはどうでしょうか。
毎日21時から22時までの1時間について、流星の出現数を数えるのはどうでしょうか。
7月20日から8月11日までの出現数をまとめ、その変化を見てみるのも面白そうです。
ただ、後述のように、ZHR20なので、夜空が暗いところでないと0個の日がほとんどになるかもしれませんので、御注意ください。




なお、夏の主な流星群を列記します。(リンクは流星電波観測国際プロジェクト)

・水瓶座δ流星群  (極大7月28日 ZHR:20)
 (詳しくはこちら⇒http://www.amro-net.jp/meteor-info/07_aqrdelta_j.htm

・やぎ座流星群   (極大7月31日 ZHR:4)
 (詳しくはこちら⇒http://www.amro-net.jp/meteor-info/07_capri_j.htm

・ペルセウス座流星群(極大8月13日 ZHR:100) ※三大流星群の一つ
 (詳しくはこちら⇒http://www.amro-net.jp/meteor-info/08_perseids_j.htm

・白鳥座流星群   (極大8月18日 ZHR:3)
 (詳しくはこちら⇒http://www.amro-net.jp/meteor-info/08_cygnids_j.htm



※ZHR:1時間当たり6.5等星以上の明るさの流星の出現数。
     明るさ毎の出現数が均等な場合、ZHRに対する明るさ毎の出現比は以下です。
      ・2等級:63分の1  ・3等級:25分の1  ・4等級:10分の1

     例えば、ZHRが100の時、3等級以上の流星は1時間に4個くらい見られる
     ことになります。(注:単純計算です)

科学的好奇心ではありませんし、自由研究のネタになるか分かりませんが、
こんなのも面白いかなと思います。


以前、テレビで日本の城ランキングをやっていました。

順位は、以下の通りです。

 

  1位 姫路城 (兵庫県)  現存12天守の一つ。世界遺産

  2位 大阪城 (大阪府)  徳川の天守台に豊臣の天守を模して建築

  3位 松本城 (長野県)  現存12天守の一つ

  4位 熊本城 (熊本県)  天守は復元天守。宇土櫓は国宝

  5位 首里城 (沖縄県)  城址は世界遺産

  6位 名古屋城(愛知県)  金の鯱が有名

  7位 竹田城 (兵庫県)  天空の城として有名

  8位 五稜郭 (北海道)  日本で2か所しかない近代西洋式城郭の一つ

  9位 二条城 (京都府)  現存4御殿の一つ。大政奉還が行われた

 10位 弘前城 (青森県)  現存12天守の一つ

 11位 江戸城 (東京都)  皇居。日本最大の城郭

 12位 彦根城 (滋賀県)  現存12天守の一つ。井伊直弼ら井伊家の居城

 13位 小田原城( 神奈川県) 惣構の城郭が有名

 14位 安土城 (滋賀県)  日本で初めて天守を備えた城

 15位 犬山城 (愛知県)  現存12天守の一つ

 16位 鶴ヶ城 (福島県)  会津若松城とも言う。白虎隊で有名

 17位 チャシ跡(北海道)  根室半島が有名だが、北海道沿岸部に数多く存在する

 18位 郡上八幡城(岐阜県) 人柱伝説が残る。これを鎮める郡上おどりが知られる

 19位 備中松山城(岡山県) 現存12天守の一つ

 20位 松江城 (島根県)  現存12天守の一つ

 21位 松山城 (愛媛県)  現存12天守の一つ

 22位 今帰仁城(沖縄県)  首里城と共に世界遺産に登録

 23位 金沢城 (石川県)  加賀100万石、前田家の居城

 24位 上田城 (長野県)  真田家の居城

 25位 駿府城 (静岡県)  徳川家康は、ここで人質時代の一時期を過ごす

 26位 高知城 (高知県)  現存12天守と現存4御殿の両方を備える唯一の城

 27位 忍城  (埼玉県)  石田三成による水攻めに耐えた城として知られる

 28位 広島城 (広島県)  毛利氏の居城。原爆で倒壊

 29位 岐阜城 (岐阜県)  山城の傑作とされるが、五回も落城している

 30位 丸岡城 (福井県)  現存12天守の一つ


1位はベタですが、いくつか面白い結果もありましたので、紹介します。

まず、現存12天守では、宇和島城と丸亀城が選外となりました。
また、現存4御殿では、川越城の本丸御殿、掛川城の二ノ丸御殿が選外となりました。

これは、少し意外でした。


一方、私が知らなかったチャシが17位にランクインしています。
私の不勉強は、今帰仁城のランクインを予想できなかったことにも現れています。


20年前ならランクインしなかったかもしれないのは、竹田城や忍城、上田城です。

竹田城は、天空の城として2006年頃から有名になりました。

忍城は、映画「ノボウの城」(2012年公開)の舞台となった城です。癌で入院中に原作(2007年発刊)を読んでおり、私にとって感慨深い城です。

上田城は、2016年の大河ドラマ「真田丸」の主人公・真田幸村の居城です。

 

 

さて、30もの城や城趾がランクインしていますが、半分の24県にはランクインした城がありません。

そこで、私の個人的な趣味で残る24県の代表的な城をリストアップしたいと思います。

 

 秋田県  久保田城

 岩手県  盛岡城

 山形県  山形城

 宮城県  青葉城(土井晩翠が「荒城の月」の作詞のイメージとしたと伝わる城の一つ)
 茨城県  水戸城(徳川御三家の一つ水戸藩主の居城)

 栃木県  宇都宮城

 群馬県  箕輪城、金山城

 千葉県  館山城(南総里見八犬伝の舞台)
 新潟県  新発田城、春日山城

 山梨県  甲府城

 富山県  高岡城
 三重県  伊賀上野城

 和歌山県 和歌山城(徳川御三家の一つ紀州藩主の居城)

 奈良県  高取城
 鳥取県  鳥取城

 山口県  萩城
 香川県  丸亀城

 徳島県  徳島城
 福岡県  小倉城

 佐賀県  名護屋城

 長崎県  島原城(島原の乱の拠点となった城)

 大分県  岡城(滝蓮太郎が「荒城の月」の作曲のイメージとしたと伝わる城の一つ)

 宮崎県  飫肥城

 鹿児島県 鶴丸城(薩摩藩主の居城。維新はここから始まったと言っても良い)


城は、姫路城に代表される白い城と、松本城に代表される黒い城があります。
白い色は漆喰によるもので、火矢などからの防火を目的としています。これが理由か存じませんが、白い城は攻めの城、黒い城は居城と言われています。
現在の姫路城は、徳川家康の娘婿である池田輝政によって築城されました。当時、大阪城には豊臣秀頼が健在で、西国には豊臣恩顧の大名が残っていました。姫路城は、その間に割り込む形で築城されたのです。正に、攻めの城、そのものだったのです。

全国には、白い城と黒い城が点在しています。
白と黒に分けて、築城年代や位置を調べてみるのも面白そうです。


城趾は、意外に身近な場所にあります。

元々、敵襲から身を守るために築かれた砦が発展したのが、城です。

天守閣は、安土城築城から50年程度の短い期間に建てられたものがほとんどですが、城自体はもっと古い時代から存在します。それらの城は、空堀と土塁や柵囲いで出来ていたようです。現在でも、そのような地形は残っており、城郭の縄張りを確認できます。

 

城は、全国各地に点在しており、住んでいる街や近隣の市町村にもあるはずです。

夏休みを利用して、城跡を見学し、縄張りを調べてみるのも面白いと思います。

 

1ヶ月前の7月20日に出題した「正方形の折り紙を、ぴったり三等分にする方法」の解答例を書くことにします。
改めて、出題内容を確認しておきます。
 
【課題】正方形の折り紙をぴったり三等分にする。
    物差し、定規、コンパス、分度器等は使用してはならない。
 
では、解答例を紹介します。
 
イメージ 1
 
【解答例】
 ① 二等分に折ります。
 ② 更に二等分(四等分)に折ります。
 ③ 一度、元に戻します。
 ④ 折皺を利用して、四等分の内の三つを利用して折ります。
 ⑤ これを開くと、四等分の折皺と斜めの折皺の交点は、三等分になります。
 ⑥ これを繰り返すと、三等分ができます。
 
 
これは、解答例の一つにすぎません。
他には、三角形の重心を利用する方法や、1:2の合同な三角形を作る方法や、
ネットを調べれば、もっと色々な方法も見つかるはずです。
 
この問題が解けずに悩んでいる方は、これでスッキリしてくれればと思います。
 

科学的好奇心ではありませんし、自由研究のネタになるか分かりませんが、
こんなのも面白いかなと思います。



私は、平家の落人の末裔です。
と言っても、私が生まれた場所は、両親の職場があった街でした。
ですので、私が生まれ育った場所は、先祖伝来の地ではありません。
子供の頃、両親に連れられて訪れた父の生家は、正に異次元の田舎でした。
ですが、間違いなく、私のルーツは、その地にあるのです。

父の郷里の郷土史資料館には、我が祖先に関わる資料があります。
多くはありませんが、歴史で学んだ史実とのリンクは、興味深いものです。
我が祖先は平家の落人ですので、平安末期から郷土史に現れ、南北朝時代まで、逸話が残っています。
ただ、その後は表舞台から消えてしまいます。
それでも、歴史で学んだ史実と郷土史を紡ぎながら読むと、面白く歴史を見つめ直すことができます。


今夏、両親の田舎に帰る子供達は、郷土史を調べてみるのも面白いと思います。
私のように、何がしかの謂れを持つ方は多くないかもしれませんが、それとは別に、郷土史と歴史をリンクさせ、「ここに八百万の神がいた」とか、「ここには城があった」とか、「ここで合戦があった」とか、伝説の時代から中世、近世へと、現地で歴史を追ってみるだけでも、多くの発見があると思います。
御両親も、「うちの田舎は、歴史に出てきたことがないからなぁ」なんて言わず、郷土史資料館に足を運んでみてはどうでしょう。
そこで仕入れた情報を元に、縄文遺跡や城趾、神社仏閣などを訪れると、きっと新しい発見があるはずです。

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